【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第618話 迷宮都市 地下15階 秘密のLv上げ24(摩天楼のダンジョン30階)&従魔用アイテム

公開日時: 2023年11月28日(火) 12:05
更新日時: 2024年3月20日(水) 13:47
文字数:1,932

 迷宮都市ダンジョン地下15階の安全地帯へ移動し、テントからホーム内に戻ってくる。

 宝箱の中身に納得いかない私は少し不機嫌だった。

 すると兄が近付いてきて、私の頬を軽くまむ。


「沙良。何を怒っているんだ? 怖い顔になってるぞ?」


「ゔ~少しイライラしてるだけだよ」


「そうか? 理由は分からんが、皆が心配するから早く機嫌を直せ。可愛い顔が台無しだ」


 兄はそう言って、頬から手を外しなだめるように頭をポンポンとたたいた。

 リーダーの私が不機嫌な顔をしていたら、パーティーの士気が下がるわよね。

 宝箱の件は4人しか知らないので、不審に思われないようにしないと……。

 その後、表情をつくろい再びテント内へ移動。

 2パーティーに分かれ3回目の攻略を開始する。


 気分を変えるため直ぐに摩天楼まてんろうのダンジョンへはいかず、地下1階の魔物を槍で倒そう。

 突進してくるファングボアに対し、ターンラカネリの槍を取り出し投げつける。

 槍はファングボアにかすりもせず、迷路状の壁に刺さった……。

 いっ、いつか投擲とうてき術を習得出来れば当たるはず

 直ぐに短槍で仕留め、戻ってきた槍をつかむ。

 その後、何度も投げてみたけど魔物には刺さらない。

 そばで見ていた父とかなで伯父さんに笑われてしまった。

 誰だって、最初はこんなものだよ!

 2人共、笑うなんてひどい! 


 ガーグ老から、槍術Lv5になれば地下5階の魔物を倒しても良いと言われている。

 早くLvを上げたいので今週はなるべく地下1階を攻略しよう。

 戻らないとセイさんが心配するといけないから、1時間ほど魔物を倒した後で摩天楼のダンジョンへ。

 テント内にいるセイさんへ遅くなったのを謝り、宝箱の中身を取り出しアイテムBOXへ収納しようとした所で、もう一つ入っているのに気付いた。

 金の指輪……?

 宝箱には、パーティー人数分だけしか入っていないはずなのに誰の分だろう?

 指輪を取り出し、性能を父に鑑定してもらうと従魔用のアイテムだった。

 首輪と同じで大きさは自在に変化するらしい。

 めると速度2倍の効果がある。


 私の従魔は、シルバー、泰雅たいが黄金こがねがいるけど黄金こがねはまだ最近テイムしたばかり。

 シルバーと泰雅たいが用なら、2個なければおかしい。

 となると、これはポチ用かしら?

 父の肩に乗り、いつも一緒に攻略しているからパーティーメンバーとみなされたのだろうか?

 従魔用のアイテムが一番良い物のような気がする。

 でも摩天楼のダンジョンを攻略している件はガーグ老へ話せないから、ポチへ指輪をめる訳にはいかないだろうな……。


 勿体もったいないから、シルバーに付けておこう。

 シルバーの右足を持ち上げ指輪を近付けると、見る見るうちに大きさが変化し足首に装着された。

 これは錬金術で作られた物?

 シルバーは従魔用のアイテムを嵌められても嫌がらず、尻尾を振りご機嫌な様子だ。

 ポチには悪いけど、有効活用させてもらうわね。

 シルバーに乗ったセイさんの討伐の様子をテント内から見てみると、いつもよりシルバーの動きが速い。

 これ……私を乗せた時は、速度制限されるから意味ないかも?

 きっと私と一緒の時は、こんなに速く動いてはくれないだろう。

 

 宝箱がハズレだったため、さっさと階層を上がろうと父へ提案したら、もう一度だけ宝箱を待ってみようと言われた。

 こればっかりは運だから、次は良い物が当たる可能性も否定出来ず30階を後30日だけ攻略する事に決める。

 次もハズレだったら、ダンジョンマスターに突撃しようとひそかに思ったのは内緒だ。

 誰だか知らないけど男性なのは間違いない。

 またビキニだったら一発殴ってやる!


 テント内で暇な奏伯父さんは、料理を作っている私を見ながら異世界の話を教えてくれた。

 伯父さんが宝箱を開けた時は、マジックバッグ100㎥が入っていたそうだ。

 ちなみに魔道具屋では金貨1,350枚(13億5千万円)で売っていると聞き、唖然あぜんとなる。

 高っ!!

 摩天楼のダンジョンを攻略出来るのはA級冒険者以上だけど、それにしても高額過ぎる。

 俺はラッキーだったなと笑っていた。

 マジックバッグは誰が作っているのか尋ねると、空間魔法持ちの人間だと言う。

 ただし、それは国が厳重に秘匿ひとくしているので詳細は分からないらしい。

 

 どうやら重要な魔法を使用出来る人間は、国に保護されているようだ。

 薬師ギルドのように、錬金術ギルドや従魔ギルドの存在もない。

 地球からダンジョンマスターとして召喚されている人間がいるのも、知らなかったと言う。

 異世界ではダンジョンマスターを見た人がいないのかな?

 旭はリースナーのダンジョン地下10階にいたけど、普通はもっと大型ダンジョンに召喚されるんだろうか?

 カルドサリ王国内にある大型ダンジョンは、全て攻略されていないものばかり。

 最終階層にいるダンジョンマスターの姿を、見た事がある冒険者がいないのも当然か……。

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