【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第652話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(30階) 増えた薬草&追加のマジックバッグ

公開日時: 2024年1月1日(月) 12:05
文字数:2,458

 明日の朝食用に天むすを渡し、セイさんと別れホームへ帰ってきた。

 かなで伯父さんに、付き添ってもらったお礼を言い自宅へ移動する。

 兄達はまだ病院にいるらしく、家へ戻ってきていない。


 月~金曜日はダンジョン攻略をするため、どうしても勉強をするのは土日に集中してしまうんだろう。

 お酒を飲んでいなければ私の送迎は必要ないので、明日からの攻略に備え就寝する事にした。


 月曜日。

 今日から5日間またダンジョン攻略。

 階段へ一直線に、地下1階から地下11・・階まで駆け抜ける。


 兄とフォレストを置いて、私達は再び地下11階から地下15階まで駆け抜けた。

 安全地帯に着いてマジックテントを設置後、休憩したら攻略開始。

 アマンダさん・ダンクさんと挨拶を交わしながら、子供達の話を併せ伝えていく。


「あ~、サラちゃん。先週から気になっていたんだが、シルバー達が首から下げている袋は何だ? それに、見た事もない魔物が刺繍ししゅうされているようだけど……」


 ダンクさんが、どこか言いにくそうに聞いてくる。

 シルバー達に渡したポシェットの用途と、謎のキャラクター刺繍が気になっていたようだ。


「このポシェットはマジックバッグの代わりです。刺繍されているのは魔物じゃなくて、架空の生き物ですよ~」


「そっ、そうか……。独特なセンスだなぁ。ネズミの魔物かと思ったよ」


 どうやら異世界人には、〇トロが何かの魔物に見えるらしい。

 まぁ、ポシェットに関しては本当にマジックバッグとして活用出来る代物しろものだけど……。


「サラちゃんは料理も刺繍も得意なんだねぇ。いいお嫁さんになりそうだ」


 話を聞いていたアマンダさんが、ニコニコしながら会話に入ってくる。

 刺繍はミシンがボタン一つで縫ってくれるため、正確には私が刺した物じゃない。

 でもミシンの存在は知らないだろうから、私は曖昧あいまいに笑って誤魔化した。


「1ヶ月後には、人妻になりますけどね!」


「アシュカナ帝国の所為せいで、サラちゃんも苦労するね。結婚式に襲撃があったら、皆返り討ちにする気満々だから安心しな! 二度とそんな気が起こらないよう、私達がやっつけてやるさ!」


 そう宣言するアマンダさんは、悪い顔をしフフッと笑っている。

 隣にいたダンクさんも任せろと言いニヤリと笑う。

 パーティーメンバー達もヤル気みたいで、皆が怖い笑顔になった。

 ダンジョンに呪具を設置された恨みは、相当根深いのだろう。


 敵は言葉通り、飛んで火にいる夏の虫になりそうだ。

 結婚式は血の雨が降るかも……。

 そう考えていると、いつきおじさんが身代わりの花嫁になると言った事を思い出す。

 本当に大丈夫かしら?


 マジックバッグにしてもらったポシェットを樹おじさんから受け取り、ハニー達へ会いにいく。

 先週渡した10個のマジックバッグ20㎥の中身は、どうなっているかな?


 地下14階に移動すると、ハニーと10匹のキングビーが上空から降りてくる。

 それぞれ首に掛けているポシェットから、薬草をアイテムBOXに入れ替え1匹ずつお礼を言い頭をでた。

 キングビー達は、触角をピコピコ動かし嬉しそうだ。


 直接アイテムBOXに入れたからどれくらいの量かはっきりしないけど、マジックバッグ3㎥を渡していた時より薬草はかなり多い。

 これならポーションの値段も、もっと下がるかな?

 追加のポシェットを渡すため、ハニーにコロニーを10匹呼び出してもらった。


 現れたキングビー達の首にポシェットを掛け、「薬草採取を頑張ってね~」とお願いしておく。

 これで、ハニーへ渡したのはマジックバッグ3㎥(1個)・マジックバッグ20㎥(10個)・マジックバッグ35㎥(10個)で21個になった。


 日曜日、樹おじさんへマジックバッグにしてもらうのを忘れたから今週は10個しか渡せなくて残念。

 平日も攻略後ホームに戻った後なら、MPが残っていれば作れそうだ。

 早く全員に渡したいので、夕食後にポシェットを渡そう。


 地下16階へ果物採取にいこうとした所で、シルバーが私の服を引っ張りハニーを前足で指し次に地面へ丸い円を書く。

 そして、その円の中心に線を入れ半分にした。

 何かを伝えたいみたいけど、暗号のような図形を読み解くのは難しい。


 単純に考えたら、ハニーを半分にする意味に取れる。

 でもそんな事をしたら死んでしまうため、きっと別の内容だろう。


「あ~沙良。多分、シルバーはハニー達のコロニーを半分に分けてほしいと言っているんじゃないか? マジックバッグの数が増えたから薬草の量が足りないんだろう」


 父がシルバーの意図を解説してくれた。

 幾ら毎日薬草が生えるといっても量は変わらないから、1階層で採取出来る薬草には限度がある。

 なるほどと思いシルバーに確認すると、ハニーと一緒に首を上下に振られた。

 

 残り52匹のコロニーを呼び出してもらい、72匹の内半分の36匹をアイテムBOXに収納し現在冒険者がいない地下19階で開放した。

 キングビーが出現しない階層で、冒険者に見られるのはまずいからね。

 

 その後、地下16階で果物採取をし地下5階で槍のLv上げにはげむ。

 槍術Lv8になり、少し威力が増したような?

 でもバールさんが鍛えたアダマンタイト製の槍の性能が良すぎて、今一自分の実力が図れない。


 今日も凝りずにターンラカネリの槍で投擲とうてきするも、魔物に命中する事はなかった。

 父とかなで伯父さんに失笑されたけど、いつか投擲術が習得出来ると信じ頑張ろう。

 

 竜の卵が孵化ふかしたら、シルバー達がドラゴンに進化するより早く竜騎士の夢が叶うかも知れない。


 その時は、このターンラカネリの槍で無双するのだ!

 もう1本ある槍は、いつか兄に渡す心算つもりでいる。

 投げたら自動で戻ってくるロマン武器は兄も喜ぶだろう。


 正直、摩天楼まてんろうのダンジョンで30日後に出現する宝箱の中身は期待していない。


 前回がアレ・・じゃね~。

 な~んか嫌な予感しかしないというか……。

 ダンジョンマスターの性格が悪いんじゃないかと思ってしまう。

 宝箱の中身を、ダンジョンマスターが変えられるのかどうかは不明だけど……。


 兄はヒヒイロカネを期待しているみたい。

 シュウゲンさんのように、洞窟で地道に採取した方が確実かもよ?

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