スポーツの作品一覧

22件の作品が見つかりました。
あの頃の僕たちは
いつか大人になったら、一緒に行きたい場所がある
連載中 長編
 「俺、未来から来たんだぜ?」  「何それ…」  「俺とお前は永遠の親友。って言っても、可能性のひとつだけどな?」  菅野拓也はへんなやつだった。  出会った時から、まるで昔から知り合ってたみたいに絡んでくるやつだった。  俺たちは同じ町の、違う地区に住んでいる子供だった。  中学生になるタイミングで同じ学校になり、クラスも同じになった。  拓也は野球が好きだった。  いつかプロ野球選手になるんだって夢見てて、そのために“過去に戻ってきたんだ”って、息巻いてた。  「俺さ、人生をやり直したいんだ。未来じゃお前を殺しちまったけど、この世界じゃ、絶対にそんなことしないから」  「俺を殺した!?」  「ハハッ。まあ笑えない話なんだが、一応言っておく。俺はお前を殺した罪で指名手配になって、逃亡中に死んだ」  「はあ??」  「まあ、大丈夫だ。こっちの世界じゃ、なんの関係もないことだから」  俺を殺した?  最初聞いた時、頭おかしいなって思った。  信じるつもりはなかったし、それは今もだ。  拓也はどこか、他のことは違ってた。  どこか別世界にいるようで、他の子にはない明るさを持ってて。  いつも笑顔を絶やさないやつだった。  いつも、人一倍努力してるやつだった。  拓也の訃報を聞いた時、俺はどうすればいいかわからなかった。  かつて同じグラウンドにいたあの頃のことを思い出して、夏の終わりに蝉時雨が、町のどこかに響いてて。
公開日時:2024年12月29日(日) 02:53 更新日時:2024年12月29日(日) 02:53
話数:1文字数:716 ポイント0
水辺のリフレイン
遥かなる時の彼方へ
連載中 長編
丹後半島の北東部、漁村伊根町。朗らかな村人たちに囲まれて生まれ育った下村カモメはある日、幼なじみの喜多川唄に海の貝殻を取ってほしいと頼まれる。 海の貝殻を約束の数だけ集めたカモメは、待ち合わせ場所の浜に行く。そこで一匹の小汚い鳥に出会う。その時、彼女は不思議な光に身を包まれた。 待ち合わせ場所に一向に来ない唄。カモメが村に戻ると、村人たちは口を揃えて他人扱いし、冷たく接してくる。更には次の日、学校で会った唄までカモメのことを初対面であるかのように言い出し、「10年前に溺れ死んだ友達」に似ていると言い出す。 唄から友達の墓にお参りに行ってほしいと言われ、カモメは町外れにある岬へと向かう
公開日時:2023年11月12日(日) 17:16 更新日時:2024年11月10日(日) 17:26
話数:2文字数:2,789 ポイント0
もう一度、キミに逢えたら
あなたにしか、変えられない時間がある
連載中 長編
8番地区の電話ボックス。 広島市内のとある街角に、昭和初期の頃に建てられたと思われる電話ボックスが、ポツンと現れることがある。 その電話ボックスは、電話をかけた先の日付に行くことができるとされており、“忘れてしまった記憶を思い出させる魔法の電話“として、古くから親しまれていた。
公開日時:2024年9月19日(木) 14:44 更新日時:2024年11月1日(金) 08:38
話数:61文字数:27,877 ポイント0
真夏のパンク・ロック 〜清楚なクール系美少女は、マネジメント業務にハマっている〜
連載中 長編
万年予選敗退落ちの弱小野球部、春日高校は、メンバーの不足により廃部寸前の危機に陥っていた。 メジャーリーガーの父を持ち、アメリカ育ちであった氷室ネルは、父親が通っていた春日高校に通い、選手育成の道に進むことを志そうとしていた。 彼女の夢は父親のような「プロ野球選手」になることだったが、性別の関係で夢を諦め、途方に暮れる日々を送っていた。 そんな中、父親からある言葉をかけられる。 野球をプレーすることだけが、野球の「全て」ではない。 野球をするための環境や、それをサポートする人たちがいるからこそ、今の自分がいる。 いつか、「自分」を越えるメジャーリーガーを連れてこい。 彼女に伝えていた。 日本には才能あふれる選手たちがいる。 お前が今まで培ってきたノウハウを、日本の子たちに伝えてみてはどうか? メジャーリーグという舞台で、いつか、父親を越える選手を連れてきたい。 彼女はそう決心し、生まれ故郷である鹿児島市に、一時帰国することになるが…
公開日時:2024年8月16日(金) 16:43 更新日時:2024年8月16日(金) 16:43
話数:1文字数:510 ポイント0
あの日、彼女は海になった。
連載中 長編
15歳の夏、高校生活をスタートさせたばかりの女子高生・北川綾音(おおさかあやね)は、中学を卒業して、特に目標がないまま、気がつけば夏が終わろうとしていることに驚く。 退屈な授業の片隅で、何事もなく過ぎていく猛スピードの日常の違和感を、どこか拭いきれないまま、また、一日が終わろうとしていた。 そんな中、ある日クラスメイトの一人・八王子桜智(はちおうじさち)と花火大会に参加して、夜空に飛んでいくたくさんの花火と光の道すがら、遠い未来について話し合う。 会話の中、桜智は、綾音の両親のことについて切り出し、最近お墓参りに行っているのかを質問する。 彼女の両親は、4年前、2011年3月に起きた、東日本大地震の被災者だった。 綾音は節子の質問に対して、笑いながら「明日覗いてみる」と返事をするが...
