MARVELOUS ACCIDENT 未知の始まり 【訂正前】

闇で歪んだ世界
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04

公開日時: 2021年9月4日(土) 00:19
文字数:1,236




ドドドッ……ガッシャーーーーン !


 何だ何だ ? 何が起きた ?

突然聞こえた大きな音に、僕はビクッと飛び跳ねた。

はあ……びっくりした。おかげで、滝の様に流れていた涙が、ピタッと止まった。何かが、落下した様な物音だったが、どうなっているのだろう。


ガサガサ……カタン !


 クローゼットの中で、生き物が動く様な、そんな音がする。誰か居るのだろうか。 多分、ねずみか何かだよな。それとも、泥棒や殺人犯 ?

 僕は足を忍ばせ、恐る恐るクローゼットへ近づく。そして、ゆっくりとクローゼットを開けた。その中に居たのは、虫や小動物なんかではなかった。なんと、そこには丸い角の様なものを生やした、小柄な少女の姿があった。

少女は、僕の大事なゲームソフトの山に乗っかっている。そこから、ルビーみたいな輝きのある綺麗な瞳を僕に向けていた。


「ぎゃーーーーーーーーーーーーーー !」

 僕はあまりの恐怖に絶叫し、自室から逃げ出した。足を踏み外しそうになりながら、僕は階段を駆け下りて行く。

「ママー、パパー !」

「ちょっと、静かにしなさい。今、何時だと思ってるの。近所迷惑よ !」

 大きな声で叫ぶ僕を、上品な顔を歪ませたママが注意した。

「ママ、あのね……僕の部屋に知らない女の子が居るんだ」

 涙目になりながら必死で訴える僕を見て、ママは垂れた目を丸くさせた。

「え、それって……本当に ?」

 僕が頷くと、ママは青ざめた顔をして、リビングルームまで走っていった。僕も、その後についていく。


「パパー ! どうしよう。飛華流の部屋に、誰か居るらしいの……ねえ、一緒に来て !」

「えーーっ ! ……うっそー ! まじでー ?」

ママの言葉で、パパは飲んでいたコーヒーをテーブルへ置いた。うるさい顔をこちらに向け、パパは再び口を開く。

「……でも、どうやって飛華流の部屋に侵入して来たのー ?」

「そんな事、ママに聞かれても分かる訳ないでしょー ? ほら、早く来て !」

 ママは涙目になりながら、パパの服の袖を引っ張る。そうしたら、パパはソファーから腰を上げ、ママと共にこちらへ歩いてきた。

 ゴロゴロと転がり、ゲームをしていた真誠も口をぽかんと開けて、こちらを見ている。


 突然の出来事に、皆かなり混乱している。そうなるのも、当然だ。普通ではあり得ない事が、起きているのだから……。



「きゃーー ! ひ、飛華流……後ろー !」

 ママは、怯えた目で僕の後ろを見ている。とても嫌な予感がするが、僕はそっと振り返った。

 すると、僕の目の前に、さっきの少女が立って居た。い、いつの間にっ ?


「うわーーーー。ママー !」

 僕は泣きながら、ママに飛びついた。

「うおっ……二人共、落ち着いて。ほら、小さな女の子だよ」

 少女に驚きつつも平静を装い、パパは僕らにそう言った。なので、僕らはゆっくりと少女に目を向ける。

 

艶のある桜色の長い髪に、透き通った白い肌。お人形の様に童顔で、整った顔立ちをしていて……尻には独特な尻尾の様なアクセサリーを付けていた。アニメの世界から出てきた様な、どこか異質な雰囲気を醸し出す、容姿端麗な美少女。

 



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