月曜日。
今日から5日間またダンジョン攻略。
階段へ一直線に、地下1階から地下11階まで駆け抜ける。
兄とフォレストを置いて、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。
安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。
アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。
午前中はいつものルーティンを熟しつつ、地下16階に生る果物を探す。
先週、兄に聞かれたから直ぐに答えられるようにしておかないとね。
上空から俯瞰して見ると、黄色い房を大量に発見。
その部分を拡大したらバナナだった!
これは大変栄養価が高い果物だ。
子供達のお土産に1本ずつ渡してあげよう。
ずっと、みかんだったから喜ぶに違いない。
ランダムに生るのは何かな?
こちらも黄色いけど、この形状は……。
パイナップルだ!
私は視界に入ったパイナップルとバナナを、全てアイテムBOXへ回収した。
少し予想と違っていたけど、地下16階の果物も美味しいだろう。
夕食のデザートはバナナに決まりだね~。
チョコが使えたら、チョコバナナが作れるんだけどなぁ。
午後から父と一緒に地下30階へ移動。
地下30階~地下28階の魔物を父に全滅してもらい、次はいよいよ初となる地下27階の階段を上がる。
この階層も砂漠らしい。
まずは魔物分布を調べるため、安全地帯に移動する。
マッピングで確認すると、出現している魔物は爬虫類系だった。
体長2mのエリマキトカゲ、体長3mのコモドオオトカゲ・体長3mのカメレオン・体長3mのカメ・体長4mのワニ。
いずれも灰色をしている。
どう考えても、食べるのを遠慮したい魔物だ。
唯一、ワニだけは食べられるかも?
鶏肉に近い味なら、コカトリスの肉を食べたいけど……。
ここは父のLv上げのために、討伐をお願いする。
先週一週間、相当数の魔物を倒したにも拘らず、なんだかLvの上がりが遅いのだ。
地下15階を攻略している母がLv25になったのに、地下30階~地下28階の魔物を毎日全滅させた父がLv30っておかしくない?
Lv40くらいになってもよさそうなのに……。
私は安全地帯から動かず、父が倒した魔物をアイテムBOXに収納するだけの簡単作業。
安全地帯には誰もいないから、椅子とテーブルを出しコーヒーを飲みながら寛いでいた。
まだ全滅させていないけど、3時間が経過したため一度地下15階の安全地帯へ戻る。
テント前には数人の怪我人が待機していた。
旭とお母さんが治療に対応している。
迷宮イーグルに上空から襲われたらしい。
空を飛ぶ魔物は、魔法士がいないと討伐が難しいのだろう。
接近戦だけで倒す場合、得物が届く範囲に魔物が降りてこないとどうしようもない。
上空からウィンドアローを撃たれたら、回避するのも一苦労だ。
2人が治療を終えるのを待ち、ホームに戻る。
15分程、休憩したら3回目の攻略開始。
再び地下27階へ移動し、父に残っている魔物の全滅をお願いする。
そして本日最大のメインイベントである湖に移動。
初めてだから、私が倒そう!
湖面へサンダーボールを撃ち込むと、水面が真っ赤に染まる。
おおっ、これは甲殻類で間違いない。
期待に胸を膨らませていると、沢山の体長1mあるオマール海老と1匹の体長1mの伊勢海老が浮かびあがる。
伊勢海老の方が希少個体なのか……。
逆の方が良かったなぁ~。
私としては、伊勢海老の方が調理し易いから助かるんだけど……。
オマール海老の料理は、蒸すかブイヤベースにしたらいいかしら?
湖面へ浮き上がった魔物を見て、早くも父が食べたそうにしている。
私も試食したいから全てをアイテムBOXに回収した後、1匹のオマール海老を取り出した。
やはり、ここはハサミを食べないとね!
左右の大きなハサミをウィンドボールで切り離し、ファイアーボールを使用し殻を焼いていく。
水平になるよう、半分にウィンドボールで切断すれば食べ易いだろう。
30cmもあるハサミは、父と夕食を考え半分ずつそのまま食べた。
焼いたので、香ばしい味がする。
海老より蟹身に近いだろうか?
父は伊勢海老が食べたかったらしい。
こちらは1日に1匹しか出現しない魔物なので、数が増えたら食べよう。
うん?
伊勢海老で何か思い出す出来事があったような……。
何だっけ?
忘れているなら大した件じゃないんだろう。
3時間後、地下15階の安全地帯へ戻りホームに移動。
テントから出て夕食の準備開始。
今日は、旭が狩った迷宮ナマズを料理しよう。
ナマズは高級魚だから、店では大抵時価となっている。
実は一度も食べた事がないのだ。
ウナギとは、また違う味なんだろうか?
引き取った解体済みの物を、1人分の大きさに切り分けバーベキュー台へ載せ焼いていく。
これは兄達でも出来るため、タレを浸け焼く所までお任せする。
私と母は、一口大に切ったナマズを唐揚げにしよう。
蒲焼と唐揚げの2種類で味の食べ比べだ。
ご飯の代わりに『うどん』を用意。
今回は『肉うどん』じゃなく、素うどんにした。
本当は茹でた法蓮草や蒲鉾に花かつおをたっぷり入れたいけど、刻みねぎだけで我慢。
この世界には葉物野菜がキャベツと白菜しかないから、せめてレタスと法蓮草が欲しい。
蒲焼と唐揚げは大量に用意したので2パーティーにも、お裾分けする。
ダンクさんのパーティーは『お好み焼き』とスープ。
アマンダさんのパーティーは、『フィッシュバーガー』と『フライドポテト』にスープのようだ。
冒険者全員が、迷宮ナマズを食べるのは初めてらしい。
さて、蒲焼の方から頂こう。
うん?
これは鰻とは違うなぁ~。
身がもっとしっかりしてる感じがする。
唐揚げは、弾力があって美味しい。
でもやっぱり鰻の方が好きかも……。
これは好みが分かれそうだ。
アマンダさんもダンクさんも、両方美味しいと言い食べてくれる。
うちのパーティーも、『うどん』と一緒に食べていた。
次回迷宮ナマズを料理する機会は、かなり先になるだろう。
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