【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第292話 迷宮都市 地下14階 迷宮都市のギルドマスター&S級冒険者のセイさん

公開日時: 2023年3月18日(土) 18:05
文字数:2,109

 2パーティーは『鰻の蒲焼』と『肝焼き』を食べ終わると自分達の食事を始めた。

 

 アマンダさんのパーティーは、『キッシュ』・ミノタウロスの肉を使用した『ハンバーガー』・『フライドポテト』・『トマトスープ』。

 ダンクさんのパーティーは、『フレンチトースト』・『チーズフォンデュ』・『ミノタウロスのステーキ』・『トマトスープ』。


 私は気になっていた事を忘れない内に、アマンダさんへ質問する事にする。


「アマンダさん。迷宮都市のギルドマスターに初めて会ったんですけど、随分ずいぶん若い方ですよね。もしかしてエルフだったりしますか?」


「おや? サラちゃんは知らなかったのかい? ギルドマスターはハーフエルフだよ。あのお綺麗な顔を見ただけで、人間じゃないと分かりそうなもんだけど……。サラちゃん自身が美人だと分からないのかねぇ~」


 やっぱり!

 人間じゃなかったんだ!


 ハーフエルフという事は、人間とエルフでも子供が作れるのか……。

 若く見えるけど、実際の年齢は幾つなんだろう?


「じゃあギルドマスターは、見た目通りの年齢じゃないんですね。何歳くらいなんですか?」


「サラちゃん。この迷宮都市で、ギルドマスターの年齢を知っている人間はいないと思っていい」


 おっと、どうやら聞いてはいけないらしい。


「了解しました。女性に年齢を聞くのはタブーですもの」


「まぁ知らない方がいい事が世の中にはあるって事だね」


 これは100歳超えてるっぽいな。

 しかしアマンダさんは顔を見ただけで分かると言っていたけど、私は判断出来なかった。


 これはハーフエルフだからなのかな?

 エルフだと超絶美形になるんだろうか……。


 異世界にきて初めて人間じゃないハーフエルフの人を見たけど、なんか綺麗な人で終わってしまった。


 もう少し驚きが欲しかったよ!


 ついでに他にも他種族がいるか聞いてみよう。


「迷宮都市に人間以外の方はいますか?」


「私の知る限りじゃ、副ギルドマスターが獣人とのハーフらしい事くらいかね~。そもそもカルドサリ王国は人族の国だから、他種族と交易はしていないんだよ。現王が他種族嫌いで有名だからさ。サラちゃんは、エルフや獣人に興味があるのかい?」


「一度も見たことがないので興味はあります。獣人の方には耳や尻尾が付いているのか、獣姿に変身出来るのかとか~」


「いくら獣人でも獣に変身は出来ないよ! 耳や尻尾はあると聞いた事があったけどね」


 なんだ変身出来ないのか~残念。

 もし会う機会があったらシルバー達の前で変身してもらって、人化の参考にする心算つもりだったのに……。


 それにしてもヤクザのお爺さんは、獣人とのハーフらしい。

 年齢の割に非常に体格が良かったから、熊人?


 まさかリスとかではないと信じたい……。

 

 見た目じゃ判断が付かないなぁ。

 獣人とのハーフは尻尾や耳は付いてないみたい。

 これは人間の血が強く出た場合なのかしら?

 

 あの強面こわもてのお爺さんに、何の獣人か聞くのはかなり度胸が必要だ。

 アマンダさんが言及げんきゅうしなかったって事は、多分対外的に知られていないんだろう。


 う~ん、気になる。

 獣人さんはどれくらいの系統がいるのかな?

 鳥人は羽根があって空を飛べたり出来る?


 いつか獣人の国に行ってみたいなぁ~。

 早くシルバーがドラゴンになってくれるといいけど……。


 後、知っているか分からないけど最後にもう1件聞いておこう。


「迷宮都市に、B級冒険者のセイ・・って男性はいますか?」


「セイ? 私は知らない名前だね。ダンクあんたは知っているかい?」


「B級冒険者のセイってやつは知らないなぁ。確か同じ名前のS級冒険者がいるが、その人は迷宮都市じゃなくて100階層はあるって言われている摩天楼まてんろうの塔のダンジョンを攻略中のはずだ」


「その人は、黒髪で黒目の容姿ですか?」


「あぁ、黒炎こくえんの二つ名で有名だから間違いない。火魔法を得意としている魔法使いだ」


 これはもしかすると、日本人のセイ・・さんかも知れない!

 駄目元で聞いてみて良かった。

 思わぬ所で情報が手に入りそう。


「摩天楼のダンジョンは何処どこにあるんでしょう?」


「リザルト領から、南へ1ケ月以上離れた距離にあるグッテン領だ。あのダンジョンはA級冒険者の資格がないと入れないぞ?」

 

 せっかくセイさんが生きている情報をつかんだのに、A級じゃないとダンジョンには入れないとか……。

 B級へ上がったばかりの私達には難しい。


「ちなみにA級冒険者になるための、スキップ制度を知っていますか?」


「あ~確かSS級の冒険者に、1週間ダンジョン攻略を見てもらう事だったと思うが……。SS級の冒険者は1日の依頼料が金貨30枚かかるから、1週間依頼を出すと金貨210枚(2億1千万円)必要だ。それより10年実績を積んで、S級冒険者に討伐依頼の合格判定を金貨10枚(1千万円)で出してもらった方がいいから、スキップ制度は実質使用された事はないんじゃないか?」 


「なんだいサラちゃん、A級冒険者に早くなりたいのかい? 迷宮都市にSS級冒険者はいないから無理だよ」


 アマンダさんがSS級冒険者はいない事を教えてくれる。

 う~んSS級冒険者の事より、1週間ダンジョン攻略を共にする必要がある部分が引っかかる。

 

 まぁセイさんを探しに行くだけなら、ダンジョンに入れなくても問題ないだろう。

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