【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第276話 迷宮都市 服の新調 1

公開日時: 2023年3月10日(金) 22:53
文字数:2,363

 冒険者ギルドを出てから、まずは道具屋に行こう。

 月曜日のダンジョンでの夕食は、すき焼きにしようと思っているので鉄鍋がないか調べにきたのだ。


 でもその前に店内へ大型の従魔2匹を入れる訳にはいかないので、シルバーとフォレストは残念だけどホーム内に移動させる。

 

 道具屋に入り料理道具が並べてある棚を見て回った。

 スープを作る深鍋はあるけど、すき焼き用の浅い鍋は置いてない。

 これは日本の製品を使用するしかないかな?


 鍋を食べる文化がないから仕方ない。

 ダンクさんやアマンダさんには、『バーベーキュー台』をプレゼントしてあるので似たような物だと思ってくれるはず


 ついでにすき焼き用の鍋もプレゼントしてあげよう。

 いつもスープばかりじゃメニューは増えないだろうからね。


 次に向かうのは、前回既製品を購入した普段着に着る服屋だ。

 1着しか持っていなかったから、今日は5着くらい購入する予定。


 2人は男性服が陳列ちんれつされている方へ、私は女性服のコーナーへそれぞれ別行動をする。


 古着ではない新品の服は既製品でも銀貨3枚(3万円)はする。

 私はこの世界の女性の平均身長より低いので、サイズがなくて選べないのが残念だ。


 デザインも日本と比べると無難ぶなんな物が多い。

 購買層が少ないから余り奇抜きばつなデザインの服を作ると、在庫となるリスクが高いので売れるデザインだけを作っているからだろうな。


 女性は大抵、足首が隠れる程長いスカートが主流だ。

 ひざ丈のスカートなんて見た事もない。


 冒険者の女性は動きやすい女性用のズボンを穿く事が多い。

 私も冒険者活動をする時は、古着のズボンを穿いている。


 足首まであるスカートは、私の感覚からすると少し野暮やぼったい感じがするのだ。

 というか、はっきり言ってダサイ。

 まだ同じスカートでもワンピースの方が許せる。


 今回は、緑色のワンピース1着・青色のワンピース1着・ブラウス3着・黒色のズボン3着を購入。


 全部で銀貨15枚(15万円)もした。

 日本だったら絶対に買わない値段の服だよ!

 

 兄達も5着購入。

 男性用の服は、ほぼデザインが同じなので色を変えただけの物になる。

   

 異世界のお金を兄は持っていないので、旭が会計を済ませたようだ。

 それは今朝2人の関係がバレた事に対する、兄へのおびの品ですか?


 これで機嫌直して下さいという、そでの下的な?

 

 まぁ旭が何気に一番のお金持ちだから銀貨15枚くらい、何て事ない金額だろうけど……。

 11年分のダンジョンで攻略した魔物が、全てアイテムBOXに収納されているんだからね~。


 全て換金し終わるのは、一体いつの事になるのやら……。

 そしてリースナーのダンジョンで出現しなくなった、3体の魔物の換金はどうしたらいいんだろう。


 旭には内緒にしてあるんだよ。


 まぁこの先、リースナーのダンジョンを攻略する事はないからバレないだろう。

 ただ換金出来ないオリハルコンゴーレム(金貨200枚・2億円)は、流石さすが勿体もったいないのでどこか別のダンジョンで出現している所を探す必要がありそうだ。


 後どれくらい収納されているか聞いてないけど、10,000体以上は確実だろうなぁ。

 一気に換金したら、オリハルコンが値崩れしそう……。


 既製服の店を出て、本日のメインイベント高級服店の『華蘭からん』へ向かう。

 人生初のオーダーメイドで服を注文するのだ!


 公爵邸に父親に会いに行く時やB級冒険者として行動する際必要になってくる。

 子供達の夢と希望になるために、稼いでいる姿も見せておかないとね。


 華蘭からんに入ると、サヨさんの旦那さんでもある老紳士が直ぐに対応してくれた。

 何も言わずに別室に案内される。

 

 女性の店員さんが、昨日奏屋かなでやに卸したばかりの2色のキウイフルーツが綺麗にカットされてある物と紅茶をテーブルに置き部屋を出た。

  

 出された紅茶とキウイフルーツを食べて一息吐いた頃に、老紳士が部屋に入ってくる。


「お客様、昨日は家内が大変お世話になりました。頂いた夕食がとても美味しかったそうで、朝から嬉しそうに話してくれましたよ。そして先日は孫が大変ご迷惑をお掛けしました。お店が既に営業を終了しているにもかかわらず料理を食べさせて頂いたとか。息子の店にも、ダンジョン産の果物を沢山卸して下さり感謝しております」


 そう言って、深々と頭を下げられてしまう。

 私達のお祖父さんに当たる人に、そんな対応をしてもらう訳にはいかないので私達も直ぐに立ち上がる。


「こちらこそ色々と無理を聞いてもらって、ありがとうございます」


 そして同じように90度のお辞儀じぎをして返した。

 お互い頭を下げ合って、笑いながら席に着く。


「本日はどのようなご用件でしょうか? まだ注文して頂いた品は完成出来ておりませんが……」


「はい、今日は3人分の服を注文しにきました。1人3着ずつお願いします。サヨさんがいらっしゃれば、デザインの相談に乗ってもらいたいんですが……」


「1人3着でございますね。では男性2人は私が対応致します。家内は2階におりますので、今から呼んできましょう」 


 老紳士はそう言って、部屋から一度出ていった。

 

 ふぅ~、ドキドキするなぁ~。

 オーダーメイドの服を注文するなんて、金額が幾らになるか……。


 お金を沢山持っていても、金銭感覚が庶民のままなので不安なのだ。


 前回シルバーウルフのマントを注文した時は、自分達で狩った魔物の皮を使用し尚且なおかつ仕立て料は無料だったからね。


 実際店で購入するとなると、金貨10枚(1,000万円)以上はかかりそう。

 もうシルバーウルフのマントは、兄の解体ナイフと同じくらい私にとっては宝物だ。


 中々着る機会がなくて残念だけど、リーシャの父親に会いに公爵邸に行く時は着る心算つもり


 相手は大貴族だからね!

 そのためにも、サヨさんに素敵なデザインを考えてもらいたい。

 

 私達のお祖母ちゃんだから、相談出来る先があって良かった~。

 貴族の服装なんて、私には全然分からないよ!

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