【3巻発売&コミカライズ決定!】自宅アパート一棟と共に異世界へ 蔑まれていた令嬢に転生(?)しましたが、自由に生きることにしました

48歳の主人公が異世界で12歳の少女になり、冒険者として生きるお話です
如月 雪名
如月 雪名

第278話 迷宮都市 サヨさんとの昼食

公開日時: 2023年3月11日(土) 18:05
更新日時: 2023年8月13日(日) 02:38
文字数:2,011

 サヨさんが妻の強権きょうけんを発動させて私達は夕食に呼ばれる事になったけれど、まだ昼食を食べていない。

 時間も、お昼を少し過ぎた辺りだったので一度自宅に戻る事にした。


 どうせならとサヨさんも誘ってみる。

 サヨさんは喜んでお邪魔すると言って、旦那さんに伝えにいく。


 旦那さんの昼食は大丈夫なのかと聞くと、「大人なんだから1食ぐらい何か自分で作って食べるでしょう」と言って笑っていた。


 うちの2人は料理が全く出来ないので、私が作らなければカップ麺か冷凍食品をレンジでチンする事ぐらいしか出来ませんが……。


 ホーム内にはコンビニ・スーパー・飲食店が営業しているので、える心配だけはしなくて良い。


 一旦いったん店を出て、サヨさんを連れて自宅に戻ってくる。

 昼食のリクエストを聞くと、やっぱり和食が良いと言われたのでまた2人で料理を作る事にした。


 その間、兄と旭はシルバーとフォレストと一緒に遊んでいるそうだ。

 兄達が呼んでも2匹は来ないので、部屋から出て名前を呼んであげる。


 2匹は直ぐにやってきた。

 兄はフォレストを見るなり頭をでてあげている。

 旭はシルバーに抱き着いてもふもふの毛に顔を埋めているけど、ちょっとシルバーの顔が嫌そうね。


 サヨさんは天麩羅てんぷらが食べたいそうなので、材料に海老・穴子あなご蓮根れんこん・ししとう・椎茸しいたけ竹輪ちくわ茄子なすを出す。


 サヨさんが亡くなった当時にはまだ無かった、てんぷら粉を紹介すると驚いていた。

 昔は家庭で天麩羅てんぷらを揚げるのは、コツ・・が必要だったんだよね~。


 氷水やベーキングパウダーも必要だったし。

 今は共働きをしている主婦の為に、便利な商品が沢山あるんですよと教えてあげた。


 私は、なんちゃって炊き込みご飯と茶碗蒸しに、イカと里芋の煮っ転がしとあさりの味噌汁を作る事にした。


 母が作っていた料理は、全部サヨさんから教えてもらった物なのかな?

 だとしたら、サヨさんも相当料理が上手なんだろう。


 きっと異世界に転生して一番苦労したのは食事だろうなぁ。

 調味料もろくに無い生活はつらかったはずだ。


 帰りに醤油・味噌・みりん・日本酒・砂糖・ザラメ・鰹節かつおぶし・昆布をお土産として渡してあげよう。


 茶碗蒸し用に、小海老・鶏肉・乾燥椎茸しいたけ(水で戻した物)・銀杏ぎんなん蒲鉾かまぼこ・長芋を用意する。

 

 ゆり根は何気に高いので、家ではいつも長芋を代用して入れていた。

 長芋を入れると、ほくほくして意外と美味しいの。


 今日も出汁の素ではなく、鰹節かつおぶしからきちんと出汁を取って茶碗蒸し用の卵液を作ります。


 天つゆ用に少し多めに出汁を取っておいた。

 大根と生姜しょうがをすりおろして、天つゆの準備は終了。


 もみじおろしも好きだけど、少々手間が掛かるので今回は生姜しょうがの方にした。


 イカは内臓を取り出して皮をき輪切りにしておく。

 里芋も皮をいたら下準備完了。


 イカをで固くなる前に取り出す。

 そのままゆで汁を使用して、里芋の煮っ転がしを作り最後にでたイカを入れれば完成。

 イカは火を通し過ぎると固くなってしまうので、最後に入れた方が良い。


 炊き込みご飯は簡単にレトルトを使用。

 舞茸まいたけ銀杏ぎんなんを追加すれば、兄達にはレトルトを使用した事は気付かれないだろう。


 炊けばちゃんとおこげ・・・も出来る。

 炊き込みご飯は、おこげの部分が美味しいんだよね。


 最後にあさりの味噌汁を作ったら私の方は完了。


 サヨさんが天麩羅てんぷらを揚げ出したので兄達を迎えに行く。

 

 今のガスレンジは揚げ物用に温度を調整出来るんですよと言ったら、本当に便利な世の中になったわねと感心していた。


 サヨさんの揚げた熱々の天麩羅てんぷらを冷めない内に、アイテムBOXに収納する。

 どうしても揚げ物料理は、作った人が冷めた状態でしか食べられないからね。


 料理にアイテムBOXが大活躍ですよ!


 全員が席に着いたら昼食の開始。


「「「「頂きます!」」」」


 テーブルの中央に揚げ立ての天麩羅てんぷらを出して、各自好きな物を取り皿に入れて食べてもらう。


 兄は海老から旭は穴子から、私とサヨさんは何故なぜか同じししとうからだ。

 おっ、これは好物を一番最後に食べる派とみた。


 お次は蓮根れんこん椎茸しいたけ茄子なすと続き、最後に海老だ。

 うん、ぷりぷりして美味しい。


 サヨさんも、久し振りに食べる天麩羅てんぷらに大満足のようだ。

 年齢の割にはよく食べている。


 兄達は炊き込みご飯を丼ぶりにお替りしていた。

 5合炊いたのに、全てなくなってしまう。

 残りは、おにぎりにしようと思ってたんだけど……。


 茶碗蒸しもイカと里芋の煮っ転がしも、サヨさんが美味しいと言って食べてくれたので嬉しい。


 少し試験を受ける時みたいに、ドキドキした事は内緒だ。


 元はサヨさんの味付けだから、師匠ししょうに食べてもらうみたいで緊張するのよ!


 兄や旭に作る時は、何とも思わないんだけどね~。

 2人は若返ってから食欲旺盛おうせいなので、食事の量が美味しさのバロメーターになっている。


 残さずにいてくれるのは嬉しいんだけど、予想以上に食べられると献立を考え直す必要が出てくるので少し面倒だ。

 

 明日の朝食に出そうと思っていた炊き込みご飯のおにぎり。

 何か別の物を用意しなくちゃね。

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