公開日時:2024年7月7日(日) 22:52 更新日時:2024年7月7日(日) 22:52
話数:1文字数:1,021 ポイント0
366日
世界のどこにも、存在しないもの
連載中 長編
ねえ、タカ君。 私はもう存在していないって知っている? 私が「人間」じゃなくて、神様の子どもだってことを。 あなたと会えた日から、いつも思ってた。 いつかこうなる日が来るだろうな、って。 いつか、今日という日が無くなるんだろうな、——って。 何もなかったことにはしたくないんだ。 あなたと出会えたことを、なかったことにはしたくなかった。 でも、もう行かなくちゃいけない。 星が降るのを止めなくちゃいけない。 きっと、もう、間に合わない。 だけど—— あなたと過ごせた日々のことを、世界に置いていくことはできない。 私は最初からどこにもいなかった。 それが「運命」なら、私たちが立ち止まれる場所は、もうどこにも残っていない。 たとえ抗うことができない時間が、明日の世界に続いているとしても、きっといつか、あなたと再会できる日が来ることを願っている。 失われた記憶の底で、いつか、雨が止む日が訪れたとしても。
公開日時:2024年6月9日(日) 16:45 更新日時:2024年6月15日(土) 12:05
話数:8文字数:4,062 ポイント0
先生、あなたは前世で恋人だった
連載中 長編
時読みの巫女としての血を引く鬼、三途川三月(さんずがわみつき)は、18の年に必ず死ぬという一族の運命に抗うため、1000年の歴史を持つ自らの「血」を断ち切るために、『雛代の社』と呼ばれる一族の魂が眠る祠を訪れる。 三途川の家系は、人の魂が洗い流されるという「信濃川」の清流を保つために、“人柱”としての役割を担っていた一族だった。 彼女は人柱としての宿命を担うため、自由に生きるという選択を奪われながら、それでも、村に住んでいた時透飛鳥(ときとうあすか)という少年に惹かれ、人として生きる道に憧れを抱く。 同じ村で子供時代を過ごし、三月は巫女として、飛鳥は国に仕える武士として旅立とうかという頃、2人は恋に落ちていた。 飛鳥は三月が一族としての宿命を担っていること、そして人間ではなく、「鬼」であるということを知りながら、彼女の運命に共に立ち向かうことを決意した。 三月の手を持ち、一緒に村を出て、自由に生きるための道を探すべく、祠に向かう。 祠を破壊し、その地に眠っていた魂が浄化していく様を見て、呪われた三月の運命が、無事に断ち切れたのだと思っていた。 しかし、2人が待ち受けていた未来は——
公開日時:2024年6月1日(土) 18:56 更新日時:2024年6月1日(土) 18:56
話数:1文字数:878 ポイント0
雨上がりに僕らは駆けていく Part2
連載中 長編
学校の帰り道に突如現れた謎の女 彼女は、遠い未来から来たと言った。 「甲子園に行くで」 そんなこと言っても、俺たち、初対面だよな? グラウンドに誘われ、彼女はマウンドに立つ。 ひらりとスカートが舞い、パンツが見えた。 しかしそれとは裏腹に、とんでもないボールを投げてきたんだ。
公開日時:2023年2月12日(日) 00:53 更新日時:2023年12月31日(日) 12:13
話数:394文字数:298,670 ポイント3
バッテリー
連載中 長編
2020年8月。 この年に起こった観測史上最大の豪雨。 川の氾濫によって命を落とした渋谷大輝は、当時高校3年生だった。 彼は氾濫に巻き込まれる間際、幼馴染の宮野ひかりに電話をかけていた。 約束を守れなかったこと。 「野球を辞める」という決断を告げようとして。 彼の葬式の日、ひかりは帰りの電車のホームで、「3番線乗り場の駅員」と名乗る男と出会う。 男は彼女に告げた。 次に来る電車に乗れば、彼にもう一度会える。 ただし帰りの電車が、いつキミの前に現れるかはわからない。 そう、——告げて。
公開日時:2023年12月3日(日) 22:00 更新日時:2023年12月11日(月) 08:12
話数:20文字数:6,640 ポイント0
真夏のサイレン
連載中 長編
戦地へ向かう1人の青年は、18歳の歳に空軍に入隊したばかりの若者だった。 彼には「夢」があった。 真夏のグラウンドに鳴いたサイレン。 飛行機雲の彼方に見た、青の群像。 空に飛び立った彼は、靄に沈む世界の岸辺で、1人の少女と出会う。 彼女は彼が出会うべき「運命の人」だった。 水平線の海の向こうに、「霧の世界」と呼ばれる場所がある。 未来と過去を結ぶその時空の揺らぎの彼方に、2人が見たものとは——?
公開日時:2023年11月23日(木) 21:52 更新日時:2023年11月23日(木) 22:07
話数:9文字数:5,289 ポイント0
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