【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第583話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ15(摩天楼のダンジョン21階~27階)&『MAXポーション』の販売

公開日時: 2023年10月21日(土) 12:05
更新日時: 2024年2月11日(日) 22:09
文字数:1,857

 月曜日。

 今日から5日間またダンジョン攻略。

 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。

 兄とフォレストを置いて、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。

 安全地帯にマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。

 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。


 午前中は、いつもの薬草採取と地下16階の果物採取。

 午後からは、セイさんと一緒に摩天楼まてんろうのダンジョン21階を攻略する。

 2人へLv50になったボーナス特典を教えると、口を大きく開け固まってしまった。

 私はホーム内の移動範囲がアパート・実家・マンションから各半径550kmになった事を伝え、くれぐれも兄達へバレないよう半径30km以上は移動しないでねと注意する。


「マッピングの移動距離は2,150kmに増えたの。迷宮都市から摩天楼まてんろうのダンジョンまで、一瞬でいけるから便利になったよ。120の数字が出れば、6,050kmだったのになぁ~。Lv100のボーナス特典は何だろうね?」


「Lv50やLv100に、そんな特典はなかったです……」


 セイさんが私の話を聞き、少しがっかりしている。


「俺もな……何か特典があるんだろうか?」

 

 父はまだLv40なので、Lv50時に特典があるのか気になったようだ。

 でも与えられた3つの能力(換金・交易・鑑定)を考えると、どうかしら?

 換金と交易に関しては無理そうな気がする。

 鑑定は物だけじゃなく、人物鑑定も出来るようになるかな?


「『手紙の人』にお願いすると、結構融通ゆうづうを利かせてくれるみたい。懐石料理を注文した時、全部一度に出て食べるのが大変だと言うと次回から料理が出るタイミングを選べるようになったし。貯めてたポイントが勿体もったいないと言ったら、ポイントカードを通す器械を設置してくれたしね。その割には、いまだにコーヒーチケットが使えないんだけど……」


 そして当然、お得なコーヒーチケットも売ってない。

 使えるようになるのは、いつだろう?


「『手紙の人』は謎過ぎますね。私と沙良さんを、この世界へ転移させたのには何か理由があるんでしょうか?」


 セイさんに言われ、少し考えてみたけど……。

 最初に転生したのはサヨさんだ。

 次に香織かおりちゃん、しずくちゃん、旭、お母さんの順。

 私の身内や知り合いが多いのは確かだ。


「どうかな? 手紙に、何か使命があるとは書いてなかったよ?」


 乙女ゲーム的には、主人公や悪役令嬢でもない。

 ゲームが始まる前に亡くなってしまうキャラだし……。

 

「あ~、いつか理由が分かるかも知れないぞ?」


 父は、そんな事を言いながらテントから出ていく。

 出ていった瞬間、外の寒さに震え戻ってきたけど。

 直接、安全地帯のテント内へ移転したから、雪が降る階層だと忘れていたんだろう。

 私が無言でシルバーウルフのマントを渡すと、気まずそうに羽織はおっていた。

 先週セイさんから宝箱の情報を聞いたので、私は早く30階にいきたい。

 21階~29階は、階段まで通り抜けるだけでいいかな。

 一応、隠し部屋がないかチェックはするけどね!


 シルバーと泰雅たいがに騎乗し、22階へ上がる階段を探し先導する。

 魔物は道を塞ぐ物だけ倒していく。

 30分程で階段に到着し23階へ。

 この階層も雪が降っている。

 セイさんに確認したら、30階までは雪が降る階層が続くらしい。

 その後も、各階層を30分で移動する。


 3時間後。

 27階の安全地帯へテントを設置しセイさんと別れ、私と父は迷宮都市のダンジョン地下15階に戻った。

 安全地帯のテント前には、怪我人の治療をしている旭とお母さんの姿がある。

 そういえば、今日から『MAXポーション』が販売開始になったはずだ。

 ダンクさんへ、知っているか確認しよう。


「ダンクさん。魔道具屋で『MAXポーション』が販売されたと思うんですけど、知ってますか?」


「あぁ、今日一番の話題になってるよ。『毒消しポーション』の時もかなり冒険者達が騒いでいたが、今回程じゃない。効能がエリクサーに近いっていうんだからな。数が限定され、1パーティー3個しか購入出来なかったらしい。……もしかして、あれはサラちゃん達が関わっている商品か?」

  

 最後は小声になり、そう尋ねてきた。

 私は言葉にせずうなずく事で肯定する。

 それだけで、ダンクさんには分かるだろう。


「やっぱりなぁ~。ダンジョンにいる俺達は購入出来なかったから、後で売ってくれないか?」


「はい、用意しておきますね」


 『MAXポーション』は、ちゃんと今日発売になったようで安心した。

 これで、助かる命が増えるだろう。

 兄達の治療する機会も少なくなるといいな。

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