第Ⅰ章
第Ⅰ部KnghitsOFDarkness Wahre Anlauf Einführung
帝國暦60年
海の音が聞こえる。
波の音。
世界のどこかで何も知らずに流れ着き倒れていた少年。
手に握っていたのは双剣だ。
波飛沫が激しい。
波の音がザワザワ聞こえてくる。
兎に角ここは海だ。
少年はボロボロのコートに全身傷だらけで・・・・傷つき波際の砂浜。
砂浜で倒れる少年。この島を駆け抜ける馬の音。
バシンバシン駆け抜ける馬に少年はこの砂浜に倒れ着いていた。
同暦時同じくしてセフィリアの騎士団も進撃の勢いで帝国領土9割。
世界はアイゼンガルドとセフィリアの二面性の体制として騎士団駆逐狩りが続く。
収容所も増えて其処には名が知られている騎士も収監されている。
少年がこの砂浜に流れ着き馬の音が聞こえてくる。
「・・・・・・・・・・ん?」
気付いた。頭が痛む。
「ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・・ハゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
噎せ返し周囲は海だ。完全なる孤島にこの断崖絶壁の孤島に誰かが来るとは知らずに少年は双剣を腰に差す。
少年は椰子の木から椰子の実を入手して喉が渇きココナッツを呑む。
「プハァー・・・ゴクン」
喉を潤し椰子の実を切り取りポケットに入れた。
コートはボロボロに破れフードも被り島を見た。
少年は全てが分からなかった。
「俺が誰で誰だろうな?どうして俺がここに居るのだろうか?不思議だわ」
少年はホワイトビーチを歩いた。ここに居るのは誰も気付かれない。
「俺は誰だ?誰だ?誰だ?誰だ?誰だ?誰だ?わからねぇ」
少年は分からない。正直分かるのは独りぼっちの少年は怖くなり寂しかった。
「・・・・・ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・」
嗤い始める少年は流木に座り近くに洞窟があって其処に火を焚いた。
洞窟内で火を焚き薬草と猪肉を煮込む。焼く。蒸して食べていた。洞窟内は意外に快適で少年箱の地に誰かは分からずに居ると洞窟から人物が出てきた。
「びっくた、ダインか?ダイン?御前生きて居たのならルーラシアにイケ。」
「すいません?ダインって誰のことですか?あと・・・あなたは?」
「ん?俺?俺?俺はロキ・ラタトスクだ。」
握手を求められたので握手した。ロキという男に出逢い直ぐさまにダイン・ヴェスタニエ生存が確認されたことでルーラシアに伝わった。
「本当か?ロキ君?事実ならばロキ君ダイン・ヴェスタニエを連れてきて貰いたい」
ルーラシアは愕いていた。行方不明でダイン・ヴェスタニエを連れてくること自体に意味があると思いロキは腕を痛めて(重症化したウイルス性の病気)で隠していた。ロキは孤島を出た。少年はダインと言うらしい。
その頃洞窟で肉を焼き薬草のジュースを飲み暗い洞窟で寝込んでいた。
少年は海岸に居た。
《大丈夫か?ダイン?記憶ねぇけども取り敢えずはここを出ようぜ》
「つうか誰だ?」
《魔剣バルムンクだ。御前の相棒であって御前専用の人格剣》
「へぇー・・・覚えねぇけど」
《ガチで、記憶喪失で自分が分からないの?ハデにセフィリアと闘って追い込んだのは見物だけど自分自身ヤバイかも》
「自分が先ず誰かもわからねぇーぜ」
少年は砂浜を歩き激痛が脳内の脳漿が爆発する痛みに耐えきれずに砂浜に倒れ込んだ。それから数日も過ぎて痩せ細りボロボロの人が居るニュースが各国に流された。少年の安否は不明。
ルーラシア国歴史の間
KnghitsOFDarkness(第500期生)が至急諸国の任務帰りに招集された。ダイン不在の間は、彼の兄であるマジュリア・ヴェルセルクゥトス・ヴェスタニエとレイナ・バスターソード・ブレイカー・ヴェスタニエの二人がダインの代理を務めてKnghitsOFDarknessを動かしていたが集められた八人に大事な話を告げた。
「少年がダインという不確かなニュースだ。仮に生きて居ると帝国が動く。セフィリアとアイゼンガルドの戦争にこれ以上巻き込まれるのだけは避けたい。イギリスは落ちた。たった一人ガウェイン・アーヴィング騎士長が居る。もう・・・時間が無い。」
「で?話しってのは?ダインの保護とイギリスの奪還か?俺達なら何ら問題無い。可愛い弟が居ない間少なからずルーラシア領の保護と巡礼は護ってきた。それに俺達には最大厳守厳禁極秘守秘義務には最大の切り札がある。」
「クレアとヤハウェーな。なもんさぁー、KnghitsOFDarknessに選ればれたと同時にルーラシアが直接言うし、クリスタルに睡っている。今も息がするようにクリスタルで眠る。」
レイナはカールの金髪に爆乳でベルトには長剣を腰に差して布巻だけで戦場に行くダインの姉。
現新政府王庁ガンダルディキアの警護の騎士団所属の聖騎士だ。
KnghitsOFDarknessが動き出す頃少年は波飛沫に波に打たれながら砂浜で俯せに倒れていた。痩せ細り金髪も濡れて海藻のように垂れ下がり息はしていた。
「・・・・・・ゴホッゴホッゴホッゴホッゴホッ」
少年ダインは海岸に眠っていた。
馬の音が聞こえてくる。
耳だけで何の音とかは不思議な感じで分かる。馬だ。馬だ。馬だ。人の声が微かに聞こえる。
「KnghitsOFDarknessを追え!!!!!逃すな!!!!!!!!皇帝陛下の土産だ」
「そうだな。KnghitsOFDarknessの賞金額は全員億越えの強者。その内高値が付くツヴァイと俺はヤリたいな・・・・Sっ気ある女の犯すのとか想像するだけで俺のがピンと勃起するぜ」
「ある。ある。ある。ある。さっさと片付けようぜ」
確実に男の声で馬の音とは騎乗しながら走っている。俺は誰だろう。この冷たさは波に打たれながら俺は倒れているのか。帝國軍の騎兵隊の男達は妄想話をしながら此方に向かってきている。確実に見つかれば俺はもう死ぬのだろうか。この命が消えるのだろうか。死にたくない。死にたくない。死にたくない。少年が眼を覚ます。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
