【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第258話 迷宮都市 地下14階 迷宮タイガーのテイム 1

公開日時: 2023年3月1日(水) 18:17
更新日時: 2023年8月5日(土) 16:17
文字数:2,389

 翌日朝9時。

 2日目の攻略を開始する。


 兄を地下11階に送り届けたら、私は地下13階にいるハニーを迎えに行く。

 ハニーを連れて地下14階で薬草採取&果物の収穫だ。

 旭は川の方に行き、迷宮ウナギを狩ってくると言っていた。


 全員が単独行動をするので、本当にパーティーの意味が全然ないよ。

 私はハニーと一緒にいるから、正確には単独ではないけれど……。


 ここのキングビーは、ハニーがいたら襲ってこないのかな?

 ハニービーからクインビーに進化中なので、種類の違う魔物になるのかしら?


 キウイフルーツの収穫をしにトレントの森に行く途中、ハニーが早速さっそく魔力草を見付けて教えてくれた。

 冒険者達は薬草採取をしないので全て私が頂きます。


 昨日、丸裸にした森は1日経過して元に戻っていた。

 原状復帰が1日サイクルで助かった。


 突然消失したトレントの森に地下14階の冒険者達がざわめき立っていたけど、幸いな事に犯人捜しもされず朝になったら鎮火ちんかしていた。


 きっとトレントの森が復活していたからだろう。

 今後は、丸裸にはしない方が賢明だ。


 アイテムBOX内に山とある在庫を換金するにも、時間が掛かりそうだしね。

 またマジックバック30㎥(金貨410枚・4億1千万円)を購入するか……。


 トレントの森付近にはフォレストウサギが2匹いた。

 1匹はハニーが上空から針で麻痺状態にし、もう1匹は私がドレインで昏倒させる。

 

 パーティーの連携も上々だ。

 いつものように槍で刺し収納。


 体長1mもあるフォレストウサギの肉が、ファングボアより高いと聞いて少し味が気になった。

 魔物に旬はないだろうから、常に脂が乗っている状態なんだろうか?

 

 後、緑色の毛皮もちょっと欲しい。

 ラビットファーは肌の当たりが優しいのでマフラーとして最適だし、普段使いのマントの端に全て付けたら可愛いと思う。


 マントには何故なぜかフードが付いてなかったので、この仕様も華蘭からんに伝えて注文してみようかな?

 フードの端にひもを通してめるようにすれば、寒さも大分やわらぐと思う。 


 キラープラントが襲ってきたのでつるを伸ばされる前に昏倒させたら、ハニーが止めを刺してくれた。


 今の所、キングビーの集団は周囲に見当たらない。

 これはハニーがいるお陰かな?

 

 クインビーの蜜袋が欲しいので、少し残念だ。


 キウイフルーツの生っている木を発見。

 まずは収穫しやすいようにトレントを瞬殺する。

 5日間でトレントの山が出来そうだ。


 10本の木に生っているキウイフルーツを全て収穫。


 そして2匹居る迷宮タイガーを見付ける。

 トレントを瞬殺しながら、迷宮タイガーの下に行き脳を石化させて狩りは終了。


 兄が楽しみにしているマンゴーは、やはりランダムで生るようで今日はトレントの森の中にはなかった。

 何処どこにあるのかマッピングで調べると、川沿いの木に生っている。


 付近には迷宮ウナギがいるから、収穫するにはハードルが高い場所に生っているみたいだ。


 昨日はトレントの森を消してしまったので、毎日違う場所に生るのは都合がいい。

 そんなにトレントばかり換金出来ないしね~。


 これは以前いたダンジョンマスターの意向なのかな?

 段々、果物の収穫難易度が上がっている気がする。


 マンゴーなんて地上から10mの高さに生っているから、冒険者には見付けられないんじゃないかしら。 

 

 旭と合流するので一旦いったんハニーとはここでお別れする。


 またね、ハニー。

 冒険者に見付からないよう、上空で待機していてね。


 ハニーと別れ旭の下へ駆け出していく。

 マッピングで様子を見ると、旭は既に迷宮ウナギを狩り終えたのか川から離れて薬草採取をしている。


 きっと手にしているのは魔力草・・・だろう。


 旭の下に行く途中で集団のキングビーを発見。

 やっぱりハニーが近くにいると寄ってこないのかも知れない。


 クインビーの蜜袋が欲しいので、8匹を昏倒させ槍で突き刺し収納。

 クインビーを見付けて瞬殺する。


 地下14階は魔石取りが必要な魔物がキングビーしかいないので、魔石取りの練習は出来ないなぁ。


 これは旭に頼もう。


 旭と合流したら安全地帯に戻って昼食だ。

 兄は地下12階にいたので迎えに行く。


 3人で安全地帯に行き自宅に戻った。

 今日のお弁当は、唐揚げ・少量のナポリタン・ツナ入り卵焼き・アスパラのベーコン巻きだ。

 

 唐揚げは揚げたてを収納したので、熱々の状態で別の皿に出す。

 切ったレモンをしぼって掛けるとさっぱりして食べやすい。

 旭はケチャップ派だったので、小皿にケチャップを入れて置いた。


「お兄ちゃん、マンゴーはやっぱりランダムに生るみたいだよ」


「じゃあ今日は、トレントの森になかったって事か?」


「うん。場所は探す楽しみがなくなるから言わないけど、違う所にあった」


「森のダンジョンは面白い。他にどんな果物が生っているのか楽しみだな」


「私が欲しいのは、メロン・サクランボ・イチジク・苺・グレープフルーツ・柿・バナナかなぁ」


「沙良ちゃん、それもうほとんど全部じゃん!」


「果物はどれだけあっても嬉しいの。メロンは赤肉と両方あるかしら?」


「確かにメロンはあるといいな」


 ダンジョンの森に生る果物の話で盛り上がりつつ、食事を終えたら2回目の攻略。

 兄を地下12階に送ったら、旭と2人で地下14階の攻略を続ける。


 内緒にする必要がなくなったので、ハニーが上空から降りてきた。

 旭とは初の顔合わせになるので紹介しておこう。


「ハニー、仲間の旭だよ。間違って攻撃しないでね」


「ハニーって、沙良ちゃんネーミングセンスなさすぎ」


「分かりやすくてよい名前でしょ? でもハニーはクインビーに進化中なんだよね~。シルバーもゴールデンウルフに進化中だし。途中で名前を変えると混乱するから、このまま呼び続けるわ」

 

「じゃあハニー、これからよろしくな!」


 ハニーははねを振動させ返事をしてくれた。

 何気に蜜蜂の複眼が可愛いと思う。


 挨拶が出来て良い子だねと頭をでてあげると、触覚をピコピコと前後にらしてきた。


 おおっ、芸が細かいな!

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