【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第679話 迷宮都市 地下15階&摩天楼のダンジョン(31階) ハニー達への紹介&妹の魔法習得

公開日時: 2024年1月28日(日) 12:05
更新日時: 2024年5月21日(火) 12:51
文字数:2,467

 私が空を飛ぶ度に不安そうな従魔達は、やっぱり落ちるのを心配しているのかな?

 浮遊魔法を覚えたのは、まさにそのためだろう。

 少しでも地面から高く浮き上がり、何かあった時に助けられる状態でいたいのか……。

 本当に従魔達は、主人である私を守ろうと必死になってくれる。

 何もお礼出来ないけど、私はどうやらエルフの血を引いているらしいから一緒に長生きしようねと伝えた。


「ウォン!」


 シルバーは元気よく返事をし、その場でジャンプしてみせる。 

 あぁ、うちの子が可愛い! もう沢山でちゃいますよ~。

 従魔が増えたからマジックテントを増やさないとね。

 迷宮都市に戻り、魔道具屋で6人用のマジックテントを5個(金貨15枚・1千5百万円)購入。

 店主が、おまけにマジック寝袋を3個くれた。

 その後、ダンジョン地下15階の安全地帯に2人で移動。

 昼食に戻っていたダンクさんとアマンダさんパーティーへ、妹を紹介した。


「本当に妹さんなのかい? サラちゃんの、お姉さんに見えるけどねぇ」


 アマンダさんがあかねと私を不思議そうに見る。

 首をかしげたダンクさんからも、


「見た目が逆だなぁ~」


 と言われてしまった……。

 わっ、分かってるけど私の方が2歳年上なんだよ!


「姉がいつもお世話になっております。妹の茜です」


「私は『白薔薇しろばらはな』クランリーダーのアマンダだ。お世話になっているのは、こちらの方だよ。サラちゃんが、色んな美味しい料理方法を教えくれるからね。ダンジョン産の果物も分けてくれるし、その他にも迷宮都市じゃサラちゃんの経営している店は大人気さ」


「俺はリーダーのダンクだ。これからよろしくな! それにしても、一気にまた従魔が増えたじゃないか。パーティー人数より多いとは……どうなってんだ?」


 ダイアンとアーサー達を見て、ダンクさんは苦笑する。

 現在、私達のパーティーは10人。

 それに対し従魔は15匹となっているから、確かに従魔の方が多い。


「見た事ない魔物だけど、どのダンジョンにいるんだい?」


 アマンダさんから、テイムした場所が気になるようで質問される。


摩天楼まてんろうのダンジョンですよ~」


「へぇ、じゃあ妹さんはA級冒険者なんだね」


 あっ、ついうっかり設定を忘れ口に出してしまった。

 まぁ冒険者カードを見せろとは言ってこないだろう。

 18歳でA級冒険者になってしまった妹はかなりの強さだとバレ、制度的に10年掛かるのはスキップ制度を受けた事になった。 


「えぇ、そうなんです!」


 私はしれっと嘘を付き、購入したばかりのマジックテントを5個追加で設置する。

 あまり追及されと困るので、お昼を食べに行きますねと言い全員で2つのテントに入りホームへ帰った。

 実家で母の作った昼食を食べた後は、シュウゲンさんと兄達を摩天楼のダンジョン31階へ送り茜と私は迷宮都市地下14階へ移動する。

 シルバー・フォレスト・泰雅たいが黄金こがね山吹やまぶきは紹介したので、最後の従魔であるハニー達を見せてあげよう。

 地下14階に到着すると、ハニーとコロニーのキングビー18匹が一斉に上空から降りてきた。

 茜が一瞬たじろいだように後退したような気がするけど……。


「ハニーとそのコロニーだよ。他にも54匹いて、地下19階~21階の薬草採取をお願いしてるの」


「姉さん、数が半端ないな。私は同じ種族の魔物しかテイム出来なかったのに……」


「そうなの? 私はテイム魔法じゃなくて、魅了でテイムするから種族は関係ないみたい。でもおすしかテイム出来ないのが残念なのよ」


「魅了でテイム出来る方が変だと思う……」


「そう? 茜も魅了を覚えたら大丈夫じゃないかな? 薬草を回収したら、地下1階から魔法を習得しにいこうね!」


 ここでもハニーとコロニー達が、茜の従魔達と頭を下げ合い挨拶を交わしていた。

 ああっ! 宝箱に入っていた従魔用の指輪を装着するの忘れてたよ!

 力が2倍になるんだった。

 6個あるから丁度いい。

 早速さっそくハニーに着けてあげよう。


 19個のマジックバッグの中身を回収し、地下19階~21階のキングビー達からも同様に薬草を回収する。

 73個のマジックバッグに入っている薬草は大量だった。

 薬師ギルドで換金するのが楽しみ~。

 いつきおじさん、ありがとう!


 それから地下1階へ移動し、茜は魔物から魔法を受け次々と習得していった。

 従魔のダイアンには、ヒールと飛翔魔法を掛けてもらい覚えたようだ。

 これで、私達が覚えた魔法を全て茜も使用可能になる。

 私は知っておいた方がいいだろうと、アイテムBOXに生き物が入る事を教えてあげた。


「それなら普段は従魔達をアイテムBOX内に入れておけば、敵の目をあざむけるな」


 ええっと、妹は何を想定しているのか……。

 突然従魔の数が増えれば相手はひるむかも知れないけど……。

 そんなにデンジャラスな毎日を送っている訳じゃないよ?

 今の所、襲撃が予想されるのは私の結婚式当日だけだ。

 摩天楼のダンジョンに呪具を設置しようとした犯人は全員捕まったし、しばらく敵は動かないと思う。 


 地下16階の果物を収穫後、摩天楼ダンジョン31階の安全地帯に向かった。

 マジックテントを設置したら、私と茜はテント内で待機する。

 今まではかなで伯父さんの役目だったけど、Lv200のめいに譲りシュウゲンさんとLv上げをするらしい。 

 私はテント内にテーブルと椅子を出し、マッピングで索敵した魔物から魔石を抜き取り収納するだけの楽ちん攻略を続けた。

 茜は一見何もしていない姿の私を怪訝けげんそうに見てくる。

 マッピングとアイテムBOXを使用した魔物の倒し方を教えると、


「どんなチートだ!」


 と叫んでいた。

 うん、直接戦う必要がないから楽でいいのよ。

 しかも現在マッピングの距離は2,155kmあるから、ダンジョンの1階層は全て見渡せる。

 Lv50の恩恵には、とても感謝していた。

 そこまで考えたところ、何か重要な事を忘れている気がする。

 何だったっけ?


 直ぐに思い出せないなら大した問題じゃないんだろう。

 私は茜の従魔達にポシェットを作製しようと、布を取り出した。

 何の刺繍ししゅうにしようかな~?

 黒ひょうだから、ネコ科のキャラクターにしてあげよう!

 私は耳に可愛いリボンを着けた、有名なキャラに決定した。

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