急に立ち上がり足下がふらつき躰が揺れ動き腰から双剣を抜き取り、馬を斬った。
「やっ・・・やっ・・・やっ・・・めろんんんんんん」
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああ」
「うぅ・・うぉおおおおおおおおおお」
帝國軍の兵士数名斬り血飛沫を浴びた少年は砂浜に倒れた。これは突発的感覚なのか。少年は睡ったように海岸が静寂で何も感じなかった。急に力が湧くように起き上がって剣を抜いた。少年自体何もかもが思い出せずにこうして睡ったように砂浜に流れ着いていた。
その後は温かい感じがした。
誰かの温もりなのか?ベッドなのか?少年が眼を覚ましたのは数日後だ。保護したのはシュットガルベルグ国防衛に就いていたツヴァイ隊だ。ツヴァイ?ツヴァイという名前?聞いたことがある。耳にした。少年が訊く。
「御前がツヴァイか?俺が誰だか知っているか?」
「当たり前や、当たり前だのクラッカーじゃ、KnghitsOFDarkness隊長ダイン・ヴェスタニエ。私のチームの隊長を忘れる馬鹿がどこに居る?私、覚えているでしょう?ツヴァイを忘れたって言わないでよ。ダイン?ダインを保護してここまで来るのに五日間馬を走らせたわ。私を本気で忘れたの?一緒に寝て・・・一緒に闘って・・・一緒に・・・・やったことも忘れたの?流石にそれはショックでウケル~わ。やった女を忘れるじゃ済まないよ。ねぇー」
「知らない。知らない。知らない。知らない。知らない。俺は何もかも覚えてない!!!!!!!!」
ツヴァイの平手打ちに隊員が腰を抜かしツヴァイが険悪だ。
「サイテーね、記憶無いのか?本当にアンタは何者だよ?リアルにダインか?ダインだったら何とか言えよ、私、明日には出発するからどうぞご自由に・・・放置しても良いわ」
この女のS気は俺を本当にどう苦しませたいのか?色々言われても俺視点観点主観から言うなら本当に自分がダインという事実しか無い。ダイン・ヴェスタニエという幻想が俺なら今の俺は何者だろうか?誰で何を語り誰者だ俺という人間が分からない。
ツヴァイが宿屋を出るとアイルが着いてきた。
「ツヴァイさんいくら・・・ありゃぁー・・・言い過ぎですよ?彼だって少年何か衝撃が大きくて忘れたのでしょう」
「ねぇ。アイル?私またしてもやってしまったタワー・・・どうしよう」
泣くツヴァイにアイルも背中を摩った。ツヴァイの隊は全員女性だ。
少年ダインはどこかの宿屋の二階に立っていた。ダインは頭を抑えながら宿の階段降りるとおばさんの怒号が聞こえた。
「ジッとしてなさいよ、アンタ?寝ていな、病人に金は請求しないよ」
「いや・・・いや・・・・あっ・・」
階段から転がり落ちるとツヴァイ隊の隊員が手を差し伸べる。
「大丈夫ですか?落ち着いてここに居ましょう」
「ですよ。ツヴァイさんが怒ったら私達羞恥の恥曝しですよ。もう・・・お嫁さん行けません」
「ハッ?ハッ?」
「だから二階に戻って下さい」
三名の女性騎士に首を掴まれてダインは二階の寝室に戻され内側から鍵を掛けられた。
「おう、おう、ジーザス!!!!!!!!」
ダインは部屋に閉じ込められた。ここがどこなのか知らずにおばさん達や知らない騎士や魔導士が多い。ツヴァイは酒場に行き酒場でミントビールジョッキ生を仲間と頼み少年について聞く。
「プハア~ゴクンゴクンゴクンゴクンゴクンゴクン・・・プハァーえ?」
「言ったでしょ。ダインはどうしますか?」
「ですよね・・・ルーラシア様からの命令私達しか居ないですよ」
「アイル?ジュリア?てめぇーらぁーがぁっ、気にするな。直にお迎えが来る」
「え?え?え?誰の?」
「まぁー、ヒックヒックヒッ・・・・私が・・・待って、待って・・・待って」
昼間から数杯酒に酔い潰れるツヴァイに紅茶とコーヒーを飲む女性騎士に酒場《ヘヴン・パラディーゾ》に馬の音が聞こえてきた。ツヴァイも水を飲み立ち上がった。
「金は気にするな。先払いだ。ヘヘヘヘヘ・・・KnghitsOFDarknessが来た。言ったじゃねぇか。お迎えだ。KnghitsOFDarknessが乗れる特権の船に帰れる。」
酒場の前に馬屋が在り馬屋に泊めて馬屋から店に入ってきたのは、マジュリアとレイナの二人だ。ツヴァイは千鳥足で酔っていたのでアイルが説明した。
「・・・・・・・・・・・・まぁ。よっ」
マジュリアはツヴァイの肩を叩きツヴァイは酔いが終わるまでにマジュリアもレイナも来たのは火急の件でダインに逢いに来た。レイナは馬屋を降りてツヴァイを椅子に座らせて二人はダインを聞きつけに来たのだ。ツヴァイが落ち着いた。
「ハァー、マジデかマジかよ。兄さんと姉さん、隣よ。隣の宿屋の二階。左側の角を曲がった部屋。」
ツヴァイも水を飲み重たい腰を上げて隣に行くとおばさんが腕を撒いてカウンターに居た。ここは辺境の孤島に近い港だ。ここの領地はエイゼンヴェルグ領の島だ。マジュリアもレイナも宿屋《アイン・ソウル》の中に入りおばさんに金バッジを見せた。
「婆さん、俺等こういう者です」
KnghitsOFDarknessのバッジを見せるとおばさんと従業員と騎士と魔導士は跪いた。
「マジじゃね?リアルガチのKnghitsOFDarknessだ・・・・」
「本物を見た。DANDANKnghitsOFDarknessに会えたからサイン貰おうかな?」
「シッー」
魔導士も騎士もざわつく。
おばさんが跪いた。
「ご無礼でしたね。KnghitsOFDarkness様がお出でとは私共何も無いのですが、御用は?」
「コイツ居るよな?呼んできて来いよ、婆さん」
マジュリアが見せたのはルーラシアで昔撮った写真で真ん中にこの当時は背が低く腰に双剣を刺す金髪隻眼黒コートの少年の顔写真をおばさんに見せるとおばさんがカウンターから鍵を出した。マジュリアが鍵を握り二階の階段を上って左側の角を曲がると部屋がある。鍵穴にぶち込んで、部屋を開けた。
「誰だよ!!!!!!アンタ等さ」
「ん?KnghitsOFDarknessのマジュリアだ」
「チッース。ダイン?元気じゃね?KnghitsOFDarknessのレイナ」
