【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第659話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) パーティーの連携

公開日時: 2024年1月8日(月) 12:05
更新日時: 2024年4月29日(月) 23:59
文字数:2,154

 ハニー達を移動させたら地下5階へ行き、槍のLv上げを開始。

 今週中にLv10になれば、地下10階までの攻略もガーグ老から許可が下りるだろう。

 そうしたら、地下7階に出現するミノタウロスを相手に出来る。

 美味しい牛肉を沢山狩れるかなぁ~。

 地下5階に出現する魔物は、父とかなで伯父さんやセイさんが警戒する必要もないらしく、3人は会話しながら倒していた。

 魔法を使用すれば私も簡単に狩れるけど、槍を使用しての接近戦はまだ不慣れなためLv上げの最中はかなり気を使う。


 ターンラカネリの槍を投げ投擲とうてき練習すると、狙った方向に槍は飛んでいきダンジョンの壁に刺さり光った後、自動に戻ってきた。

 魔物に当たらないなぁ~。

 ターンラカネリの槍を私が使いこなすのは難しそう。

 自動で戻ってくる武器を見て、セイさんが貸してほしいと言うから渡してあげた。

 皆、このロマン武器を使用してみたいのかな?

 セイさんが受け取った槍をハイオークに対し、ひょいっと投げつけ簡単に仕留める。

 ノーコンなのは私だけなのか……。


「この槍は便利ですね! どこで手に入れたんですか?」


「地下28階のリザードマンが持っていた槍です。でも、レアなのか私も2本しか回収出来なかったんですよ~」


「へぇ~、迷宮都市のダンジョンは地下20階までしか攻略されてないから知りませんでした。私も欲しいなぁ」


「地下28階に送りましょうか?」


「沙良さん、普通は1人でダンジョンを攻略しませんよ」


 そう言ってセイさんが苦笑する。

 兄と旭の3人パーティーだった時は、全員が単独行動していた私には今一ピンとこない。

 怪我を危惧きぐしているんだろうか……。

 SS級冒険者のセイさんなら、1人でダンジョン攻略しても問題なさそうなのに。


「じゃあ、2時間だけ地下28階を4人で攻略しましょう」


「沙良、突然攻略階層を変えるのは色々とまずい。今日じゃなく明日の午前中にしよう」


「何で?」


 マッピングを使用して移動すれば一瞬だ。

 ハニー達の移動もそうしたのに、父は何故なぜか地下28階へこれから行くのは反対らしい。


「あ~、今日は方角が悪い。ひじりも明日の方がいいだろう?」


「えっ、私は別に今からでも……痛っ。いえ、明日にして下さい!!」


 方角って……。

 地下に進むだけだし、セイさんは明らかに父から言わされてる感が半端ないんですけど!?

 思いっきり不審な父の様子が怪しい。

 するとシルバーが私の服を引っ張り、前足で床をタシタシと叩く仕草しぐさをする。

 ここ掘れワンワン? 床の下にお宝があるの?


 私の思いを読み取ったシルバーが首を横に振る。

 地下5階を移動せず、この階層にいてほしい?

 シルバーが上下に首を振ったので意味は合っていたようだ。

 よく分からないけど、父とシルバーから止められたので地下28階の攻略は明日にしよう。

 なんだろう? 明日の方が、レア武器発見の可能性が高いのかしら?


 3時間後、地下15階の安全地帯に戻りテントからホームへ帰る。

 ダンジョン攻略中に、ホーム内の実家で母の作った昼食を食べられると知ったセイさんが大感激していた。

 午後からは、シュウゲンさんを連れ摩天楼まてんろうのダンジョンへ移動。

 飛んできたポチを右肩に乗せた父と兄、旭とセイさんは30階の安全地帯から出て攻略に行き、私と奏伯父さんはテント内で待機しながらのんびりする。

 といっても私はマッピングで索敵した魔物を倒し、アイテムBOXに収納してるんだけどね。

 単独行動をするシュウゲンさんは、洞窟で鉱物採取だ。

 セイさんはこの変則的なパーティー行動を、普通じゃないと言いあきれていた。


 今日は何を作ろうかな。

 楽器の練習をする子供達のおやつに、マドレーヌを焼こう。

 生地を型に流し入れたら、ファイアーボールの出番。

 180度で15分と思えば自動で焼きあがる。

 テント内に甘い匂いが充満した頃、攻略を終えた4人が戻ってきた。

 旭がクンクンと匂いをぎ、


「沙良ちゃん。マドレーヌを焼いたの?」


 と作っていたお菓子を当てる。

 相変わらず食べ物の匂いには敏感だなぁ。


「そうだよ。子供達のおやつ用にね」


「俺も出来立てが食べたい!」


「じゃあ、1個だけだよ」


 前回ドーナツの真ん中を全て取られたのを思い出し、焼き立てでまだ熱いマドレーヌを1個渡した。

 

「ありがとう~」


 甘い物が好きな旭は嬉しそうに食べている。

 後でしずくちゃんにもあげよう。

 特に甘い物が好きじゃない4人はいいか。


 迷宮都市地下15階の安全地帯に戻るとテント前で、雫ちゃんのお母さんが治療をしていた。

 他にも怪我人が待機していたため旭と兄も対応する。

 2人はハイヒールを使用すると、Lv1でもかなり効果があるそうだ。

 3人が治療代を受け取った後、テントからホーム内で休憩し再び攻略に向かう。

 4人の連携が気になり、マッピングで兄達の様子をのぞいてみた。


 セイさんは黄金こがねに騎乗している。

 奏伯父さんの騎獣になっている黄金こがねは、いつもテント内で待機している所為せいか今日は張り切り魔物に突進していく。

 倒した魔物をポシェットに入れ、直ぐに次の獲物を探していた。

 セイさんは黄金こがねに振り回されているみたい。

 黄金こがねは、きっと私への貢ぎ物を狩っているんだろう。


 兄達3人は……、山吹やまぶきが独走状態だ。

 旭は従魔にめられているのかしら?

 兄と父は、フォレストと泰雅たいがを制御しながら討伐している。

 予想以上に、4人パーティーの連携はまったく取れていなかった。

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