【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第208話 椎名 賢也 25 ダンジョン お好み焼き&男性事情の解決策

公開日時: 2023年2月4日(土) 12:05
更新日時: 2023年3月17日(金) 18:55
文字数:2,704

 土曜日。

 沙良と一緒に教会の炊き出しに行く。


 今回も具沢山のスープとパン2つを子供達全員に食べてもらう事が出来た。


 食べ終わった器を返却しに来た子供達に、アプリコット入りの巾着を沙良が首に掛けてあげている。

 巾着を貰った子供は中身を確認して、とても嬉しそうだ。


 また来週、巾着を持ってきたらアプリコットを入れるので忘れないようにと伝えていた。

 これは俺の仕事になりそうだな。


 教会を出て、露店で来週の材料を購入したらホームの自宅へ移転する。


 明日は完全休養なので俺はジムに行く予定だ。

 

 夕食はホットプレートを出して、お好み焼きを作ると言うので俺は焼く係を担当する。

 沙良は、お好み焼きを上手くひっくり返す事が苦手だからな……。


 何故なぜか半分に折れてしまうのが笑える。

 

 刻んだ材料とお好み焼きの粉を混ぜ合わせた物を沙良がホットプレートの上に丸く広げた後は、各自好きな具材を上に載せていく。


 俺は豚バラオンリー、沙良はイカとコーンを載せている。

 裏が焼きあがるまで、枝豆とビールを飲みながらしばらく待つ事数分。 


 大きなヘラ2つを使いタイミングを合わせて一気にひっくり返すと、綺麗な焼き目がついたお好み焼きが丸い・・状態で見える。 


 沙良は子供の頃から何度やっても、これだけは上達しないのでいつも俺に頼んできた。

 別に運動神経が必要な作業でも無いだろうに……。


 沙良の分も上手くひっくり返してやると、両手を叩いて「お兄ちゃん、上手~!」と褒めてくれる。


 可愛い妹だ。

 こんな事でよいなら、何回でもひっくり返してやるぞ?


 もう一度ひっくり返してお好み焼きソースを塗り、上に鰹節と青のり・マヨネーズを編み目状に掛けたら完成。


 ホットプレートを弱火にして、小さなヘラで一口ずつカットしながら食べるのが旨い!

 これによく冷えたビールを合わせて飲むと最高だ!

 

 沙良は6等分したお好み焼きを、皿に載せてはしを使って食べている。

 猫舌なので、少し冷ました状態で食べているのだろう。


 こう熱々の状態で、はふはふしながら食べるのが美味しいのになぁ~。


 1枚を完食すると2枚目の焼きに入る。

 具材はイカとチーズにした。


 沙良はもうお腹一杯で食べられないけど、もう1枚はアイテムBOXに収納するので焼いてほしいと言う。

 ツナとチーズを載せていた。


 2枚目を完食して自分の部屋に戻る。

 明日行くジムの用意をして、ベッドに横になると直ぐに寝てしまった。


 翌日。

 駐車場に置いてある16台の車の1台を借りて、沙良のホームLv内にあるスポーツジムに行く。


 ここにある車は俺の愛車とは違いすぎて、正直残念な気持ちで一杯だ。

 独身の俺が、ファミリーカーを運転する日が来る事になろうとは……。


 助手席に設置されている、チャイルドシートを見た時は頭がクラクラした。

 ホーム内には俺達しかいないので、当然チャイルドシートは車から全て外して、沙良のアイテムBOXに収納してもらったがな。

 

 16台もあるのに、車のタイプはファミリーカーとSUVと軽自動車だけだった。

 うゔっ、俺の愛車の〇ルシェにはいつ乗る事が出来るんだ!