「あっ・・・あっ・・・ああ・・・へ?」
「ダインに間違えねぇけど随分と身長高くてイケメンか?おい、おい、やれやれだぜ」
「兄さん?ダインどうする?連れて行く?」
「俺を誰だか知っているなああっハッキリ言ってくれよ!!!!!!!!なああっ、」
「ダイン・ヴェスタニエだ。KnghitsOFDarknessの隊長で出身はエイゼンヴェルグ国。セフィリアを追い込みこの戦争に終わりを告げた英雄の卵だ。最も御前は誰だよ?俺の弟者ねぇけどよ」
二人とも口を合わせた。マジュリアとレイナに言われた言葉の節々が今の少年の心臓に突き刺さり膝をついた。
「スタンド、アップだ。来いよ」
「俺がダインって分かる。KnghitsOFDarknessとか今始めて訊いたぞ」
「ん?兎に角御前を連れ出して国に帰る」
マジュリアがダインを連れ出してツヴァイの居る酒場に顔を出した。
「ノックぐらいシロー」
「ツヴァイ?俺と来い。約束通り帰るぞ。マーデル・リンクにインデックスが居る。コイツの記憶を確かめてから法廷裁判だ。法廷裁判は口うるせぇーエスタンスからだ」
「可笑しいよ?俺が裁判とかおふざけだろ・・・なぁー」
ダインは嫌がった。ダイン自身自分が誰かも分からないままの裁判は拒否した。
「ねぇー、これマジでどうするの?私は速くルーラシアに帰って家に帰って私を待っている男も居れば、リアルに私の家でやろうて・・・まぁDANDAN私の躰の中に男が欲しい!!!!!!熱いのを注いで欲しいから、もう・・・帰ろうよ」
「どいつもこいつも馬鹿が揃い組みだ。予定で言うけど今から船に乗ってマーデル・リンクに行く」
マジュリアが決めた。
ダインはやむを得ない状況に手錠が掛けられた。
ツヴァイもツヴァイ隊もレイナの艦隊に乗り込んだ。
ダインは否定したくない気持ちもあるが、今の自分が居ると何も思い出せずにゆっくり消えていく。ダインは法廷裁判に迷っていたがレイナが言う。
「自分かどうか確かめるのに行けばいい。エスタンスはクズでも良い奴だ。ホンマに、そこらへんのアホとか一緒になって思うと私自身個人的見解だが、マジでアンタ自身が先の道を決めろよ。だって自分の人生人に言われるのでは無く自分で切り拓いて生きるよ」
「レイナさんだって?俺の姉ね。姉ちゃんが言うなら俺は信じる。裁判に行く」
船に乗り込みエイゼンヴェルグ領土艦隊に乗り込んでマジュリアが手渡した。
「おい、おい、おい、弟よ、めっちゃ好きやねん。ほんなら、コイツを」
ヒョイッと投げてダインがキャッチした。
「ん?ん?何よ、これ?」
「だ。コイツで御前はある程度のダメージもばってん、護れるよか」
「いやいや・・・・インチキだろ?」
ダインは艦隊の船室に揺られた。手に握る十字架だ。正直インチキアイテムを貰っても嬉しくも何ともないが、この十字架こそ後々真の力を発揮ダインの脳裏にセフィリアを超える凌駕する力を発揮させる十字架をダインは紐に通して首にぶら下げた。
「ねぇー、ねぇっつうてばぁー」
「はい?」
ダインが船室に揺らいでいるとツヴァイが揺られてきた。ツヴァイがダインの肩を叩き地我流で、S気でドンと叩いた。
「ばっ!ばっ!!!!ダイン?記憶無くてもダインはダインじゃ。私のダインよ。KnghitsOFDarkness時代私と寝て私の中にも出してケツにも出したよね?」
「え?ウソ?んなぁ、ことあっけ?」
それすらも俺は知らなかった。偽った自分はこのツヴァイと性行為した関係だったのだろうかダメだ。KnghitsOFDarknessのダインという記憶が完全に消えていた。ダインはこの双剣を不思議に感じていた。自分と同様に海岸に流れていたときに手に握っていた。
「なぁ?裁判か?何訊かれるのだよ?」
「理由じゃ無い?ダイン・ヴェスタニエが生きて居るってなるとかさ・・・・まぁ諸外国がスパーキングして喜ぶからね。」
フーンとなるダインだが艦隊が進みツヴァイは騎士団でも剣術が上手い。アーヴァンへルムが編み出した聖都を守護する切り札《ヴァルキリー・ドライヴ》を有する能力を持つツヴァイは、KnghitsOFDarknessでも指折りだ。ダインは寝室で寝込んでいた。
ダインは寝込んでいた。記憶を全て失い自分ももうすぐ分かる気がした。
ツヴァイとレイナは甲板に居た。この船の行き先は西側の貿易路マーデル・リンクの港町。ルーラシアの玄関口でここには神殿と図書館も揃う場所ではKnghitsOFDarknessの一人インデックスが居るので、一旦はマーデル・リンクを目指した。
「ツヴァイ?男とやりまくっても私は文句を言わないけど少しは自分の躰を心配しろ」
「大丈夫よ。確かに男に何百発もぶち込まれて注がれてパンパンダになるくらい注がれるけど、私は態と危険日をずらしている。リアルに危険日に孕まされたら私は子に恵まれているよ」
「ツヴァイ?若き次世代が幸せを見つけるのが私の夢だ」
レイナが言う。
レイナもダインの代理で、KnghitsOFDarknessで闘っていた自分は血で染まっていた。レイナはダインの姉として世界の管理者から裁判の動向が赦された。マジュリアも。
船は、マジュリアが動かしている。西まで時間が係る。
その頃セフィリアは動きを見せていた。
ロンドン王立協会
死者の女王マーリュアルベルグ第78代王女コーネリアスと話していた。コーネリアスはセフィリアの対談に付き合うのを拒み王立協会の役割は騎士長の統轄だ。コーネリアスの警備がルーラシアに来たのを代わりにサイラスとアシュリーに任せた。
ダインは船内に揺らいでいた。記憶が無いのがどうにも始まらない。
マジュリアはマーデル・リンクまでを目指していたが、西側の玄関口とはここから先はルーラシアと言うことだ。ダインは少年記憶を失い挙げ句裁判に出廷だ。
レイナもツヴァイとよく似ている。
「私も帰ったら帰って男が欲しいわ。戦疲れに欲が飢えてきた。男の熱いのを私の中にぶち込んで、大きいのを感じながら昇天して・・・・まぁ世界の管理者には行くね」
「すいません。二年近くKnghitsOFDarknessを率いてくれてダインの姉でしょ?ダインったら大丈夫?これは重傷よ」
