「はーっ ? ハッハハハハハハー。ナメた事、言ってんじゃーねーぞー。……永戸に恨みがあるなら、好きに殺せや ! 俺達と永戸はなー、関係ねーんだよ。……永戸は、確かに人殺しだ。でもよー、俺達はそんな永戸を、守ってやってるだけだ。メンバーが、永戸の餌食になる事だって平気である。……俺達だって、半端な気持ちで生きてねーんだーよー」
陽翔は、麗崇にハンマーを振り下ろす。それを、麗崇は片手で止めた。
「……耳障りだ。俺は、お前の幼稚な言い訳を聞く気は無い」
「お前のせいで……お前のせいでよー、何も悪くねー俺様の後輩が、犬死しただろうがー。……俺様の宝、愛羅だって危なかったしよー。お前らクソガキ、一匹も生きて帰れると思うなよ」
「俺の仲間だって、さっきから多く犠牲になっている……。あいつらの死を、副リーダーである俺は、決して無駄にはしない」
麗崇は、陽翔の頬に拳を入れた。そして、続けて彼を蹴り飛ばす。地に倒れこむ陽翔の腹を、麗崇は強く踏みつけた。
「いいか……お前らイナズマ組は、悪魔の子だ。血も涙も情もない。生まれてくるべきではなかった存在だ。だから、俺が美しく、地獄へ落としてやるさ」
「この俺様が、悪魔だと……。価値のない存在だあっ ? 俺様を侮辱した罪は重い。土下座じゃー済まされねー。死刑だ死刑 ! 死ねやーーーー !」
陽翔は怒鳴りながら、麗崇の足をハンマーで連続で叩いた。
「ぐっ、そんな武器に頼らなければ、俺に勝てんのか」
「ハッハハハハハハー。うっせーんだよー。命乞いしたって、無駄だぜー。とっとと、死ねやーー」
麗崇がしゃがみこむと、陽翔はよろめきながら立ち上がった。そして、容赦無く何度も何度も、狂った様に麗崇をハンマーで殴り続ける。
このままでは、麗崇が危ない。果たして、どうなってしまうのだろう。
「おい、てめー、菊谷を出せ ! 俺は、あいつをぶっ殺しに来た」
そんな声のする方に目をやると、ロッキーが蓮に殴りかかっていた。
「……何だ ? お前ら皆、菊谷に恨みがあって、俺達のアジトを襲撃しに来たのか ? 菊谷が、お前らに何かしたか ?」
蓮はロッキーの拳を受け止め、顔をしかめる。
「……あいつらは、レッドアイを恨んでるが……。俺はただ、菊谷の野郎をこの手で消してーだけ。イナズマ組って存在も気に入らねーから、まとめてぶっ殺す。あんな奴が仕切ってる組なんて、碌なもんじゃねーだろうからなー」
ロッキーは蓮にそう言い放ち、拳を彼の手のひらへ押し込む。
スマイル団は、レッドアイに殺意を持った集団だけど、ロッキーだけは目的が違うんだな。
だが、あんな穏やかな菊谷が、人にこれほど強く恨まれるなんて……。ロッキーと菊谷の間に、何があったのだろう。
「……レッドアイに恨みを ? そうか……この子供の団体は、あいつの被害者の集まりって訳だな。ここまで大きな攻撃を仕掛けてきたんだ……猛烈な殺意は十分に感じる。そうなるのも、無理はないな。……だけど、お前は何だ ? どうして、菊谷を狙う。菊谷が一体、お前に何をした……答えてくれ」
蓮は冷静に、ロッキーに質問する。
しかし、ロッキーは蓮の問いに答えず、彼の腹部に拳を入れた。
「ごちゃごちゃうっせーんだよ ! そんな事、てめーに長々と話して何になるってんだ。時間の無駄だー」
「ぐっ、ちゃんと話してくれねーと、お前がどうして襲ってくるのか、分からないだろ。菊谷は、俺の大切な相棒だから……。だから、お前と何があったのか、俺は知りたい」
「黙って消えろ ! この、派手髪野郎ーー」
ロッキーは、勢いよく蓮の顔面を殴った。いや、あんたもかなりの派手髪だろ。金髪のサングラス男って、蓮よりも目立っているくらいだと思うが……。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!