【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第581話 迷宮都市 家具のお披露目 2&ホーム内の移動距離

公開日時: 2023年10月19日(木) 12:05
更新日時: 2024年2月9日(金) 22:05
文字数:1,871

 ベッドへ横になり寝てしまった2人を見て、やはり何かの効能があるんじゃないかと思う。

 まぁベッドだし、直ぐに寝れるなら悪い効果ではない。

 問題は、寝る時以外ベッドを使用出来ない事だ。


「2人共、寝ちゃったみたい。しばらく起きないと思うから、他の部屋にいこう」


 兄達が1時間くらいで目を覚ましたのを思い出し、私は両親を別室へ案内した。

 私の部屋より幾分装飾が減るけど、貴族仕様の家具が設置されている。

 母は、こちらの部屋の方が落ち着くわと言っていた。

 1時間後。

 再び自室へ戻り、2人が目覚めるのを待つ。

 程なくして彼女達の目が開いた。


「あっ、2人とも起きたみたい。やっぱり、このベッドは眠りやすいのかな? しずくちゃんもお母さんも、気分は大丈夫ですか?」


「ええっと、寝てしまったみたいでごめんなさいね。何だか複雑な夢を見ていた気がするんだけど……思い出せないわ」


「私は、どうしてか尚人兄なおとにいすごく会いたくなったんだけど……。今すぐ抱き締めてあげたい気分なの!」


 ふむ。

 兄達とは違い、嫌な夢ではなかったようだ。


「じゃあ今日は、もう家へ帰りましょうか。たまには家族で、一緒に過ごして下さい。私は兄と2人で食べますから」


「そうね。いつも雫と2人じゃ寂しいし、今夜は沢山料理を作ろうかしら?」


「おおおぉ、お母さん! 稼いでいる尚人兄なおとにいおごってもらおうよ!」 

 

 お母さんの料理を沢山作る発言を聞き、雫ちゃんがあわてて外食の提案をする。

 旭はどうやら、高い物を奢らされそうだ。

 4人を連れてホームに戻る。

 両親を実家に送り、私は兄達がジムから戻るまでガーグ老達のおやつを作ろうかな?


 泣くほど味に感動していたから、沢山作った方が喜ばれるだろう。

 摩天楼まてんろうのダンジョンで10種類のナッツが採れたから、1種類ずつ入れた物とドライフルーツはアプリコットとレーズンの2種類でいいか。

 私は黙々とショートブレッドを作り、オーブンで焼く作業を繰り返す。

 部屋中に甘い匂いが立ち込め、お腹が空いたから1本だけ食べよう。


 夕方5時頃、兄達が戻ってきた。

 旭へ家族で夕食を食べてねと送り出す。

 兄と2人だけなので私達も外食にしよう。


「お兄ちゃん。今日は外食にしてもいい?」


「いいぞ。何が食べたいんだ?」


「フレンチがいいなぁ」


 私は昨日食べそこねた、豪華な料理を兄に奢ってもらう心算つもりだ。


「了解。沙良、ホーム内は俺のマンションから半径30kmも移動可能なのか?」


 うん?

 それは気付かなかった。

 アパートがホームに設定されていたから、追加したホームからもLv分移動出来るか確認してない。


「あ~、ちょっと調べてみるね」


 マッピングを展開し確認すると、兄のマンションからも半径50・・km移動可能になっている。

 という事は実家からも?

 私のアパートから実家までは2kmくらいしか離れていないため、あまり距離は延びないけど……。


「このマンションからも、ホームの移動距離が延びてたよ~」


「それなら、いける店が増えたな」


 兄が嬉しそうに言い、車を出すからとマンションの駐車場へ連れていかれる。

 愛車のスポーツカーを運転したいらしい。

 でもきっと帰りは、お酒を飲むから私がタクシーになるんだろう。

 今までいけなかった兄のマンションから先へ車を走らせ、お店に到着。

 1人1万円のフルコースを注文し、兄は白ワインを追加で頼む。


 お薦めの店だけあって、どの料理も美味しい。

 肉と魚の両方が出たから、私には少し量が多いくらいだ。

 豪華な夕食に大変満足ですよ~。

 兄は、ちゃんと《タイミング》を選んでくれたしね。

 全ての料理が熱々の状態で出てくる。

 食べ終わった皿だけは、人がいないため下げてもらえないけど……。

 私達が店を出たら、テーブルの上からなくなるのかしら?


 デザートと紅茶を飲んだ後、車をアイテムBOXに収納しマンションへ移動。

 シルバー・フォレスト・泰雅たいがを呼び、3匹のブラッシングを兄として部屋に戻る。

 ホーム内の移動距離が知らない間に増えていたのは驚いた。

 私のアパートからマンションまで、直線距離で50km+30km+50km。

 130kmが移動可能となるのか……。

 でも次にホームへ設定する予定の病院は兄のマンションから近く、旭の実家は私の家の近所だ。

 あまりメリットはないな。


 Lvが増えた分、移動距離も長くなる。

 兄達には、半径30km以上移動しないよう注意する必要がありそう。

 進めないから気を付けて運転すると思うけど……。

 父にも言っておかないと、うっかり口を滑らせるかも知れない。

 摩天楼まてんろうのダンジョンを攻略して、父はLvが40になった。

 私はLv50になり、目標のLv100まで半分の所。

 まだまだ先は長いなぁ~。

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