ツヴァイが潮風を浴びていると、レイナも武装を外し黒コート一枚で甲板に座っていた。レイナは甲板で潮風を肌に感じつつも、KnghitsOFDarknessの任務がもう少しで全うだ。
ダインは寝込んでいた。ツヴァイも久々のマーデル・リンクだ。エルセリウスがアイゼンガルドとセフィリアの手中に収まったが、蒼天八極神だけは違う。
記憶が無い自分が寝込んでいた。
「んー、あぁー、ここは?」
《船の中だ。随分と寝込んでいたぜ。》
《ダインは・・・ダインは・・・記憶がもう全てぶっ飛んでも私が居る》
バルムンクとアロンディーンだ。
ダインは記憶が無い状態だが、この剣に不思議な気を感じる。マジュリア・ヴェスタニエはイシュガルドを崇拝し剣と魔法の名手。レイナも流浪人だったが剣の腕を買われて現在は、聖都の騎士団に配属されている。船が西側の海峡リーヴェルト海峡に差し掛かるときに電話が鳴る。
《うっす、もしもし?俺だ。》
《マジュリアか?その声マジュリアか?アラルガンド国皇帝の俺だ。記憶喪失の少年を連れてきて貰いたい。理由は会って話すが、アラルガンド国でもどうも少年について問うべき質問がある。マジュリア?御免よ、俺の友よ》
《待っていろ。アラルガンド、てめぇーのケツで拭けることなら俺が介してやる。少年は今マーデル・リンクに向かっている。御前の国で空いている部屋を三つ手配頼むぞ、か?》
電話が切れた。電話主は西国のアラルガンド国だ。皇帝アラルガンドⅧ世はマジュリアの友人。飲み仲間でもある。マジュリアの友人アラルガンド皇帝自身記憶喪失の少年に大変興味を持ち数年前に既に死亡説があったがその少年は生きて居た。
ダインは船内に這い蹲って水を飲み吐いた。
「酔うのだよ・・・ゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
船酔いはダインらしくないがダイン自身この船内で酔って水を飲みツヴァイを探した。自分のフロアーに迷い表示板を見詰めているとレイナが来た。
「どこに行きたいの?」
「某だ。ツヴァイと言ったな?誰だよS女」
ダインの脳裏に今もツヴァイという女が浮かぶが思い出せない。元々の自分を証明出来ない自分が今其処に酔って倒れていた。ダインを発見したマジュリアが近くに居た。
「電話した人誰ですか?」
「俺のダチだ。御前に関する情報はそちらに任せた。アラルガンドの国はルーラシア北方征伐の要。・・・・・俺の頼みで御前の記憶に関する収集は手打った」
「有り難う。どこの誰だか分からねぇー野郎人間にご丁寧に。」
ダインは双剣を腰に差してボロボロのコートやシャツの着替えをマジュリアの替えの服装を渡した。ダイン・ヴェスタニエの脳裏に張り巡らされた記憶の断片に自分の名が鎖に縛られているのと剣の名を思い出した。これが不思議な共鳴でダインは漸く思い出した。
「俺がダイン・アガートラーム・ヴェスタニエだ。バルムンクとアロンディーンだ」
「それだけでも俺が助かる」
マジュリアが席を離れるとツヴァイが来た。
「ダイン?ダイン?ダイン?思い出した?」
「まぁー、俺の名前と剣は思い出した。KnghitsOFDarknessは悪い。たぶん思い出すと想う」
新調した黒コートに白シャツを着て紅いネクタイを締めた。長く伸びきった金髪に黒いコートを着てダインは船内から外に出て潮風を浴びながら剣を見詰めた。
《一件落着だ。俺等を思い出しただけで感激よ》
《そうようね~記憶ねぇとつれよ》
ダインは剣を抜いた。マジュリアの予定通りマーデル・リンクに着いた。マーデル・リンクに迎えに来たのは、元エイゼンヴェルグ騎士長だったがダニエル・バーソロミュー・トラファルガー・スレイプニルが出迎えてくれた。
「メンドー、よっ、来て遣ったぞ。洒落た言葉言ってのじゃねぇぞ。マジュリア」
「KnghitsOFDarknessとしての命令や。ああああああー」
マジュリアは長髪にグラサン姿でコートを着てダニエルもルーラシアの仕事でダインの腕に錠を掛けた。
「悪いね、ここでは暫く錠をツケさせて貰うぜ」
「俺はどうでも良い」
「ダニエル中尉!!!!!!!」
レイナだ。レイナの元彼氏がダニエル。
ダニエルが港に着て荷物をリアカーに乗せて宿屋まで運び終えた。この地に着ていたのはザーロックも居てインデックスが常駐の司書兼司祭としている。マーデル・リンクは、西の玄関口で神殿が建ち並び大図書館が、軒並み街自体が大図書館の一部だ。ダインが名前を思い出したのは最初の一歩だが、世界の管理者の大法廷で異例の裁判だ。マジュリア達Vの親戚も法廷に出廷せざる得ないことも訊かされた。ダニエルはロキの師匠ロキの兄である魔銃フェンリルのオリジナル版所持。アラルガンド帝国の遣い番できているダニエルは準備を済ませると、ダインは街を歩いた。ツヴァイが先に酒場で酒を飲み思わず訊いた。
「今西暦は?」
「帝國暦65年6月・・・・それがどうかしたの?そもそも?少年騎士長がKnghitsOFDarknessを率いてセフィリアを追い込んだって世界的大ニュースだったし。」
「うんうん。自分だが誰か勝手の気が晴れた。」
ダインは帝國暦65年時つまりこの物語が始まった時点では15歳という若さでツヴァイは、19歳と4歳年上である。ダインはツヴァイと別れて歩き続けた。頭が痛む。
《。。。。。・。。。。。。》
誰だ。エヴァンジェリンス?名前を聞いても知らない。ダインが起き上がると埃を払って坂道を歩いた。街中図書館だ。ダニエルはマーデル・リンク図書館に居た。インデックスは、図書館の司書でもあってルーラシア国第一司祭の身分。同時に錬金術師である。ツヴァイはインデックスが居る神殿に向かいマジュリアはバルコニーでタバコを吸いレイナはテラスで寝ていた。ダインもこの街が懐かしい臭いと名前を思い出そうとした時に自分の腕を見た。
腕に刻まれた印を見てダインは思い出した。
(思い出したぞ。フォルムだ。騎士にはそれぞれ生体認証識別でフォルムがある。その中でも蒼天八極神の印は龍・太陽・狼・獅子・星・蛇・月のフォルムが刻まれている。今思うと俺の記憶が吹っ飛ぶ前にこのフォルムを見た連中が俺には居た。何だろう・・・何か思い出すとすると思い出せねぇ・・・・クソ!クソ!!!!!)
