【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第222話 椎名 賢也 39 ダンジョン 地下6階 カーバンクルの宝石 2

公開日時: 2023年2月11日(土) 13:40
更新日時: 2023年7月15日(土) 16:05
文字数:2,042

 オーガメイジ体長5mはボール系の魔法を使用してきたので、魔法を受ける事なく沙良が倒した。


 ハイオーガ体長7m……。


 おいっ!


 ダンジョンの高さが足りなくて、首が曲がっているぞ!?

 なんでダンジョンに合わない魔物が出現するんだ??


 ダンジョンの設計ミスなのか、魔物の設定ミスなのか……。


 動きづらそうにしている所を沙良が瞬殺していた。

 

 最後はアイアンゴーレム体長3mだ。

 この魔物は沙良では倒せないので、俺がゴーレムの首をライトボールで切り落とす。

 素材を無駄にしない様に倒すには脳の神経回路を切断すればいい。


 転がった首に沙良が驚いていた。

 あぁ悪い、一言ひとこと言っておけばよかったな。


 安全地帯に到着後、マジックテントを設置。

 テントの中に入ってホームの自宅でトイレ&休憩。


 ここもクランの配送を請け負うパーティーが5組いるだけだったので、冒険者とは接触しない事にする。


 5日後。

 冒険者ギルドで換金だ。


 オーガ50匹 銀貨850枚

 オーガメイジ40匹 銀貨800枚

 ハイオーガ30匹 銀貨750枚

 アイアンゴーレム50体 銀貨750枚

 カーバンクル30匹 銀貨600枚、その他色々。


 5日間で4千万円を超えた。

 月収で1億6千万円。

 年収で19億2千万円にもなる。


 これには笑いが止まらない。


 俺は守銭奴じゃないが、貯金をするのは好きだ。

 金は全て沙良が管理しているので自分の稼いだ実際の金額は不明だが、かなりの大金持ちだろう。


 大富豪と言っても過言かごんじゃない。


 しかし悲しい事に、これだけ稼いでいても俺の小遣いは月に3,000円だった。

 異世界のお金は沙良に全て渡してもいいから、日本円が欲しい……。


 換金後、沙良にどうしてもトイレが我慢出来ないと言って隣接された飲食店で待っていてもらう。


 その間に急いで解体場に行き、顔見知りの親父に今回換金したカーバンクルの宝石のみを換金しないで引き取る事を伝えた。

 また、引き取った事は沙良には内緒にしてほしい事もお願いしておく。


 解体場の親父が装飾にするなら腕の良い宝石店を紹介すると言ってくれたので、一応店の名前を聞いておいた。

 店に行って自分の名前(サム)を出せば、融通がくとの事だ。


 宝石部分は自分で加工する心算つもりでいるが、ネックレスのチェーンやペンダントトップは本職に任せた方がいいだろう。


 既に精算が済んでいるので換金額から引く事は出来ず、1個銀貨10枚(10万円)で5個引き取った。

 カーバンクルの宝石は一体ずつ色が違っていたので、その中から赤・青・緑・黄色・無色を選ぶ。


 金貨1枚(100万円)を以前記念に取っておいて良かった。

 釣りの銀貨50枚を受け取って、沙良が待つ飲食店に戻る。


 常に一緒に行動していると、こういう時に別行動が出来なくて大変だ。

 沙良は何の疑問も抱いておらず、トイレから帰ってきた俺に向かってお腹は大丈夫か心配してくれた。


 いつの間に俺は腹を壊した事になっているんだ?

 まぁその勘違いを今回は利用させてもらうが……。


 その日の夕食。


 沙良が作ったメニューは消化に良いなべ焼きうどんだった。

 心配してくれるのは大変嬉しいが、実際食事をするのに何も問題無い俺には少々物足りない内容だ。

 

 食べ盛りの体にはもう少しタンパク質が必要なので、泣く泣くお小遣いから身銭を切ってスーパーに行き、本日の広告品鶏むね肉100g54円を2枚購入。


 塩・胡椒した後にフライパンで焼いて食べる。


 一応沙良が料理をしない俺の部屋にも、料理道具一式を置いてくれていたので助かった。

 出来れば調味料もそろえてくれたらよかったんだが、贅沢は言えない。


 お腹を壊していると勘違いしている妹に、もっと食べたいとは言えないからな。


 日曜日。

 今日は本屋に、宝石のデザインやカットの方法が載っている本を探しに行こう。

 いつも通っている本屋ではなく、専門書がそろった百貨店にある大型店舗に向かう。


 駐車場からSUVに乗って市内にある百貨店に行く途中、いつもは混んでいる道が空いている事にホーム内は本当に別世界なんだと今更ながら実感する。


 百貨店の近くに路上駐車しても違反切符を切られる事はない。

 誰も居ないのに駐車場に停める必要はないだろう。


 久し振りに百貨店に来たが、店内の店がいくつか変わっている。

 お金が無いので見て回る事もせず本屋に直行だ。


 本屋の検索機から宝石に関する本の案内図を印刷して、その場所に行って探すと何冊か良さそうな物を見付ける事が出来た。


 こういう本は高いので、俺はスマホで写真をいくつか撮って保存する。


 あぁなんて貧乏くさい行動なんだろう。

 節約生活が身に染みる……。


 目的を済ませ百貨店から出る道中、目に毒な百貨店の飲食店をながめながらお金があればと何度思った事か。


 『手紙の人』よ、本当に日本円を稼ぐ方法はないのか!?


 俺は自分に無縁だった所為せいで、異世界の純金で出来た金貨を換金する方法を思い付く事が出来なかった。

 

 その事に気付くのは沙良に借金の申し込みをして、随分ずいぶん経ってから……。


 しかもそれを指摘したのが、この後に再会する親友の旭からとはショックでかなり落ち込むのであった。

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