【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第297話 迷宮都市 華蘭にリッチのマントを卸す

公開日時: 2023年3月21日(火) 12:05
更新日時: 2023年8月15日(火) 17:40
文字数:2,010

 いけない忘れる所だった、ダンクさんから聞いたリッチのマントも卸さないとね。


「後、浄化済みのリッチのマントがあるんですけど……。必要ですか?」


「はっ!? 浄化済みの物ですか?? お客様は冒険者をしていると以前うかがいましたが、もしかして浄化を使用出来るメンバーの方がいらっしゃるのですか?」


「ええ、兄が使えるんです」


 ここで旭も使用出来るとは言わないでおく。

 浄化を使える人は少ないらしいので……。


 教会の権力者に知られると、やっかいな事になりそうだもんね。

 日本でもそうだけど宗教絡みはヤバイ。


 特に一神教は怖い。

 未だ地球では宗教戦争が起こっているくらいだ。


 私は無宗教で冠婚葬祭を仏教でするくらいだし、キリスト教は信仰していないけどクリスマスにはケーキを食べる。


 日本人にキリスト教徒が少ないのは、一神教を支持する基盤が無いからなんだよね。

 トイレにも神様がいると言うくらいだ、神様が1人だけってのは受け入れがたい。


 兄が浄化の魔法を使えると聞いて、老紳士が目を見開く。

 そして身を乗り出してきた。


「まさかそのような事が……。ええ、浄化済みのリッチのマントでしたら是非ぜひ購入させて下さい」


「色が1枚ずつ違うので、取りえず100枚程出しますね」


 私の言葉を聞いて、入り口に控えていた女性があわてて迷宮タイガーの皮を回収しにくる。

 床がスッキリした状態になると、もう1枚大きな布を出してリッチの浄化済みマントを100枚出す。


 色とりどりで品質の良い綺麗なマントだ。

 素材が何で出来ているのか不明だけど、庶民が着るような麻や綿ではない。

  

 手触りが非常に良いビロードに近いかな?

 買取対象でないけど、穴が空いて着れない状態じゃない。

 あれば当然回収するでしょう!


 何故なぜ1体ずつマントの色が違っているかは謎だった。


 カーバンクルの額に付いていた宝石も色が違っていたので、呼び出したダンジョンマスターの遊び心かも知れない。


 床一面に並べられたリッチのマントを見て、老紳士は驚きに声も出ないようだ。

 見かねた女性店員さんが、私に声をかけてくれた。


「お客様。念のため、浄化済みか魔道具で調べさせて頂いてもよろしいですか?」


「はいどうぞ」


 浄化済みか判別出来る魔道具があるのか~。

 着ると呪われちゃうんだよね?


 兄がホーリーを使用して魔石にしたから、完全に浄化済みだと思う。


 店員さんが一度部屋から出ていき、てのひらサイズの魔道具を持ち帰ってきた。

 老紳士に魔道具を渡して調べるようにうながしている。


 大量のリッチのマントを見て動けなくなり固まってしまっていた老紳士は、店員さんから魔道具を受け取ると床のマントに1枚ずつ当て調べ始めた。


 どうやら魔道具に付いている魔石の色で判断しているらしい。

 マントに当てた後で魔石を確認しているからね。


 100枚あるので時間が掛かるだろうと、私は席に座ってのんびり待つ事にした。


 何枚買い取ってもらえるかな~?

 ダンクさんの情報から、1枚金貨10枚(1千万円)は確実だ。


 明日は旭と一緒に、商業ギルドのカマラさんの所でも買取してもらう心算つもり


 リッチのマント、拾っておいて良かった~。

 容量無限のアイテムBOXがあると本当に便利。


 冒険者達が回収しないから沢山落ちてたんだよね。

 一応リッチが着ていたマントだから、兄に全部ホーリーをかけてもらっておいたのだ。


 旭もアイテムBOX持ちだから、マントを収納したんだろう。

 11年間分のマントの数が想像出来ないわ。


 明日の換金額にニマニマしていると、老紳士がマントを確認して戻ってきた。


「お客様、このリッチのマントですが当店には何枚卸して下さいますか?」


「何枚でも大丈夫ですよ! まだ沢山あるので」


「何とっ! これ以上にまだあるんですか!? お兄様は、余程優秀な光魔法の使い手なんですね……。ではここは思い切って50枚程買い取らせて頂きます。1枚金貨11枚ではどうでしょうか?」

 

 予想より金貨1枚(100万円)多い!


「はい、金貨11枚でお売りします」


 いや~今日は、タダ同然のリッチのマントが金貨550枚(5億5千万円)に化けたよ!

 これは明日の買取が、俄然がぜん楽しみになってきた。


 老紳士がマントの色を見ながら50枚選んでいる間に、店員さんが迷宮タイガーの皮10枚とリッチのマント50枚の代金を持ってきてくれる。


 合計で金貨670枚(6億7千万円)。


 果物を卸した値段も合わせると、今日1日の収入は金貨680枚・銀貨26枚(6億8千26万円)だった。

 金銭感覚が麻痺しそうだわ。


 ダンクさんありがとう!


 また迷宮ウナギをお裾分すそわけさせて頂きます!

 リリーさんと子作り頑張って下さいね。


 老紳士にとても感謝されながら見送られ、良い時間になったのでホームに帰って昼食を食べよう。


 兄達は今日もまた仲良くジム通いかな?

 毎週ジムに行って運動する気持ちがさっぱり分からないわ……。


 一体何が楽しいんだろう?

 2人で一緒にする事が重要なのかしらね~。


 お金が沢山入ってウキウキなので、今日のお昼は外食にしよう!

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