静かなところにいる

転生したら盲目難聴でした
あきや
あきや

29.護身用

公開日時: 2021年6月13日(日) 09:59
文字数:716

弓の訓練所にいる。

銃の試作品ができたので、それを試すのだ。

といっても、私にはその光景が見えないので、どんなものになったのかはわからない。


しばらくして、スタさんが私に触れる。

[撃つのにかかる時間、命中率、威力を考えると、私なら弓を使います。

ただ、弓を扱うには技術と筋力が必要ですので、

非力な者が護身のために使うのであれば、有効でしょう。]


やはり、いくらオーバーテクノロジーだと言っても、

この世界においてはそんなに強力な武器にはならないらしい。

父さんの前世に出てきたような銃を作れれば違うかもしれないが、

あれは複雑な化学や材料工学を使って、機械が生産しているものだろうし、

誰か一人の前世をちょっと見た程度で再現することは難しそうだ。


[いやしかしすごいな!

これなら父さんでも戦える。

それに遥か東の方では、爆発する瓶や大きな玉を飛ばす武器があるらしいが、

この技術を使えば、そういう物も再現できそうだ。]


遠くには既に手りゅう弾や大砲といった武器があるようだ。

もはやオーバーテクノロジーでもないのかもしれない。


[これはうちが世界一の技術大国になる日も近いぞ!

偉大な奇跡だ!]


べた褒めしてくれるのは嬉しい。

けど、同時になんだか恥ずかしい。


「まだこれからだよ。

 もっとたくさんの人に触れてみないと。

 そうしたら色々な技術を見つけられるかも。」

[丁度父さんもそれを考えていたところだ。

今度少し遠くの村まで遠出するんだが、それについて来ないか?

新しく学校を造るんだ。

お前が始めた活動でもあるし、丁度良いじゃないか。]

「そうさせてもらうね」

[ああ。

それと、この銃はクリシに持ってもらおう。

彼女が持つには最適な武器だろうし、いざというときにお前を守れるしな。]

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