【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第294話 迷宮都市 『製麺店』での夕食会 1

公開日時: 2023年3月19日(日) 20:39
更新日時: 2023年8月15日(火) 17:18
文字数:2,072

 昨日は兄が初めて、マジックテントの中でダンジョン泊をフォレストと一緒にしていた。

 魔道具屋でもらったマジック寝袋が役に立って良かったのか?


 可哀想かわいそうに旭は1人寝だ。


 安全地帯の冒険者達が、私の従魔に危害を加える事はないと信じている。

 でもシルバーだけがテントの外で過ごすと思うと……。

 

 今夜からは旭が持っている6人用のマジックテントを出して、シルバーはその中で過ごしてもらう事にしよう。

 私は兄みたいにマジックテントの中じゃなく、ベッドでちゃんと寝たいからね。


 兄を迎えに行き自宅で朝食を食べる。


「マジックテントの寝心地はどうだった?」


「特に問題なかったぞ? 床はクッション性があるし、マジック寝袋もコカトリス(キング・クイーン)の羽毛が使われている所為せいか暖かくて快適だった」


「へぇ~そうなんだ。これから毎日テントで寝る心算つもりなの?」


「あぁテイム魔法を覚えるまで、フォレストと一緒に寝るよ」


 急にフォレストと一緒に寝ると言い出したから、嫌な予感はしてたけど……。

 やっぱり、兄はテイム魔法を覚える気満々だった。

 

 そして私の従魔を取られそう!


 テイム魔法を覚えたら、是非ぜひ自分で迷宮タイガーをテイムして下さい。


 旭の方を見たら、兄の言葉にショックを受けているようだ。

 

「沙良ちゃん、俺も今日からシルバーと一緒にテントの中で寝るよ!」


 ええ~っ!

 そこは張り合う所じゃないでしょ!


 そしてシルバーは私になついているから、旭がどんなに可愛がってもテイム魔法は覚えられない気がする……。

 

「2人一緒のテントで寝なくていいの?」


「別々でいいよ」


「別いい」


 旭と兄の言葉のニュアンスが少し違っているけど、同じダンジョン内の安全地帯で眠るならはなばなれになるより良いのかもね。


 朝食に作ったふわふわのホットケーキにクインビーの蜂蜜を掛けて食べると、とっても美味しい。

 蜂蜜なんだけど、少しメープルシロップの味に似ている感じがする。

 色は薄いピンク色だった。


 コカトリスクイーンの卵とクインビーの蜂蜜を使用してカステラを作ったら、どんな味になるのかな?


 金額だけみたらかなり高級なカステラになりそうだけど、ダンジョンに行けば幾らでも手に入るから実質無料だ。


 今度時間がある時にでも作ってみよう。

 勿論もちろん、ザラメは必要ですよ!

 あれがないとカステラを食べた気がしないからね。  


 その後も問題なく5日間の攻略は終了。


 今回は『華蘭からん』に卸す分の迷宮タイガーの皮を、10枚換金しないで引き取った。

 金貨12枚の内、魔石代は銀貨40枚(40万円)だった。


 旭が換金。

 ファングボアの肉5体を引き取る。


 シルバーとフォレストは、冒険者ギルドを出た後でホームに連れ帰った。


 肉屋にファングボアの肉3体を卸す。

 先週解体してもらったお礼に、迷宮ウナギを少しお裾分すそわけしておいた。

 肉屋の店主は50代だから、そろそろ必要になるかもと思って……。


 『肉うどん店』に行き、トマトの季節が終わるので期間限定の『ミートパスタ』を来週から『シチュー』に変更する事を伝えた。


 子供達には、グリーンとゴールデンキウイフルーツを1つずつお土産に渡してあげる。


 母親達にはマンゴーを1つずつ。

 初めて食べる3種類の果物に、子供達の笑顔が思い浮かぶ。

 特にマンゴーは甘くて美味しいので皆が喜ぶだろう。


 ドライフルーツにしても良いけれど、折角せっかくなので生のまま食べてほしい。

 いつかマンゴープリンも食べさせてあげたいな。 

 

 お店の経営も編み物も頑張ってくれているからね。

 高級フルーツだけど、社員なのでオーナーとしての福利厚生だ。


 次は『製麺店』に寄り、バスクさんにお店の状況を確認。

 『うどん』の販売は順調で、毎日売り切れているとの事。


 あの固くてボソボソのパンが主食だった所為せいか、『うどん』は人気があるそうだ。

 これから寒くなるので、スープに入れて食べる人が増えるかも?


 製麺店の元冒険者達は、最初に会った頃とはすっかり別人になって体重も戻り顔色も良くなった。


 毎日、たらいに湯を張り体を洗っているので清潔感もある。

 無精髭ぶしょうひげもないので少し若返った感じがするよ。 


 バスクさんに、マンゴーとキウイフルーツを10個ずつお土産として渡す。

 今日の夕食は庭でバーベキューをするそうだ。


 バスクさん達は全員が50~60代なので、ここは私が大盤振おおばんぶる舞いしてあげよう。

 兄達に夕食はバスクさん達と一緒でいいか確認し、私は『バーベキュー台』を出す。


 お店の料理担当者に、マジックキノコ・ニンニク・ねぎ・ハイオーク肉・コカトリスキングの肉・ミノタウロスの肉を渡して切ってもらう。


 私はこれから『鰻の蒲焼』と『肝焼き』の準備だ。


 兄達には、今日は子供達がいないからお酒を飲んでも良いと言ってある。

 お酒は旭がアイテムBOXに幾つか収納している物を飲むだろう。


 旭がそのまま出そうとして兄に頭を叩かれていた。

 そして手を引かれながら店舗の中に一緒に入っていく。


 お酒を素焼きか陶器の壺に入れ替えているんだろう。

 なんだかんだと言いながらも、2人は仲良くしている。


 相変わらず、旭は兄に面倒を見てもらっているようだけど……。

 少しおバカな旭と、冷静な兄の相性は丁度いいみたいだ。

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