【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第239話 椎名 賢也 56 ダンジョン 地下10階 亡くなった親友との再会 1

公開日時: 2023年2月19日(日) 19:22
更新日時: 2023年7月22日(土) 16:00
文字数:1,778

 地下9階を攻略して3ケ月。

 Lvが上がらなくなったので、今日から地下10階に移動する。


 ダンジョンの攻略を始めて2年。

 沙良が異世界に転移してから6年半の月日が流れていた。


【現在のステータス】

 リーシャ・ハンフリー 18歳

 レベル 25

 HP 1,248

 MP 1,248

 魔法 時空魔法(ホームLv25・アイテムBOX・マッピングLv25・召喚)

 魔法 火魔法(ファイアーボールLv9、ファイアーアローLv8)

 魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)

 魔法 土魔法(アースボールLv9)

 魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)

 魔法 石化魔法(石化Lv3)

 魔法 雷魔法(サンダーアローLv8)

 魔法 闇魔法(ドレインLv0)


 椎名 賢也しいな けんや 20歳

 レベル 25

 HP 1,300

 MP 1,300

 魔法 光魔法(ヒールLv9・ホーリーLv9・ライトボールLv10)

 魔法 火魔法(ファイアーボールLv9・ファイアーアローLv8)

 魔法 水魔法(ウォーターボールLv9)

 魔法 土魔法(アースボールLv9)

 魔法 風魔法(ウィンドボールLv9)

 魔法 石化魔法(石化Lv3) 

 魔法 雷魔法(サンダーアローLv7) 

 魔法 闇魔法(ドレインLv0)


 やっとLv25。

 後5Lvで自宅マンションに帰る事が出来る。

 魔法Lvも順調に上がり、多用しているライトボールはLv10になった。


 ドレインは2人とも怪我をしないので、一度も使用する事はなくLvは0のままだ。


 沙良は朝からドラゴンに会えると張り切っている様子だが、俺はドラゴンじゃなくダンジョンマスターがいるんじゃないかと思っている。

 

 沙良の機嫌に水を差す事になるので言わないでおくが。

 大体今まで出てきた魔物の種類から言って、突然Lvの高いドラゴンがいる訳がない。

 

 それじゃあ誰もダンジョンを攻略出来ないだろう。

 多分、もっと深いダンジョンにいるんじゃないのか?


「ね~ね~、ドラゴンって換金したら幾らくらいになるのかな?」


 気の早い妹は、既にドラゴンを狩った後の話をしだした。

 俺達の持っているマジックバッグ20㎥で入るのか?


 浮き立つ妹に、注意をうながすよう声を掛ける。


「オリハルコンゴーレムよりは高いだろう。さあ最終階だから、油断しないで行くぞ」


「了解!」


 返事だけ・・はよい沙良が、ニコニコしながら元気に答えてくれる。

 きっと頭の中はドラゴンに会う事で一杯だろう。


 ダンジョン地下1階から地下9階まで、最短距離で駆け抜ける。

 一度安全地帯に寄って、ホームの自宅でトイレ休憩を済ませたら地下10階だ。


 果たして地下10階にいるのは、ドラゴンかダンジョンマスターか……。


 地下10階に到着。


 沙良の斜め前に陣取り何があっても対処出来る位置にいた俺は、視界に入った人物・・の顔を見て時が止まったように動けなくなった。


 一瞬、余りにも会いたいと思っていたのでまぼろしを見たのかと思った。

 

 だってそこには11年前に亡くなった親友のあさひが、当時の姿のままでいたから。

 病院の医局で倒れた彼を俺は腕の中で看取みとった。


 必死に蘇生そせい処置をするも、息を吹き返す事なく死んでしまった親友。


 一体、何故なぜこんな場所で再会することに……。

 俺は顔面蒼白そうはくになり、ただただ茫然ぼうぜんとしていた。

 

 まるで幽霊にでも会ったかのような気分だった。

 目の前にいる旭が生きているとは信じられない。


 親友の旭が亡くなって11年がたっているのに、目の前の彼はまるで年を取っていないようだ。 

 あの日、俺が助けられなかったままの姿で目を開いて俺達の事を見ている。


 ちょっと首をかしげて、一瞬考え込んでる様子だった。

 その懐かしい仕草に記憶を呼び起こされる。


 童顔でのんびりと穏やかな性格だった旭は、いつもワンテンポ反応が遅い。

 でもその空気感が俺は好きだった。

 

 性格は真逆と言ってもいいくらいなのに、一緒にいて疲れる事がないのは旭だけだったから……。


あさひじゃん!」


 沙良の叫び声に我に返った。


「お前、なんでこんな所にいるんだよ!!」


 再会した喜びより何がなんだか分からない感情に突き動かされ、気が付けば旭の胸倉をつかんで激しく揺さぶっていた。


「え? 誰っ? ……てか、なんかすご若く・・なってるけど、その声は賢也けんや…………だよね?」


 いつもの呑気のんきな感じの声で問われ、自分が若返っている事を忘れていた。

 旭も俺達の姿に困惑こんわくしているんだろう。


 一緒にいる沙良の事は別人になっているから、誰だか分かっていないしな。

 何と説明したらよいか直ぐには思い浮かばず、俺達3人はしばらく無言になった。

ポイントを押して下さった方、ブックマークを登録して下さった方、作品を応援して下さった方。

読んで下さる全ての皆様、ありがとうございます。


応援して下さる皆様がいて、大変励みになっています。

これからもよろしくお願いします。

読み終わったら、ポイントを付けましょう!

ツイート