【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第321話 迷宮都市 地下14階 他領から来た冒険者達 2

公開日時: 2023年4月2日(日) 12:05
更新日時: 2023年8月18日(金) 21:53
文字数:2,446

 さくっとキウイフルーツ1,000個の収穫&トレントと迷宮タイガーを倒して収納。

 その間、周囲の警戒は2匹に任せておけば大丈夫。


 フォレストウサギはシルバーが頭にアイスボールを撃って瞬殺。

 キラープラントはハニーが上空から急降下して針で突き刺し瞬殺。

 私は2匹にお礼を言って頭をで、倒された魔物を収納した。


 集合時間まで大分時間があるので、本日も自宅に帰って子供達の料理の下準備をしておこう。

 ハニーを地下13階に送り届け、シルバーと自宅に戻った。


 フィッシュバーガー用のキャベツの千切りを大量に作る。

 迷宮サーモンはてのひらの大きさに切って衣を付け、現地で揚げるだけの状態にしておく。


 トマトソースも作りたかったけど、ここで時間切れとなった。

 本当はフィッシュバーガーにはタルタルソースが合うんだけどなぁ~。


 異世界には、まだ早いかしら?

 それとも子供達だけ食べる分には問題無い?


 安全地帯のテントに移転して旭と自宅に戻る。

 兄には朝お弁当を渡しておいた。


「旭~。お昼何が食べたい?」


「あれ? 今日はお弁当じゃないの? 確か朝、オムライス作って賢也に渡してたよね?」


「うん、お兄ちゃんのリクエストでね。昨日、地下13階と地下14階の果物を収穫出来なかったから、今日は自宅に戻らずにテント内で食べて全部収穫してくるって張り切ってたよ」 


「ふ~んそうなんだ。俺の分のオムライスは無いの?」


「旭の分はありません」


 前回、私を裏切った事は忘れてないわよ!


 旭はガッカリした表情を見せると「じゃあ何でも良い」と言ってリビングに移動してしまった。


 そんなにオムライスが食べたかったの?


 仕方ないなぁ~。

 ケチャップ味が大好きな旭のために、ナポリタンでも作るか。


 玉ねぎ・ピーマン・赤ウインナーを切って、少し太目のパスタをでていく。

 刻んだ材料を炒め、で上がったパスタをケチャップで味付けし、最後に半熟の目玉焼きを乗せたら完成。


「旭~。ナポリタン出来たよ~!」


 ダイニングから呼ぶと、旭がダッシュで席に着く。

 現金なんだから。


 自分のアイテムBOXからソーダを出してグラスに注いでいるよ。

 

「頂きます!」


 食事前の挨拶と同時に、フォークでくるくると巻きナポリタンを食べ始めた。


 粉チーズは、掛けなくてもいいのかしら?


 私はパスタには掛ける派なので、タバスコと一緒にたっぷりと掛けちゃいます。


 食事を終えてテントから出ると、怪我人が待機していた。


 地下14階を拠点にしている人らしい。

 男性の冒険者だ。


 フォレストウサギの2本の角で太ももを刺され貫通していた。

 うっ痛そう。

 

 既に鎧も脱がされ、傷の場所より上をひもしばって止血済みだ。

 更に傷の手当がしやすいようにスボンは短く切ってある。

 旭が怪我の状態を確認して水を掛け直ぐに治療。

 

 その間わずかか数十秒。

 兄の講義内容が役に立っているようだ。


 地下13階で直接講義を受けた冒険者から、クラン内のメンバーに情報が届いているんだろう。

 皆、命はしいので真面目に聞いてくれていたからね。


 治療する兄も旭も、事前に応急処理がしてあれば直ぐに魔法を使用出来る。

 怪我人も痛い思いをする時間が短くなって嬉しいだろう。


 男性冒険者からお礼を言われて旭が金貨16枚を受け取った。

 おっと、そのまま手を引かれているよ。


 これはどうも彼の好みのタイプだったらしい。

 旭が振り返って、私を見ながら口をパクパク動かし助けを求めてくる。


 口の動きに注目すると、へ・る・ぷ・みーと言っていた。

 何故なぜそこで英語なの?


 恋愛は自由だけど本人が嫌がっているし今は攻略中なので、リーダーの私が出張でばるしかないか。


「あの~すみません。今から攻略に行くので、うちのメンバーを返してもらえませんか? 後、お礼のサービスは不要です。恋人が居るので」


 旭を見ると私の言葉にコクコクとうなずいている。


 あれ?

 やっぱり兄の事が好きなんじゃないの。


 否定していた癖に、幼馴染で恋人の妹にバレるのは恥ずかしかったのかな?

 別に小姑こじゅうとになる心算つもりはないわよ、男性だし。


 料理が出来なくても怒ったりしないしね。

 私と一緒に行動する間は、作ってあげるから心配しなくても大丈夫。


 ただ、ある程度異世界のダンジョンを制覇せいはした後は、別行動になると思うから多少は出来た方がいいと思うけど……。


 私も良い人が居れば、結婚する可能性だって無い訳じゃない。


 兄は料理の味にうるさい方だし。

 2人に、少しずつ料理を教えておいた方が良いかしら?


「そうなんだ。悪いな、知らなかったよ」


 と男性冒険者はあっさりと手を放してくれた。

 身長が2mもある男性に、テント内に連れ込まれそうになって旭は涙目だ。 


 もう本当にビビリなんだから。

 いざとなったら、旭は空手が出来るんだから素手で倒せる相手でしょ?

 こらっ、私の後ろに隠れるんじゃない!


 その後、私達は別々に行動。


 シルバーの背中に乗って森のダンジョン内を走っていると、昨日の怪我をしていない方の3人の冒険者がトレントの森に向かっていくのが見えた。


 嘘でしょ!!


 地上に帰還しなかったの?


 アマンダさんは安全地帯から出ていったって言ってたけど、地下13階以降に降りただけだったのか……。

 もしかして地下14階で一番換金額の高い迷宮タイガーを、3人で狩る心算つもり


 周り全てがトレントなのに……。

 私は狩られたら嫌なので、マッピングで魔法を使用し収納しておいた。


 3時間に2匹しか出現しない迷宮タイガーを渡す事なんてしない。

 ウィンド系の魔法攻撃を受けても、治療は拒否させてもらいます。

 

 その為の言い訳を今から考えておかないと……。

 毎回、体調不良になってダンジョン攻略を中止していたら、絶対兄に気付かれるだろう。


 兄が治療を拒否しても不審に思わない様な理由は何があるかなぁ~。

 相手を治療したくなくなる都合の良い話は、敵対している場合だ。

 

 でも2人には私が狙われた事は秘密なので言えない。

 ここは、その過保護っぷりを利用しよう。


 彼らはメンバーを失った損失分を、穴埋めしようとしているのかもね。

 でも事前情報なしで地下14階を3人で攻略するのは危険過ぎるわ。


 命がしくないのかしら?

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