 以前通っていたホテルにある、会員制のフィットネスクラブは会員証が手元に無い。

 異世界に来てから4年半、俺の会員証はどうなっているのか。

 年間費は自動引き落としにしてあるので、まだ使用出来るといいんだが……。


 沙良のLvが30になって、俺の住んでいたマンションを拠点にする事が出来たら、会員証が有効かどうか確かめないと。


 まだまだ先の話になりそうだ。

 入会金と年間費を合わせて130万円は、流石さすがに払ってくれないだろう。


 そしてホームLvで行ける範囲に無いので、今回行くのは沙良の住んでいる町内にあるスポーツジムだ。

 

 チェーン店のスポーツジムを運転中に見付けたので、場所をチェックしておいたのだ。

 店の中に入ると受付に電子メニューが置かれている。


 メニューを見ると、マシン・ヨガ・プール・ダンス……と細かく分かれていたが、俺がしたいのはマシンだ。


 価格は2時間1,000円とかなり安い。

 電子メニューでマシンを選択して料金を払う。

 これなら、お小遣いの範囲で月1度は通う事が出来るな。


 まずは柔軟を軽くして次はマシンでの走り込みだ。

 時速20Kmに設定して30分走る。


 次は筋トレのマシンにしよう。

 ジムに行かなかった4年半の間に幾つか新しいマシンが増えていたので、ひとつずつ試していく。

 

 最後に念入りに柔軟をした後、スポーツジムを出た。

  

 そして本日のメインイベントは……。

 沙良には内緒の店だ。


 俺もこの手の店には初めて入る。

 噂では、かなり良い品・・・だと聞いていた。


 店内に入ると、さまざまな種類の商品が置いてある。

 高い物は買えないので卵型の1個500円の物を見る。


 6種類あってそれぞれ内容が違うみたいだが、使用するのは初めてなので一番右側にあるタイプを選ぶ。


 無人レジに持っていき料金を払って心なし足早に店を出た。

 別に悪い事をしている訳じゃないんだけどな。


 まぁなんだ、使用目的が多少恥ずかしい物だから仕方無い。

 噂でしか聞いた事が無いし俺には無縁の物だった。


 旭は繰り返し使用できるバージョンの方を持っているらしい。

 最近ではドラッグストアにも商品が置いてあるみたいで、随分ずいぶんと購入しやすくなっているみたいだ。


 ホーム内は無人なので俺は人目を気にせず購入する事が出来た。

 見た目も卵型だし沙良に見られても問題ない。


 今夜早速さっそく、実践してみよう!


 その前に、レンタルビデオ屋に行って先立つ物を借りてこなければ……。


 沙良は確か次はコメディが見たいと言っていたな。

 ダミー用も1本借りよう。


 これで今月のお小遣いは消えた。


 しばらくはコーヒー入りのマイ水筒持参で本屋通いになりそうだ。

 54歳にもなるのに節約が身に染みるなぁ~。



 自宅に戻ると、何処どこに行っていたのか聞かれたのでジムに行ってきたと答えておく。


 帰りに寄り道した店の事は内緒だ。

 嘘は言っていないので大丈夫だろう。

 

 夕食は焼肉定食を希望した。


 枝豆とよく冷えたビールで焼肉をたらふく食べた後は、沙良と借りてきたコメディ映画を一緒に楽しむ。


 もはやダミー用に借りてきている事はバレているが、気にしたら負けだ。


 自分の部屋に戻って、ついに卵型の商品を使用する時が来た。

 

 ドキドキしながら商品を開封しTVを付ける。


 そして――――――――――。

 

 商品開発してくれた人に最大の感謝を贈りたい!


 俺は、何故なぜ今まで知らなかったんだと泣きそうになった。


 流石さすが日本!

 500円で、このクオリティはすごい!


 何の話か分からない人は、縁がない商品なので気にしないで欲しい。

 俺はホーム内に住めて本当に良かったと心の底から思った……。


 そこ、こんな事でとか言わないでくれよな。

 男性には結構切実な問題なんだから。

ポイントを押して下さった方、ブックマークを登録して下さった方、作品を応援して下さった方。

読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。


応援して下さる皆様がいて、大変励みになっています。

これからもよろしくお願いします。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート