弓の訓練所にいる。
銃の試作品ができたので、それを試すのだ。
といっても、私にはその光景が見えないので、どんなものになったのかはわからない。
しばらくして、スタさんが私に触れる。
[撃つのにかかる時間、命中率、威力を考えると、私なら弓を使います。
ただ、弓を扱うには技術と筋力が必要ですので、
非力な者が護身のために使うのであれば、有効でしょう。]
やはり、いくらオーバーテクノロジーだと言っても、
この世界においてはそんなに強力な武器にはならないらしい。
父さんの前世に出てきたような銃を作れれば違うかもしれないが、
あれは複雑な化学や材料工学を使って、機械が生産しているものだろうし、
誰か一人の前世をちょっと見た程度で再現することは難しそうだ。
[いやしかしすごいな!
これなら父さんでも戦える。
それに遥か東の方では、爆発する瓶や大きな玉を飛ばす武器があるらしいが、
この技術を使えば、そういう物も再現できそうだ。]
遠くには既に手りゅう弾や大砲といった武器があるようだ。
もはやオーバーテクノロジーでもないのかもしれない。
[これはうちが世界一の技術大国になる日も近いぞ!
偉大な奇跡だ!]
べた褒めしてくれるのは嬉しい。
けど、同時になんだか恥ずかしい。
「まだこれからだよ。
もっとたくさんの人に触れてみないと。
そうしたら色々な技術を見つけられるかも。」
[丁度父さんもそれを考えていたところだ。
今度少し遠くの村まで遠出するんだが、それについて来ないか?
新しく学校を造るんだ。
お前が始めた活動でもあるし、丁度良いじゃないか。]
「そうさせてもらうね」
[ああ。
それと、この銃はクリシに持ってもらおう。
彼女が持つには最適な武器だろうし、いざというときにお前を守れるしな。]
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