自分の腕には星のフォルムが刻まれていた。右腕に星形の烙印が刻まれていた。ズキンズキンずきんと痛む訳でも自分はこのフォルムを持つ意味が何となく分かった。
「兎に角誰か?会おう」
神殿前に行くと誰かに肩を触られ咄嗟に剣を向けた。
「人に刃を剥けるな。馬鹿か。生きて居るだけで不思議なのにダインか?」
「御前こそ・・・アンタは何者だ?」
「ディゾン・リアレスト・・・教皇だ。ダイン?私が誰か思い出せないのなら謝る」
消えた。ディゾン?またしても誰か分からなかった。ダインは神殿の扉を開けるとツヴァイが居た。ツヴァイの左胸には龍の烙印が見えた。
「フォルムか!ツヴァイは龍の子か?龍に対応できる滅悪滅龍の剣鬼」
「ん?ん?どうしたのよ」
僅かだが自身に流れる血潮にKnghitsOFDarknessは思い出せないが自身は違った。剣は思い出した。ダインは剣だけの感覚は残っていた。が、裁判出廷は自分でも予想外だ。神殿ではツヴァイの剣の鍛錬が行われていた。
「エクスカリバーが私の剣。インデックスの秘術儀式で鍛錬している」
「お静かに」
白のベールの女性に叱られた。ダインとツヴァイが神殿外に行き広大な海を見渡した。
「ルーラシアって覚えている?」
「知らない。もう一度言うが、帝國暦65年だろ?65年か・・・」
「それがどうしたの?ダインがKnghitsOFDarknessの隊長だったのは帝國暦60年から62年までの間よ。少年史上最速最短のKnghitsOFDarknessで、私達の名が一気に知れ渡った。」
「あ?何のその?」
「覚えてないなら思い出すまで私が居るけど、KnghitsOFDarkness時代に私とエッチだけは本当に忘れないで欲しかった。互いに初体験で中にぶち込むとはやること無いわね」
「だから俺自身この際最近の記憶や全てねぇーだ、ねぇーよ、マジだ」
ダインが海岸で倒れて一週間経ちこのマーデル・リンクから今度は大陸を噸で世界の管理者だ。裁判されるかと思えばダインはこの街の中で自分を見つけようとした。
ダインが酒場前に歩くとマジュリアが待っていた。マジュリアはルーラシアの命令は西に行き渡る。マジュリアもレイナもダインより15歳歳が離れているお兄さんとお姉さんだ。酒場に二人が待っているとダイン・ヴェスタニエは今回の裁判について聞かされた。
「世界の管理者の法廷はそれぞれ大小が別れる。今回異例だが、最高法廷で開かれる。」
マジュリアの意見にダインは頷いた。ツヴァイも法廷に行くのははじめてだ。ダインがこの歳で法廷という経験が分からない。記憶も失いダインは世界の管理者の法廷はKnghitsOFDarknessでは異例だった。日取りと時間が教えられた。
「正確なことだけ言えば言い。まぁー心配はねぇよ」
「それはそうだ。Vの人間が占める世界でエスタンスの野郎はダインを尋問して正気じゃ無い。裁判を起こした場合現実起こってしまったのは仕方ないけどダインが記憶戻らない現在ルーラシア国の存亡はかかっている。」
レイナとダニエルが同じ事を言う。この二人自体昔々は彼氏と彼女の関係で肉体関係した中だが、今回に至ってレイナはダインの保護と法廷に出廷する。
「裁判自体ふざけているけど、御免ね。御免ね」
「いい・・・俺が悪い。記憶が無いのは確かに悪いけど俺はー自分自身取り戻すのとルーラシアに行きたい。」
ダインは記憶が本当に失ったが、剣の腕だけは衰えては無かった。マジュリアが酒場でミントビールを頼みジンジャーにシトラスを追加して徳利に注ぎ進めた。
「ジーザスだ。酒は勧めてはいけないがこれはアルコールじゃ無い。ミントを蒸してビール風にしたがこれは子供でも飲める飲料水だ。微炭酸でチョー、いける」
マジュリアが盃を交わしダインはミントビールを口にした。
「俺は・・・・・」
ダインは裁判の件に関わるのはこのマーデル・リンクの地にてマジュリアとレイナとダニエルの三名がダインの戸籍を知るのに騎士録第780巻『ヴェスタニ家実紀』をインデックスから借りて、ダインの詳細な記録を裁判用の書類に書いていた。
「全くながら世話が焼ける。御前が迷子か?書類の大半を虚偽で書くことになるのはサツにブタバコにぶち込まれて監獄送りだ。」
ダニエルが言う。ダニエル・エル・シュガルド・スレイプニルも元々魂の監獄に囚人で、アウシュビッツ強制収容所で生き延びた一人。ダイン・ヴェスタニエに関する記録が記されていなかった。マジュリアも焦り思案した結果ツヴァイの手を握った。
「ツヴァイ?ツヴァイ?ダインと結婚しろ、結婚して戸籍創って、裁判で勝つぞ。負ければコイツが・・・・俺の弟が帝国の回し者になる!!!!!!!」
「いや・・・いや・・・・・急じゃ?私だって好きな人と結婚して子供欲しいの。今のダインとやっても意味は無い。」
「Vの人間は記録には無い」
レイナが言う。レイナとマジュリアも騎士録にはしっかりそこには記されていた。ダイン・ヴェスタニエが困っているとディゾンが来た。
「ヴァチカンに任せろ。裁判は・・・・恐らく帝国が証明する。セフィリアを追い込みアイゼンガルドに価値友であるサイラス・ウォーカーの死・・・・帝國暦65年あれから5年も経っている。」
ディゾンが語ったのはあまりにも衝撃的事実。実はサイラスは既に死んでいた。現在はアシュリー・ロンディナック・ウォーカーが遺志を継ぎルーラシアに居る。サイラスの死がダインに新たなる記憶の扉を開かせる。心の底に沈んでいた鎖を解きダインは思い出した。
「サイラス・ウォーカーは俺の友、アイツの遺志を継ぐ、裁判なら後で出る。ここから直ぐにルーラシアに向かうぞ。ルーラシアに俺が求めているのが見つかる。ツヴァイ?インデックス?ザイ?ザーロック?ああ、そうか、ああ、そうか・・・・・KnghitsOFDarknessは俺が隊長。セフィリア?ダメだ・・・・まだ思い出せないが、騎士団のメンバーは覚えている。」
事態が急展開とダニエルがタバコを吸いながら酒を飲みトルティーヤやローストチキンを食べる。マーデル・リンクは漁港が近い分海鮮料理が多い。マジュリアも思えば、裁判が可笑しいとは言い切れなかった。事実を申すとルーラシアの調停でKnghitsOFDarknessを各国に要請したのは、この5年だ。ミントビールを飲み終えてダインはコートを着る。
「暫くここに滞在だろ?インデックスにお会いできるか?」
「図書館よ。」
マーデル・リンク大図書館はバロック建築の神殿様式の大図書館。そこの執務室にインデックスは居る。インデックスも魔女裁判も最近稼業から撤廃して現在は廃業。彼女は、ルーラシア三大司教の一人で、天喰術の末裔。インデックスはラジオを聴きながらヒットソングをオーディオで聴いていた。古の書物を読んでいた。ツヴァイがダインを連れて図書館に案内した。ツヴァイは、神殿に戻ってエクスカリバーを腰に差してクレア神に祈った。
