【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第560話 迷宮都市 地下15階 地下16階の果物&秘密のLv上げ7(地下30階~地下27階)

公開日時: 2023年9月28日(木) 12:05
更新日時: 2024年1月19日(金) 22:05
文字数:2,400

 月曜日。

 今日から5日間またダンジョン攻略。

 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。

 兄とフォレストを置いて、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。

 安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。

 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。

 

 午前中はいつものルーティンをこなしつつ、地下16階に生る果物を探す。

 先週、兄に聞かれたから直ぐに答えられるようにしておかないとね。

 上空から俯瞰ふかんして見ると、黄色い房を大量に発見。

 その部分を拡大したらバナナだった!

 これは大変栄養価が高い果物だ。

 子供達のお土産に1本ずつ渡してあげよう。

 ずっと、みかんだったから喜ぶに違いない。


 ランダムに生るのは何かな?

 こちらも黄色いけど、この形状は……。

 パイナップルだ!

 私は視界に入ったパイナップルとバナナを、全てアイテムBOXへ回収した。

 少し予想と違っていたけど、地下16階の果物も美味しいだろう。

 夕食のデザートはバナナに決まりだね~。

 チョコが使えたら、チョコバナナが作れるんだけどなぁ。

 

 午後から父と一緒に地下30階へ移動。

 地下30階~地下28階の魔物を父に全滅してもらい、次はいよいよ初となる地下27階の階段を上がる。

 この階層も砂漠らしい。

 まずは魔物分布を調べるため、安全地帯に移動する。


 マッピングで確認すると、出現している魔物は爬虫類はちゅうるい系だった。

 体長2mのエリマキトカゲ、体長3mのコモドオオトカゲ・体長3mのカメレオン・体長3mのカメ・体長4mのワニ。

 いずれも灰色をしている。

 どう考えても、食べるのを遠慮したい魔物だ。

 唯一、ワニだけは食べられるかも?

 鶏肉に近い味なら、コカトリスの肉を食べたいけど……。


 ここは父のLv上げのために、討伐をお願いする。

 先週一週間、相当数の魔物を倒したにもかかわらず、なんだかLvの上がりが遅いのだ。

 地下15階を攻略している母がLv25になったのに、地下30階~地下28階の魔物を毎日全滅させた父がLv30っておかしくない?

 Lv40くらいになってもよさそうなのに……。


 私は安全地帯から動かず、父が倒した魔物をアイテムBOXに収納するだけの簡単作業。

 安全地帯には誰もいないから、椅子とテーブルを出しコーヒーを飲みながらくつろいでいた。

 まだ全滅させていないけど、3時間が経過したため一度地下15階の安全地帯へ戻る。

 テント前には数人の怪我人が待機していた。


 旭とお母さんが治療に対応している。

 迷宮イーグルに上空から襲われたらしい。

 空を飛ぶ魔物は、魔法士がいないと討伐が難しいのだろう。

 接近戦だけで倒す場合、得物えものが届く範囲に魔物が降りてこないとどうしようもない。

 上空からウィンドアローを撃たれたら、回避するのも一苦労だ。

 2人が治療を終えるのを待ち、ホームに戻る。


 15分程、休憩したら3回目の攻略開始。

 再び地下27階へ移動し、父に残っている魔物の全滅をお願いする。

 そして本日最大のメインイベントである湖に移動。

 初めてだから、私が倒そう!

 湖面へサンダーボールを撃ち込むと、水面が真っ赤に染まる。

 おおっ、これは甲殻類で間違いない。


 期待に胸をふくらませていると、沢山の体長1mあるオマール海老と1匹の体長1mの伊勢海老が浮かびあがる。

 伊勢海老の方が希少個体なのか……。

 逆の方が良かったなぁ~。

 私としては、伊勢海老の方が調理しやすいから助かるんだけど……。

 オマール海老の料理は、蒸すかブイヤベースにしたらいいかしら?


 湖面へ浮き上がった魔物を見て、早くも父が食べたそうにしている。

 私も試食したいから全てをアイテムBOXに回収した後、1匹のオマール海老を取り出した。

 やはり、ここはハサミを食べないとね!

 左右の大きなハサミをウィンドボールで切り離し、ファイアーボールを使用し殻を焼いていく。

 水平になるよう、半分にウィンドボールで切断すれば食べやすいだろう。

 30cmもあるハサミは、父と夕食を考え半分ずつそのまま食べた。


 焼いたので、香ばしい味がする。

 海老より蟹身に近いだろうか?

 父は伊勢海老が食べたかったらしい。

 こちらは1日に1匹しか出現しない魔物なので、数が増えたら食べよう。


 うん?

 伊勢海老で何か思い出す出来事があったような……。

 何だっけ?

 忘れているなら大した件じゃないんだろう。


 3時間後、地下15階の安全地帯へ戻りホームに移動。

 テントから出て夕食の準備開始。

 今日は、旭が狩った迷宮ナマズを料理しよう。

 ナマズは高級魚だから、店では大抵時価となっている。

 実は一度も食べた事がないのだ。

 ウナギとは、また違う味なんだろうか?


 引き取った解体済みの物を、1人分の大きさに切り分けバーベキュー台へ載せ焼いていく。

 これは兄達でも出来るため、タレを浸け焼く所までお任せする。

 私と母は、一口大に切ったナマズを唐揚げにしよう。

 蒲焼と唐揚げの2種類で味の食べ比べだ。


 ご飯の代わりに『うどん』を用意。

 今回は『肉うどん』じゃなく、素うどんにした。

 本当はでた法蓮草ほうれんそう蒲鉾かまぼこに花かつおをたっぷり入れたいけど、刻みねぎだけで我慢。

 この世界には葉物野菜がキャベツと白菜しかないから、せめてレタスと法蓮草が欲しい。

 蒲焼と唐揚げは大量に用意したので2パーティーにも、お裾分すそわけする。


 ダンクさんのパーティーは『お好み焼き』とスープ。

 アマンダさんのパーティーは、『フィッシュバーガー』と『フライドポテト』にスープのようだ。

 冒険者全員が、迷宮ナマズを食べるのは初めてらしい。


 さて、蒲焼の方から頂こう。

 うん?

 これは鰻とは違うなぁ~。

 身がもっとしっかりしてる感じがする。

 唐揚げは、弾力があって美味しい。

 でもやっぱり鰻の方が好きかも……。

 これは好みが分かれそうだ。


 アマンダさんもダンクさんも、両方美味しいと言い食べてくれる。

 うちのパーティーも、『うどん』と一緒に食べていた。

 次回迷宮ナマズを料理する機会は、かなり先になるだろう。

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