【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第317話 迷宮都市 銀だら定食

公開日時: 2023年3月31日(金) 12:05
更新日時: 2023年8月17日(木) 16:38
文字数:2,067

 サヨさんを安全にパワーレベリングして高レベルにしたら、120歳まで生きられるんじゃない? 

 しかも基本値が78だから、Lv20でもうHP/MPが1,638もある。


 Lv35の私が1,728と考えるとLv20もあれば充分だろう。

 そうすれば、召喚して若返ったお母さん(42歳)と仲良く老後を過ごす事が出来る。


 お母さんが20歳の時にお祖母ちゃんは亡くなったので、一緒に過ごせた時間は少ない。 

 20歳ならば、まだ親に甘えたい年齢だ。


 私は両親を召喚したら、3人をパワーレベリングする事に決めた。

 ちまちまLv上げをするのは面倒だから、地下29階層で一気に上げよう。

 誰も攻略者が居ないから、マッピングで移動すればバレないしね。


 抹茶を飲みながら栗きんとんを幸せそうに食べるサヨさんを見て、「どうか長生きしてね! お祖母ちゃん」と心の中で呟いた。


 その後、再び作業に戻る。

 なんとかアマンダさんサイズの着ぐるみパジャマが完成した頃、兄達が戻ってきた。


「おかえり~。2匹と遊んでくれてありがとね!」


「あぁ、ただいま。フォレストは、やっとお手が出来るようになったぞ」


 ちょっと得意げな表情をして報告された。

 兄よ、まだ芸を仕込んでたのか……。


「沙良ちゃん、シルバーは頭が悪いのかなぁ~。どうやっても俺の手をんでくるんだけど……」


 旭よ、それは完全に遊ばれてると思う。

 

「後でシルバーに、手をまないように言ってあげるよ」


「うん、よろしくね~」


 サヨさんも2着の衣装を作り終えていたので、お礼に4人で外食に行く事にする。

 サヨさんが作ってくれた扇舞おうぎまいの衣装は、女性らしい繊細なデザインでとても素敵だった。


 この衣装を着て舞扇を使った舞は、異世界では新鮮に映るだろう。

 サヨさんも編み物仲間と見学に来ると言っていたけど……。


 きっと想像を超える『浦島太郎』に絶句する事になるだろう。

 原作を知っている人間が見たら、詐欺だと思うかも知れない。


 前回の『赤ずきんちゃん』と『シンデレラ』は、もう何と言って良いか分からない物語だった。

 子供達には大受けだったけどね~。


 今回の劇はあまり暴走しないように願うよ。

   

 私が食べたいお店の希望を出してマッピングで移動。

 夕食は〇波の銀だら定食だ。


 元々奈良漬けや守口漬けを扱うお店が出した、みりん粕・さけ粕に漬けた焼き魚が絶品のお店なのよ!

 私のお気に入りNo.1の店で、異世界転移した時に一番食べたかったお店。


 ホーム内で移動出来る距離が長くなり行けるようになったんだよね~。

 電子メニューで【銀だら定食】を4人分注文すると、直ぐにテーブルの上に料理が並ぶ。


「頂きます!」


 全員でご飯の前の挨拶をすると、早速さっそく美味しそうな銀だらにはしをつけて一口。

 やっぱり、この味は真似出来ない。

 

 しかも切身の銀だらは完璧な状態で焼きあがっている。

 ご飯もコシヒカリを使用しているので美味しい。


 この店は、ご飯お替り自由なので兄達はもうお替りをしていた。


 早いなっ!

 

 お味噌汁には八丁味噌が使用されているので、名古屋人にはたまらないだろう。 

 全員が料理に満足して店を出た後、自宅に戻り再びサヨさんを華蘭からんまで送っていった。


 今週は月曜日から命を狙われて、オリーさんを他国に移転させた後に熱が出てと大変な1週間だった。


 最後の貴族のボンボンに関しては、兄がしっかりとおきゅうえていたので忘れよう。


 来週土曜日は2つの町に兄達と防寒着を持っていく予定だ。

 12月のクリスマスにはまだ早いけど、異世界にはサンタさんが居ないので時期は関係ない。

 本格的に寒くなる前に渡さないと意味が無いからね。


 12月は子供達にケーキを食べさせてあげる心算つもり

 私はずっと着たかった、サンタの可愛らしい衣装を着よう。


 赤と白のワンピース、あれは若い時じゃないと着られないのよ!

 30歳を過ぎていたら、ちょっと痛い人に見える。


 牛乳と生クリームが手に入ったので、フルーツをたっぷり入れたホールケーキを各家に差し入れしよう。

 コカトリスは大き過ぎて丸焼きにする事が出来ないから、唐揚げが代わりだ。


 後はピザを焼けば、クリスマスっぽくなるだろう。


 皆な初めて食べるケーキに驚いてくれるかな。

 少しずつ使える食材が増えてきた事で、メニューの幅も大分広がった。


 お米が見付かれば更に色々作る事が出来るんだけど、こればかりは見付からないので仕方無い。


 異世界で家を建てる予定だけど、建築にはどれくらい時間がかかるんだろうか?


 リーシャの実家だった公爵邸は、立派な建物だった気がする。

 滞在時間が短かったので、少し記憶が曖昧あいまいだけど……。


 人力だけで建築したようには見えなかった。

 もしかして魔法が使われているんじゃないかしら?


 出来ればクリスマスパーティーは、新築の家でお祝いしたいと思っている。


 間に合うといいな。

 空き物件が無かった事が残念。


 日曜日には、また新しい物語の劇を子供達に披露ひろうする。

 どんな内容になるかは、当日になってみないと分からないロシアンルーレットのような劇だよ!


 前回同様にアドリブが多発しそうで恐ろしい。

 私は扇舞おうぎまいをリリーさんと踊るだけだから、巻き込まれる事はないだろう……多分。

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