「???。。??・・・・。フフフフフフフフ」
インデックスが読んでいたのはクレア書第56章第8節『ダイン記』の一部をインデックスの執務室は音楽が流れながら読んでいた。インデックスは書物を読んでいるとインターホンが鳴る。
ピンポーンピンポーンピンポーン
「ん?ん?誰だ?」
「・・・・・ツヴァイです。ツヴァイです。ツヴァイです。ツヴァイ・エルスレイヤーです」
「どうぞー」
図書館の門が開く。鉄格子の何重も囲まれた壁の入り口にツヴァイはダインを連れて待っていた。インデックスが黒いコートを着て元々青髪だったのをここ最近地毛である金髪に戻し、貯金を叩き美容整形で鼻を尖らせ顎をシャープにした。勤務疲れで、コールドプレスジュースを飲みながらドアからその司祭が出てきた。ツヴァイとインデックスは昔も今も俺が少なくとも居た時代、ルーラシアの双璧と呼ばれ美人で多くの部下が居た。ルーラシア一の才覚と知識の双璧の二人は最凶の騎士と司祭だ。ダイン自身僅かに期待はしていた。ダインは記憶が無い状態が続くのにインデックスが手招いた。
「汚い部屋ですけど、どうぞ」
「うん。騎士録がいるの!ダインが裁判になっちゃって・・・んー」
「少々お待ちあれ」
インデックスが部屋に行き騎士録のデータベースを打ち込み「ダイン」と入力するとエラーが発生して閉架図書館専用のキーコードを打ち込み「ダイン」を探すと1件ヒットした。
「ありました。直ぐに以て来るのでお待ちを。」
インデックスが長い螺旋階段を下りていき暗い湿度が満ちた古代図書館の奧に書簡を見つけてツヴァイに出した。随分と古く読みづらい史料だが唯一の手掛かりと戸籍登録を見たツヴァイは、コートに手を突っ込みダインに渡した。
「俺が知らない俺の知らない物語だ。自分が生まれた時期は帝國暦52年なのだよ・・・な。違っていた。帝國暦50年か?自分が生まれた時期がずれている。訳がわからねぇ」
ダインは記録を読んだ。
『ダイン記』
ダイン・アガートラム・エイゼンヴェルグ・ヴェスタニエ(15)
出身地エイゼンヴェルグ国
両親アガートラーム・ヴェスタニエ・エイゼンヴェルグ夫妻享年(500)
帝國暦50年12月25日/帝國暦52年12月25日
ヴェスタニエの遺志と血を継ぐクレアの末裔。クレアの血が流れる少年兵士に世界が壊れた希望はその手に握られている。ダイン・ヴェスタニエ・・・クレア神の子。
以上とここに書き記す。
読んだダイン自身激しくスパーキングした。
「うぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!!!!!!!」
ダインが藻掻き脳内が爆発した。脳漿が爆裂爆散したダインは床に這い蹲ってインデックスの足を掴みこう言った。
「記憶が無い。無いなりに思い出した。KnghitsOFDarknessは俺が居た。インデックス?御免、俺がハッキリ思い出したよ。セフィリアを追い詰め聖地ハイウィンドの精神(生死)境界の間で激しく死闘を繰り広げてアイツを斃したがその直前アイツはオレから全てを嫌と言うほど奪い去った。俺自身の甘さと・・・・KnghitsOFDarknessはもう一度俺が必要なら今度こそ俺が護る!!!!!!ダメだ、上手いこと考えても其処から先俺が思い出せない。しかし、セフィリアだ。アイツだ。アイツを見つける。KnghitsOFDarknessとしてルーラシアに帰る。」
「ハア」
インデックスがデータベースに登録してコートを脱ぐと隣部屋に客人が待っていた。大男が、大柄の中年男性がソファーに座りインデックスを待っていた。ダイン自身久しぶりの記憶を臣出して息が荒かった。今まで底に沈んでいたKnghitsOFDarknessを思い出しザーロックに挨拶した。
「よっ、ザーロック久しぶり。遅れて御免、ダインだよ!」
「ダイン?居たか?ダインなのか?何年ぶりだろうな。こうして顔を見るとアガートラーム似ている。」
ダインの顔がアガートラームに似ているのは不思議では無い。剣にも優れている。ザーロックは槍を置きインデックスに話したのは北方の前戦要塞アラルガンド帝国の崩壊消滅の件だ。代わりに続く者の灯火となったのが、セフィリア率いる騎士団と魔女だ。ロンドン王立協会は長らく魔女との対立が招いていたが、ロンドン統轄していたコーネリアスが消息を絶った。
魔女が台頭の時代。ヴァチカンが異端を処刑する「魔女狩り」が実施に反対にフレアが魔女を束ね人間を魔女化まで増殖されて世界の正義が不安定となると、ルーラシアに使者が送られた。
「懲りずに来たのか?私は魔女をジョンテ君とガイアス君に任してある。サイラス死亡後アシュリーが継いでくれて私を支えている。エスタンス!!!!!!!!」
「ツラを貸してくれないか?魔女征伐に向けての作戦だ。魔女は恐れられている。怖い存在でもある反面畏敬の念を抱き尊敬されて森の賢者だ。魔女殲滅に力を貸して欲しい。ルー?逆転裁判でも魔女の尋問を任せられる人物でジョンテ君とか居ないかな?」
「出張だ。申し訳無い。KnghitsOFDarknessの再編成とセフィリアの動向に時間が係る。魔女を駆逐したいのならロキ君を呼べ。エスタンス?社長就任後も忙しいと思うが、今が世界の管理者が総力を結集させる時期だ。確かに魔女は怖く、淫靡、ビッチ、痴女だが、対策のカードなら私からも言う。ヴィヴィアン?御前が怖いか分からないかも知れないが、KnghitsOFDarknessに時間が係る。エスタンス?もう一度言う。世界の力で魔女を討ち取れ、ぶち込め!」
Skypeが切れた。
ルーラシアは席から立ち上がりミントビールで気を落ち着かせてからエイボンが居る研究室に向かうと擦れ違い様にアシュリーにあった。
「サイラス殿に申し訳無い。ご冥福を心から申す。サイラス殿遺品は私の部屋にある。取りに来なさい。魔女との最終防衛御苦労。アシュリー君御早いね」
「ガイアスとジョンテでめちゃー、疲れるわ。ガウェインさんが激しく魔女や帝国にぶち込み、突っ込んで、突き上げ、鮮血の騎士よ」
「だそうだ。ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・」
アシュリーが帰路に着いたのは最終防衛をガウェインに任されたからだ。ガウェイン・アーヴィングはベルガモット・アーヴィングの息子で鮮血の紅蓮の騎士として知られすぎている。ルーラシア国内では魔女に追われていた。マーデル・リンクにも不穏な空気が漂っていた。
