※ナモミ視点
どうしてこうなってしまったのか。
目の前には、一糸まとわぬゼクと、同じく生まれたままの姿のプニー。その二人を前にしているあたしも、もちろん包み隠さず全裸だ。
デジャブ感を拭えないこの状況ではあるけれど、何故ベッドの上で三人がこのようなことに至っているのか。
それはとてもシンプルな話で、プニーからの提案が事の発端だった。
親睦をより深める意味でも、より互いの技術を高める意味でも、効率的な面を考慮しても、合同で致すのはどうだろう、という話だった。
プニー自身、ゼクとの関係、そして行為について、疑問と不安に苛まれていた。本当にこのままでいいのか、悩んでいた。
その悩んだ末に受けた相談がコレ。悩んだ結果がこの提案。
リアルに、ガチで、3Pとか正直その場で即お断りレベルの話だった。無理、無理、無理と超絶拒否する話だった。
というか、以前も似たようなことをしようとして、勢いあまってゼクの無防備な股間を蹴り上げた前科もついているくらいにあたしは乗り気ではなかった。お姉様も猛烈に断って飛んで逃げていってしまったし。
が、しかし。あたしは、断らなかった。何故って、そりゃまあ、気になってしまったから、というほかない。
避けても仕方ない話だけど、現状、ゼクはみんなとヤッている。プニーとも、お姉様ともだ。そこについては不平不満をぶちまけるところではない。
ただ、他の二人がゼクとどのように接しているのか。特にプニー。プニーだよ。ゼクとプニーって普段どんな感じなのよ。気にならない方がおかしいってもんでしょ。
だって、プニーの話を聞いたらアブノーマルなことばっかなんだもん。この目で見て確認したくなって何が悪い。
だから、あたしは承諾した。
だから、あたしは今、こうやって顔を沸騰させそうなくらいに熱くしている。
「本当にいいのか? ナモミ。意地をはるところじゃないぞ?」
「い、意地なんてはってないしっ!」
そういいながら、ゼクの肌に触れる。いつもシているのに真横にプニーがいるだけで意識してしまう。いつもよりもドキドキしてしまう。なんかもう恥ずかしすぎて頭が破裂しそう。
「それではゼクラ様、そろそろ始めましょうか」
プニーまでゼクにしがみつく。よかったね、ゼク。両手に花、ハーレムだよ。女の子二人、ベッドの上、これからヤれるってんだから幸せ者よね?
「ナモミ……顔が恐いんだが、大丈夫か? 体も震えているみたいだし」
このあたしがビビってる? まさか。もうゼクと何回もヤってるこのあたしが、ビビってるなんてこと、あるわけないじゃない。
どんなアブノーマルなプレイだって掛かってこい、ってなもんよ。何するか知らないけど、ナニするならあたしももうベテランなんだから!
「完全に目が泳いでいるな……」
「ナモミ様、落ち着いてください。緊張してしまうお気持ちもよく分かりますが、お互い、不慣れな身ではないでしょう?」
いつもの無表情でプニーがいう。なんと余裕のある顔だろう。あんな顔してゼクのを何本咥えてやがるんだ。ま、ま、負けてないんだから。あたしだって負けてないんだからね!
「いいからゼク! さっさとおっ勃てなさいよ! 半勃ちじゃ満足できないわよ?」
「そんな焦点の定まってない目で言われてもな……。ま、まあ一旦落ち着け。確かにいつもと違うと意識すると困惑するところもあるだろう」
「大丈夫です。私は何も気にしませんから」
うぅ……、なんか物凄い気遣われてしまった。ヒートアップしすぎだ。なんであたしはゼクの上に全裸でまたがっているの。これじゃ完全に痴女じゃないのよ。
クールダウン、クールダウン。あー、もう、余計に恥ずかしくなってきちゃった。
いつもはこんなんじゃないのに……。
「やっぱり色々と無理があったんじゃないか?」
今更のようにゼクが言う。いや、まあ今更どころか、ゼクを誘った段階で既にそういう感じの話し合いにはなっていたけれども。よくもまあ、ゼクもここまで付き合ってくれたものだと思う。
「私としても、今後の参考になるかと思ったのですが……」
そもそも、性行為についての教育や知識云々とかは例の教材で十分に学んできているんだし、それ以上勉強が必要になることってそうはないのでは。
確かにプニーが色々と不安を抱えていることは知っている。以前にも直接あたしに相談しに来たくらいだ。今回のこともソレの延長に違いない。
「では私は一旦席を外しますので、撮影させていただくというのはどうでしょうか」
それはそれで一体何のプレイだ。結局見られているということを意識せざるを得ないし、今と大差ないどころか、むしろタチが悪い気がする。
「だ、大丈夫だよ、プニー。こういうのも経験だからさ」
こういう経験が本当に必要なのかどうかはあたしにも分からないけど。
「そうですか……ではここにいさせていただきます」
どうしてまだ何もしないうちからこんなにも緊張しているのか。のぼせるくらいに頭がカッカしてきてしまった。
「ふぅー、なんか無駄に汗かいちゃった」
「ナモミ様、ドリンクはいかがですか?」
そういってプニーがボトルを差し出してくる。また準備の良い。
「それって、アレ? 排卵ドリンク的なヤツ?」
例のアレはある意味酷い目にあった。間違ってももう飲みたくはない。
「いえ、違います」
「そう、じゃあ、いただくね」
そういってあたしはプニーからそのボトルを受け取り、口に運ぶ。ああ、喉が潤う。水分でもとって少しは気を落ち着かせないと。
「あっ、待て。プニカ、そのドリンクはもしかして」
「はい、いつも私が飲んでいるものです」
プニーがいつも飲んでるドリンクなんてあるんだ。そうのんきに構えていたらその違和感は強烈にやってきた。冷たい飲み物を飲んでいたはずなのに、まるでマグマでも飲み干してしまったかのように、お腹の中が熱くなってきていた。
何コレ。今、あたしは一体何を飲んでしまったの?
「な、ナモミ……? 大丈夫か?」
ゼクが何か言っているような、気がしたけど、何故だろう。凄く、遠くに、聞こえて、よく、分からなく……。
あ、あ、あ……? ナ、ん、だ、こレ?
ものスごい、あたマが……おかシ、く……く、く、く……。
「うあアあァァぁっッ!!」
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