【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第598話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ18(摩天楼のダンジョン30階)&新しい店の契約

公開日時: 2023年11月8日(水) 12:05
更新日時: 2024年6月26日(水) 15:36
文字数:1,858

 月曜日。

 今日から5日間またダンジョン攻略。

 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。

 兄&フォレストと別れ、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。

 安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。

 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。


 午前中は、いつもの薬草採取と地下16階の果物採取。

 午後からは、セイさんと一緒に摩天楼まてんろうのダンジョン30階を攻略する。

 宝箱の出現まで後16日だ。

 父達はいつも通り、安全地帯から出て魔物を狩ってもらおう。

 私はマジックテント内で椅子に座りながら討伐をする。

 マッピングで魔物を発見し、脳を石化しアイテムBOXに収納する事を繰り返す。

 たまに2人の様子を見ながら、怪我をしていないか確認している。

 何本か兄がエクス・・・ポーションへヒールを掛けてくれたので、大抵の怪我は治療出来るだろう。

 

 多分『MAXポーション』より効能は高いと思う。

 それでも失った部分の再生は出来ないけど……。

 欠損部分が残っていれば、接続するのは可能かも知れない。

 30階に出現する魔物で珍しいのは、体長4mある角まで白い大きな鹿と雷鳥のような姿をした鳥だ。

 角と羽毛は換金額が高いと予想出来る。

 実際、換金出来るのは数年先なのでお金にならず残念。

 まぁアイテムBOXに入れておけば、腐らないから大丈夫よ!


 2人は上手く連携し、魔物を倒していた。

 剣を使用する父と魔法を使うセイさんは、お互い接近戦と遠距離から集団で現れる魔物にも対応が可能らしい。

 知らない間に、ポチが父の右肩に止まっていた。

 迷宮都市から摩天楼のダンジョンまで毎週父に会いにくる程、懐いている。

 ガーグ老の従魔だけど……。


 3時間後。

 セイさんにマジックテントで待ってもらい、私と父は迷宮都市のダンジョン地下15階へ移転する。

 安全地帯のテント前に怪我人の姿はなかった。

 『MAXポーション』の販売開始から3週間。

 重傷な怪我が治療出来るようになり、兄達の出番も減ったようだ。

 治癒術師がいるパーティーは少ないから、冒険者達は必ず『MAXポーション』を購入している。

 薬師ギルドは『毒消しポーション』と『MAXポーション』の販売で売上が増加したのか、受付嬢は私達がいくと非常に丁寧な対応をしてくれるようになった。

 VIP扱いの場所が増え、私は落ち着かない。


 テント内からホームに戻り各自休憩を済ませたら、再び攻略開始。

 摩天楼のダンジョン30階へ移動し、私はテント内で稽古のお礼と妖精さんのお供え物であるショートブレッドを作る。

 ガーグ老達は、このお菓子が大好きみたいだ。

 渡すと大感激してくれる。

 最近、仕事が忙しく疲れているようなので甘い物が欲しいのだろうか?

 妖精さんからも大人気で、お礼が書かれた羊皮紙には次回もショートブレッドをと希望される。

 子供達の誘拐騒ぎがあり商業ギルドへいけなかったので、今週の土曜日は兄と店舗を契約する予定。


 大量に作りオーブン代わりのファイアーボールを使用し焼き始めると、テント内へ甘い匂いが充満する。

 お菓子作りは、この匂いがいいのよね~。

 2人が戻ってくる頃には、本日の分を全て焼き上げアイテムBOXへ収納した後だった。

 匂いに気付いたセイさんから、何を作っていたのか聞かれたのでショートブレッドを渡してあげる。


「沙良さん。これは、冒険者に売れますよ!」


 食べた感想を聞き、子供達の仕事になると確信した。

 ダンジョン内で長期間同じ食事を食べ続ける冒険者には、人気商品となるだろう。

 その週の土曜日。

 奏屋かなでやへ果物を卸した後で、商業ギルドのカマラさんに新しい店舗を紹介してもらった。

 飲食店ではなく販売するだけのお店なので、店内は広くなくてもよい。


 冒険者ギルドに近い大通りに面した店を契約し日曜日の炊き出し時、お菓子を作る店の従業員をつのった。

 人数は30人。

 既に冒険者をしている女の子が多い。

 来週の土曜日、作り方を教える事にしよう。

 子供達へバナナを渡して見送ると、ガーグ老の工房へ移動する。

 そろそろダンジョンで槍を使用し討伐してもいいいか確認してみよう。

 稽古が始まると同時にガーグ老へ聞いた。


「槍術Lv上げのため、魔物を倒しても良いですか?」


「サラ……ちゃんは、地下15階を攻略中だったの。地下1階の魔物なら問題ないぞ」


 おおっ!

 やっと許可が出た!

 これは槍術無双むそうの第一歩になる。

 Lvが上がれば、私も華麗かれいに倒せるだろう。

 その日の稽古に、かなり熱が入った事は言うまでもない。

 月曜日が楽しみだ。

 夢が広がるな~。

 やっぱり竜騎士の武器は槍よね!

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