マーデル・リンク南西300㎞郊外
普段から人気が無い神殿跡に集まった三人が行動開始する。神殿跡に集まった簡単な儀式儀礼により宇宙時代宇宙空間に創世創造された最凶最悪の王を再臨させるのが三賢者だった。
三賢者の長グレイアモル・ジャクファ・ジェラフバルト・ドマノフ卿を筆頭に二人。長い髭に白髪に灼眼黒コートを着て大剣を担ぎ左頬に十字傷がクッキリ残る長身の男性。心臓部分に貫かれた傷痕が残るこの男が、マーデル・リンクに着ていた。
「二人とも始めようか?茶番の終わりを告げる。宇宙の最凶の王にひれ伏せ」
神殿跡に宇宙時代の王の必要不可欠の火・水・土・空気・星の遺跡から採取したジェラフバルト卿の遺骨を並べて灯した。
焔のブレイザー・ロード・トトロ
水のリヴァー・ロード・ホープンテウス
空気のヒンメル・ヴォルケ・ロード
大地のガイア・ロード・ウラノース
宇宙の創世コスモス・シェプフング・ウニヴェルズム
この王を蘇らす最終準備にドマノフと後から集まってきた長身金髪美女のエリザベスに東洋で修行をしていた刀の使い手ガランの三名。
このマーデル・リンクに災厄が誕生するのを時に固唾を呑み見守った。
「私達の悲願達成ね。災厄の力を持つのはクレアでは無い。王が決める」
「拙者もそうでござる。ゴホン。拙者も王の姿を拝見したいで候」
ドマノフの夢が遂に実現する。若かりし時に衝撃的ニュースに胸を打たれた。ドマノフはこの力で第三勢力として世界に新たなる力の鉄槌で喧嘩を売りに来た。
ダインの記憶喪失が三賢者を呼び起こした。
三賢者の目的が不透明だが、マーデル・リンクの地に宇宙時代の再臨が始まった。
「始まるぞ。迷子の足音消えた。代わりにダインよ。御前自身歓喜の歌を歌わせろ」
「あのダインか?ダイン殿とは面識ないでござる。サイラス殿とは知るが」
「レイリー・アルガバッツァー卿をぶっ殺したウォーカーか。あの野郎最期は魔女に骨抜きされて・・・・昇天した。ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・」
笑うエリザベスにドマノフも後日現場を見たが当然サイラスの血痕も無かった。実は死に際サイラスは生き延びた。サイラスはあの時魔女に骨抜き、昇天の前にギリギリ生き長らえ現在は時同じくしてアラルガンド帝国に来ていた。
「この姿で俺自身だ。申し訳無いが行くぞ」
《良いのかよ?この姿は御前と本人と識別は難しいが、魔女に相当思いがあるのだな》
「俺ははじめてだ。魔女に乱交され、骨抜きされた、俺の空っぽにされた。」
《魔女は淫靡痴女。ビッチだ。斯くなる上は私も闘おう》
「センクユー」
サイラスは鉄仮面を被り分解剣担ぎ黒コートを着て帝国の門まで来ていた。世界に魔女の災厄が来る前にサイラスの名を殺しブレイドマスターとして煙管を咥えながら、帝国の領土に北方の前戦にセフィリアの旗印が上がっていた。
その頃マジュリアが酔いから冷めて扉を開けた。
「嫌な感じがする。ダニエル?厄介な気がする。エスタンスのクズに行っていてくれ?」
「俺ボッチとか・・・無いよ」
「姉ちゃんの元彼氏だろ?」
「わかった。わかった。わかった。逝くよ」
ダニエルだけを世界の管理者に行かせてマジュリアは剣を構えた。この地から感じる災厄の気配。誰かこの街に居るのか?マジュリアは神殿に向かった。
インデックスは席を立ちザーロックも帰りの道中でルーラシアに帰った。
ダインはソファーに座っていた。ツヴァイはキャビネットからミントビールを取り出し呑んでいた。ダインはともかくバルムンクとアロンディーンは気付いた。
《ダイン?ヤバイ気がする。》
《正気を保って生きるわ。ダイン?落ち着いていこう。焦らずに》
「うん。その通りよ」
バルムンクとアロンディーンを腰に差してダインはインデックス神殿を出てこの気配に怯えていた。
「ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・ハア・・・・ハア、ゴホッゴホッゴホッゴホッ・・・・ゴホッゴホッゴホッゴホッ」
ダインは神殿の空を見た。閃光の衝撃で吹き飛ばされ、マジュリアが駆け付ける。
「どうよ、思った感じだ。災厄の五王は俺に任せろ。」
マジュリアが南西に立ち去りダインは埃を払いマーデル・リンクに警戒警報が発令された。ダインは剣を腰に差せて宿屋に戻るとレイナが甲冑を着て馬に跨がっていた。
「ダイン?先に行っていて」
「はっ」
レイナは馬を飛ばした。南西の方角に三賢者と宇宙の五王が目の間に姿を見せた。
「アー、ヨ、俺は王だ!!!俺の国だ!国だ!王だ!最も燃え上がる業火の拳と剣でサシがつく。俺は、炎の王だ。炎がある限り俺は燃え尽きるその灯火に・・・」
焔を纏い業火の剣を持ち後にガウェイン・アーヴィングに己の命を犠牲にバスターモード習得に力を貸すのがこのブレイザーである。
ブレイザーは業火の焔に包まれ業火に燃える王は黒コートを着たまんまドマノフを睨んだ。
「悪党に俺は利用何ねぇー。俺が認め俺が力を赦す者が来るまで俺は姿を消す。」
ブレイザーは消えた。
ダインはこの状況で神殿に来ていた。
「きゃあああああああああああああああああああ」
「誰か!誰か!誰か!」
「うっ・・・いぃ・・・いっ・・・ぐぅ」
神官の死体を避けていくダインに殺気を、感じ剣を抜く。
《迂闊に注意しろ、誰か!》
《ヴァン!後ろ!!!!!!バック》
アロンディーンがバックの誰かの剣を避けた。ダインが双剣を構えると長身の女性が身の丈以上の大剣を構えた。
「名を名乗るのが礼と知りながらも。失礼」
「誰だ?ゼッテェー、ヤバイ野郎だろ?」
「エリザベスです。エリザベス・ローヴェルグヴィン・ギネヴィアと申します。闇を愛し元の私は無い。モルドレッドお兄様」
「新手かよ、くっ」
ピンポイントで斬り込み神官は息がない。ダインも固唾を呑み剣も構える。
「アーク・グレイヴ・オブ・グレイヴ!!!!!!!!!!」
「がっう・・・・うっ・・・」
柱に背を打ち剣も構えるがエリザベスの猛攻と目の見えぬ残像の斬撃に剣戟にダインも躊躇出来なかった。
「クロス・トライデント・グレイヴ」
双剣専用の剣戟と斬撃回避の光りの剣技。エリザベスを地面に叩き潰した。
「ぐううっ・・・・がっ・・・・女の躰を傷つけた。サイテー!クズ!!!野郎」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
黙り込むダインの躰に最凶の聖霊がその加護を受けて御霊が写る。御霊が写るのは、憑依で在りダインの躰に憑依したのはミカエルだ。圧倒的力を解きミカエルがエリザベスを睨む。
