【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第661話 迷宮都市 地下15階+地下28階&摩天楼のダンジョン(30階) ハニーの習得魔法&癒し草の秘密

公開日時: 2024年1月10日(水) 12:05
更新日時: 2024年5月3日(金) 11:41
文字数:1,845

 翌日、火曜日。

 今日は地下14階にいるハニーに、魔法の習得をしてもらう心算つもりだ。

 シルバー達は浮遊魔法を勝手に覚えたけど、ハニーは私の希望する魔法を習得出来るかしら?

 ガルムから飛翔魔法を覚えた時、念願だった魔法習得のチャンスだと思ったんだよね~。

 攻撃魔法と迷ったけど、魔物から習得出来ないものを先にしたい。


 私はハニーに光魔法のヒールを覚えてほしいとお願いした。

 ハニーは私の言葉にうなずくと、触角をピコピコ動かし同意する。

 その後、体全体が淡く光り首を上下に振ってみせた。

 魔法の習得が出来たのだと思い、ステータスを確認してみる事に。


 ●ハニー Lv50(消費MP170)HP500/MP500 クインビー(雌)

 使用魔法 ヒールLv0(MP消費5) 現在のコロニー キングビー72匹


 やったよ! これで私もヒールが使えるようになる。

 早速さっそくハニーからヒールを掛けてもらうと、無事ステータスに光魔法のヒールが表示された。

 転移者組も全員ヒールが習得可能になったので、しずくちゃんとシュウゲンさんとかなで伯父さん以外は、怪我をしても自分で治療が可能になる。

 これでダンジョン攻略中の安全性が増すだろう。


「お父さん。ハニーがヒールを使用可能になったから、皆に覚えてもらおう!」


「何だって? 従魔が新しく魔法を覚えたのか!?」


「うん。テイム魔法のLvが上がって、新しく魔法の習得が出来るようになったの。シルバー達は浮遊魔法を習得したから、ハニーにはヒールを覚えてもらうようお願いしたんだよ~」


「まっ、まさかキングビー達も使用可能なんて言わないよな?」


 うん? それは確認していなかった。


「ハニーに聞いてみるよ!」


 父から聞かれた事をハニーに確認すると、キングビー達もヒールを覚えたらしい。


「キングビーも使用出来るって~」


「斥候と治療部隊が……」


 そう呟き父が固まってしまった。

 あぁ、確かに飛んで怪我人のもとへいける治療部隊の出来上がりだ。

 でもまずは、この場にいる父とセイさんに覚えてもらおう。

 ハニーにヒールを掛けてくれるようお願いし、2人が習得したのをステータスで確認する。


「こんな簡単に光魔法が習得出来るなんて夢みたいです……」


 セイさんが、ステータスを見ながら茫然ぼうぜんとしていた。

 冒険者には治癒術師が大人気だからね。 

 その後、地下16階で果物採取をし約束していた地下28階へ移動。

 私は安全地帯から久し振りに湖の魔物を獲り、大量の帆立ほたて貝とあわびにホクホク顔だ。

 地下28階に出現するリザードマンをセイさんが全滅させるまで、浮遊魔法を使用したシルバーに騎乗し楽しんでいた。

 あれから練習したのか高さは10cmから20cmになっている。

 浮遊魔法のLvが2にならないと、次が30cmか60cmか分からないなぁ。


 3時間後、安全地帯に戻ってきたセイさんはガッカリと肩を落としていた。

 残念ながら、ターンラカネリの槍は入手出来なかったようだ。

 まぁ、あれはレア武器だからそう簡単には見付からないだろう。

 ハニーをアイテムBOXに収納し、地下15階の安全地帯へ戻りテントからホームに帰る。

 メンバーへハニーがヒールを覚えた事を話し、母といつきおじさんにヒールを習得してもらった。

 雫ちゃんがうらやましそうにしてたけど、転生組は魔物から魔法を覚えられないんだよね。

 ただ治癒術師としての活動は流石さすがまずいため、ヒールを新たに覚えた私達はダンジョン内での治療はしない方がいい。


 光魔法をどう習得したのか聞かれても答えられないし。

 でもそうなると、ヒールのLv上げはどうやってしよう?

 怪我の治療以外となると、ポーションに掛けるくらいしか思い付かないけど……。

 かといって薬師ギルドに行くのは問題外だ。

 う~ん、何か上手いLv上げの方法を考える必要がありそう。


 実家で母の作った昼食を食べ、シュウゲンさんを連れ摩天楼まてんろうのダンジョンへ移動し、私とかなで伯父さんは再び迷宮都市地下15階へ戻った。

 ヒールLvを上げるため、少し考えた方法を試してみよう。

 ポーションの回復量を上げる効果があるのなら、その原料である癒し草に直接掛けても同じだよね?

 そう思い発見した癒し草にヒールを掛けると、変化が現れ紫色の花を咲かせた。

 へぇ~、癒し草は花が咲くんだ。

 私が思わぬ効果に感心していると、隣で奏伯父さんが唖然あぜんとなっている。

 

「馬鹿な……、エリクサーの原料じゃないか!」


 伯父さんは、薬師ギルドが秘匿ひとくしているエリクサーの原料を知っているの?

 どうやら私は、また秘密にしなければいけない事が増えたらしい。

 ヒールのLv上げは、とんでもない結果に終わったのだった。

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