【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第608話 迷宮都市 地下15階 結婚式の打ち合わせ&地下1階 槍術のLv上げ

公開日時: 2023年11月18日(土) 12:05
更新日時: 2024年3月11日(月) 12:05
文字数:1,941

 2人には安全地帯から出て魔物を倒してもらい、私は今日もテント内から楽ちん討伐だ。

 3回目の攻略を終え、再び迷宮都市のダンジョン地下15階へ移動する。

 夕食の準備をしていると、アマンダさんがかなで伯父さんと何かを話していた。

 2人は貴族同士面識があるのか、奏伯父さんはアマンダさんがC級冒険者の頃を知っているらしい。

 2パーティーとも、今日は『お好み焼き』のようだ。

 私はミノタウロスの肉を薄切りにし、『すき焼き』の材料を切っていく。

 安全地帯からソースのげる匂いと醤油のこうばしい香りがただよう頃、奏伯父さんが話を終え戻ってきた。


「最近の冒険者は良い物を食べてるな~。俺の時代は、スープとパンにステーキが定番だったぞ?」


「それは今も変わらないみたいです。仲の良いパーティーへ料理方法を教えていますし、調味料も内緒に売ってるんですよ~」


「だよなぁ。そんな急にメニューが変わる訳ないか。ダンジョン内で『すき焼き』が食べれるとは思わなかった……」


 そう言いながら奏伯父さんは生卵を溶き、早速さっそく火が入った肉を取り出し食べている。


「ミノタウロスの肉は久し振りだなぁ。冒険者の頃は、よく食べたもんだ」


 それは多分、塩と胡椒こしょうだけのステーキかしら?

 お肉好きな人は、それで充分美味しく食べられるだろう。

 私はステーキソース派だけどね。


「サラちゃん。そろそろ、結婚式の打ち合わせをしよう。うちのクランは全員参加だよ。襲撃に備え武器の帯剣も許可してほしい」


 アマンダさんから結婚式について話をされる。


「はい。結婚式には、必ず敵が動きます。横槍が入ると予想していますから、武装は必須ですね。この機会に、少しでも多く敵の勢力をぎたいと思います。結婚相手は元騎士をしていた人なので、こちらも全員武器を帯剣してますよ」


「俺の所も、クラン全員参加になった。親父が、サラちゃんの結婚式に出たいそうだ」


 ダンクさんのクランも全員参加らしい。

 おおっ、これはかなりの大所帯になりそう。

 今から料理を作っておかないと、間に合わないかも知れないな。

 結婚式には何があるか分からないため、子供達や店の従業員は不参加だ。

 参加者全員がB級冒険者&元騎士で構成されている。

 怪我の治療に必要な、『MAXポーション』を沢山用意しておこう。


 今回の偽装結婚は相手へ私が結婚している事を伝えるのと、あきらめさせる狙いがあった。

 盛大に挙げる心算つもりなので、既に冒険者達から情報が拡散され相手の知る所となっているはず

 場所は異世界の家で高い塀がある。

 中にいる人間が全員武装し待ち構えているとは思わないだろう。

 出来れば、襲撃者は多い程よい。

 労力に合わないと思わせたいからね。


 10mの塀を乗り越えた先に待っているのは、200人を超す戦闘集団。

 敵の狙いは夫役のガーグ老だ。

 奏伯父さんや父もいるし、魔法特化の兄達もいる。

 負ける要素がない。

 アマンダさんは、「結婚式が楽しみだねぇ」と配った桃を食べながら不敵な笑みを浮かべた。

 父は「いつきが大暴れしそうだ」と苦笑している。

 その頃、樹おじさんは召喚したばかりでLvが低いから心配なんだけど?


 翌日、火曜日。

 母の妊娠と奏伯父さんのパーティー加入で、すっかり忘れていた槍術のLv上げをしよう。

 午前中の薬草&果物採取を中止し、父と地下1階へ移動。

 ガーグ老から教わった槍術の基本、突きでスライムを倒しステータスを確認する。


 槍術 Lv0


 やっと槍術を習得出来た!

 ふふっ、これが無双の始まりよ~。

 突進してくるファングボアをかわし、すれ違いざまに首筋をぎ払う。

 おっ、いい感じじゃないかしら?

 頸動脈けいどうみゃくを切られたファングボアは、横倒しになり絶命した。

 血抜き処理も出来たので、アイテムBOXへ収納する。


 次はリザードマンだ。

 二足歩行の素早い敵に、シルバーへ騎乗しこちらから接近する。

 接触のタイミングを合わせ、首を突く。

 槍の稽古を見ていたシルバーとの連携もバッチリ決まる。

 仕留めたリザードマンをアイテムBOXに収納し、後ろで見ていた父のもとへニコニコしながら戻った。

 

「お父さん、見てくれた? 私、槍術の才能があるかも? これは竜騎士も夢じゃないよね!」


「竜なら……。いや、きっとなれるだろう。王都の武器屋で注文した槍が楽しみだな」


「うん! 地下1階の魔物で、Lvは幾つまであがるかな~」


 私は午前中一杯、槍を使用して魔物を倒した。

 槍術Lvは1。

 敵のLvが低いから、3時間ならこんなものか……。

 地下15階へ戻り、嬉しくて兄に槍術Lvが1になった報告をする。


「良かったな」


 と言い、頭をでられてしまった。

 パーティーメンバー全員に、微笑ましい目で見られたのは何故なぜなのか……。

 その内、私の華麗な槍術をお披露目ひろめしよう。

 ターンラカネリの槍も、投擲とうてき出来るよう練習しなくちゃね。

 槍の名手となり、その名をとどろかせてやるわ!

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