「ダイン?躰を借りるぞ。少々・・・借りるぜ」
金髪隻眼長身の男性で黒コートを着た双剣を構える男性がミカエル。ミカエルに憑依したダインは、意志のまま動き剣を構えた。
《クレアアァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッ!!!!!!!》
バルムンクとアロンディーンが一体化した鎖に繋がれた大剣を構えるミカエルにエリザベスが後退した。
(このままでは死ぬ。)
「うっわあぁ」
エリザベスを叩き潰すとドマノフが姿を見せた。
「暴れたら困る。エリザベス君お下がり下さい」
ドマノフはジェラフバルト卿に憧れを抱き若い頃から修行に積んできたが、ドマノフがコートを脱ぎ身の丈以上の大剣と杖をつきミカエルが睨む。
「ダイン?もう限界だ。エリザベスもヤバイ」
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
エリザベスが起き上がりドマノフも大剣を剣戟が続き、ミカエル究極の奥義が炸裂した。
「バスターモードクラウソラスINティア第三階梯クレアクロス・オーバー解除」
ミカエルの蒼白の大剣にティアを纏いクレアを放ち神殿が一瞬で灰と化した。圧倒的力にダインは制御できずにミカエルの長剣がドマノフを貫く。
「クロス・トライデント・グレイヴ」
ダインに戻った。
ミカエルのその強さにドマノフもエリザベスも撤退した。ダインが神殿から外に出るとツヴァイもインデックスも居た。
「あれから気になることあって調べてみたら・・・ダイン?ティア神出来るってスゲェー逸材よ。ヴェスタニエ家には表と裏が存在してマジュリアさんが言いづらいけど、ティアを継いでいる。」
マジュリアはその頃港に居た。マジュリアは裏ヴェスタニエ家の人間でティアとクレアを相殺できる力を持ち一歩間違えれば自滅行為の力を継いでいる。最も港に来ていたのは、船を連絡船の時間を調べていた。
「世界の管理者着マーデル・リンク発」
マジュリアは神殿に行きクレア神に祈った。ダインが表裏一体型の力を持つのは直系に与えられた力だが、その日が過ぎた。
「そろそろ行くぞ。裁判に間に合わないぞ」
「私も同行します。KnghitsOFDarknessのダイン・ヴェスタニエは私達が知るダインです。最も記憶喪失で・・・肝心な肝の部分が無いのは残念ですが、それでも彼が居るだけで安心できます。」
インデックスが仲間として加入した。同時にツヴァイも俺の身の回りの世話役として同行が決まった。いよいよ、マーデル・リンク出発からKnghitsOFDarkness再始動まで、ダイン・ヴェスタニエの記憶と世界を護る為に新時代の騎士が動き始める。
同暦10月
ルーラシア国とアイゼンガルド帝国との中間に神聖アイゼンガルドが介入。大きなうねりの中で、ルーラシアは魔女殲滅戦にガイアスとジョンテを派遣した。世界中に魔女の手が忍び込む中、極東の果てに黒コートを着て黒のストール巻き刀を腰に差して母の墓標に手を添えた。
「母上。俺の出番だ。ルーラシアに行ってくる。母さんの仇なら俺に任せてくれ。イアンとエブリオーは俺が斬る。行こう正宗」
《ザイ殿が成人して琥御架殿のご無念拙者も痛いでござる。》
「正宗よ、ルーラシアに着いたらガウェインさんを探そう」
ガウェイン・アーヴィングはイギリス防衛に就き帝國軍と戦っていた。
「うぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!」
《落ち着けよ、ガウェイン?》
「紅蓮刀刃龍牙」
焔を纏い帝国兵を貫き地面に燃え上がる業火の拳が炸裂した。
「ぎゃあ・・・・ああ・・・うっ・・・・ぐっ」
帝国兵を片付けて地下のフーターズ地区の一角にテントを張りランプを点けて水を飲んでいた。KnghitsOFDarknessが動き出す時期にダインの裁判が始まる。
帝國暦65年11月
世界の管理者着マーデル・リンク発の艦隊が出航した。
「ダイン?問題は無いわよ。魔女達がこの世界を牛耳るのをルーが嫌っている。ルーラシアはゼッテェー、ダインを気遣ってくれるわ。」
「ツヴァイ?サンキュー、一つ訊いて良いか?インデックス」
「はい?何でしょうか?」
「クレアとティアを教えてくれ?」
「クレアは創造で在り創り出す意味。ティアは涙です。歓喜や悲観悲劇喜劇衝撃進撃の・・・嗤戟の涙ですか?二人は違う神であり創造神が正しいです。神の粛清に処刑台で。ギロチンで首を刎ねられ火炙りで火葬されたのですが、ヴェスタニエ家とアイゼンガルドのクズの一族とは血のつながりが濃いです。ですから?ダインはセフィリアの共通点さえ分かれば殺せますが、それは同時にダイン・・・・アナタも死ぬことです。クレア神ティア神ヤハウェーの三神が世界の表と裏と平衡世界現行世界を創った。終わりなき世界で戦い続けることで・・・無理ですよ。ダインは大丈夫です。記憶は戻ります。そしてクレア神とティア神の統一で、セフィリアを遣れる。」
「よく分からないな。俺はクレア神か?」
「お兄様とお姉様がティア神を階梯に使うのなら、間違いなく裏ヴェスタニエ家でダインが表です。階梯を教えます。」
インデックスが説明してくれた。
階梯とは、人格武器を所有した場合精神の臨界点を一時越える場合の状態で、バスターモードを常時発動して武器のランクを一つあげる。これが「階梯」階梯を多くし、生死の危機に、と負担が大きい分、究極技を出せる時間が稼げる。現在これが出来るのは、大陸でも蒼天八極神でしか居ない。ミカエルがヴェスタニエの守護聖霊なら、言えるわ。守護聖霊も同じくして階梯を使える。
帝國暦65年
60年から月日が経ち5年後にダイン・ヴェスタニエは記憶を無くした少年兵士の生存がこの死と化したエルセリウスの希望だった。
トリニティーをもう一度落とすだけでもエルセリウスが地獄に堕ちる。ダインは船に揺られながらも世界の管理者を目指した。ツヴァイもインデックスも来るのが久しぶりだ。
「良いか?ダイン?エスタンスの言う言葉には耳を傾けるな。ヴェスタニエ家が御前を護る。・・・・・ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・ハッハハハハハハハハハハハハハハハ・・・・・」
マジュリアに背中を押されダインも安心する。
「着くぞ、世界の管理者だ。」
船が世界の管理者に近い港に停泊した。
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