MARVELOUS ACCIDENT 未知の始まり 【訂正前】

闇で歪んだ世界
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公開日時: 2021年10月10日(日) 22:44
文字数:1,483


麗崇らいしは地面へ激しく叩きつけられ、気絶してしまった様だ。陽翔に散々、ハンマーで攻撃されていたからかなり弱っていただろう。こうなるのも、無理はないな。

しかし、ロッキーは口から血を吐くと、よろよろと立ち上がった。そして、菊谷にこんな質問をする。

「おい、てめー、俺の事を覚えてやがるかー ?」

「お前は誰だ ? お前みたいな、野蛮な人間は知らない ! とても、不愉快だ」

「ちぇっ……大昔すぎて、覚えちゃいねーかよ。俺が野蛮ならなー、てめーはもっと酷い存在だ」

ロッキーは再び、菊谷へ殴りかかる。その拳は菊谷に届かず、彼は突き飛ばされた。


何度も崩れそうになりながら、ロッキーは立ち上がる。そして、再び菊谷へ襲いかかった。

「て、てめーを殺すのは……秀でも麗崇らいしでもねー。絶対に、俺だーー」

「……それは違うな。お前が俺を殺すんじゃない。俺は死んでいった仲間の為に、お前らに拳を振るう。この組みのボスとして、俺がお前を殺すーーっ !」

菊谷は、ロッキーの頬に強烈なパンチを喰らわせる。

すると、ロッキーのサングラスが外れ、水たまりの中へ落ちた。

 

 菊谷はロッキーの顔をじっくりと覗き込み、目を丸くさせる。

「そ、その目……。お前……もしかして、呂井煌斗ろいきらとか ?」

「違う……それは、昔の名前だ。今は、ロッキーだ」

ロッキーはサングラスについた汚れを、手で拭い取った。その直後、目を隠すかの様に素早くサングラスをはめる。

こちらからでは、ロッキーがサングラスを外した姿は見えなかったが……ロッキーは、目にコンプレックスでもあるのだろうか。

菊谷がロッキーの目を見て、彼の存在を思い出していた。……と言う事は、ロッキーの目にはかなりのインパクトがあるのだろう。


呂井煌斗ろいきらととは、ロッキーの本名なのだろうか。


煌斗きらと……見た目が変わりすぎて、誰だか分からなかったぞ。あの頃は、すまなかったな。確かに、俺が悪かった。俺もまだ幼かったが、お前は俺の子供と同じくらいの年だったからな。……そうか、まだ俺を恨んでいたんだな」

「……てめー、何度も言わせんじゃねー。俺は、ロッキーだっつってんだろうが。……てめーはあの日、俺の幸せを完全に奪った。泣いて謝ったって、許すつもりは微塵もねーからなー」

ロッキーは、菊谷に拳を振り上げる。それを、菊谷は簡単に受け止め、口を開いた。

「分かる……それは、分かるぞ。だが、どうしてイナズマ組を狙うんだ ? 俺の仲間は、関係ないじゃないか」

「ふざけんなっ ! てめーなんかに、俺の気持ちが分かってたまるかってんだ。……イナズマ組を殺すのに、深い理由はねー。俺の所属するグループが、レッドアイを恨んでるからなー。奴のグルもまとめてぶっ殺すっつーから、俺も協力してやってるだけの話だ」

「俺も悪い事をしたからな……お前に命を狙われるのは、仕方がないと思ってる。だが、関係のない奴を殺すのは許せない。それが、俺の大切な仲間だから、余計になー」

菊谷はそう言って、ロッキーの腹に膝蹴りをした。


「ぐはっ、勘違いすんなよ ? 俺は、イナズマ組の事は嫌いだ。どうせ、てめーみたいなイカれた人間の集まりだろうからなー。こいつらをまとめてぶっ殺せば、てめーの大事なものも奪える。一石二鳥だ」

ロッキーはよろめきながら、菊谷に殴りかかる。

 すると、菊谷はロッキーの腕を掴み、彼を勢いよく地面へ叩きつけた。

ロッキーは血まみれの状態で、水たまりに沈んでいる。このままでは、ロッキーは菊谷に殺されてしまうかもしれない。

それにしても、菊谷はロッキーからどんな幸せを奪い、酷く恨まれているのだろう。それを知る事が出来ると思ったのに、話が逸れてしまって謎のままだ。

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