(特殊アイテム【ヴァイスの秘密ノート】の新たなページの解読に成功しました)
(以下、解読した文章を表示します)
このノートも3ページ目か。
さすがに難易度上げてるにも関わらず解析する、その努力に免じてお偉いさんの話でもしてやるかね。
といっても、ただその辺のおっさん貴族の話したって面白くねえよな? ま、弱み握るにはそれでも十分かもしれねえけどよ。
書いてる俺の気が滅入るんで、今回は弱み握れそうにねえヤツの情報でも書いておこうかね。
そんじゃ、楽しんでいってくれ。
【ヴァイスの秘密ノート3】
【名前】イクター・ラマウィ
【身分】公爵
【性別】男
【魔法適正】B
【スキル】未解明
【誕生日】1月16日(38歳)
【髪色・髪型】銀・短髪
【体型】身長177cm・体重65キロ・細身
【特徴】冷静沈着、常に余裕ぶってる。
【雑記】
ついにこのノートに公爵家の当主様が登場だ。といっても、コイツは元々男爵家の出だ。
だが、官僚として類稀なる才能を見せ、子爵へと上がったやべえヤツでもある。
伝説となっているのが、今まで利権に巣くう貴族共のせいで、20年以上赤字を垂れ流し続けていた王国の財政を、担当になって3カ月で黒字にしたという逸話だな。
こんなバケモンを放っておくはずもなく、国外への引き抜きなんかを恐れた前国王は、娘と結婚させてこの国に縛り付けたってワケだ。
もちろん、そこそこの地位のヤツには、それ相応の爵位がなけりゃ、周りが動かせないって理由もあるが、これは建前だろうな。
当然、王女を子爵家へ嫁入りさせるはずもなく、婿入りする形で、コイツは公爵に上り詰めたのさ。
今では財政と金融の、金の流れを一手に引き受ける役職に付いている。
国の金の流れは、すべてコイツが握っていると言ってもいい。
ま、うまくその権力を利用してやろうと企み、すり寄ってくる面倒な奴らも多いが、うまく躱しているようだ。
スキルは公表されていないが、おそらく事務仕事に向いたモンだと思う。
残念ながら、俺の調査能力をもってしても、そんなスキルを見分けるのは無理ってもんだ。
スキルは超常現象を起してこそスキルと見分けられるが、これは地味すぎるぜ……。
性格は貴族らしからぬ、身分を問わず公平に接する人物として有名だ。
まあそれも、仕事上平民とも関わることもあり、仕事をうまく回すためって側面もあるだろうがな。
使える奴は、立場関係なく使う。なんて、合理的な一面とも言える。
そんな合理性のカタマリだが、娘だけは特別だ。無駄に溺愛している。
そりゃもう病的なほどに。子離れするには、少々過激なイベントが必要だろうな。
【名前】エリヌス・ラマウィ
【身分】公爵
【性別】女
【魔法適正】F
【スキル】必中
【誕生日】11月23日(15歳)
【髪色・髪型】金・ロングヘア
【体型】身長169cm・体重52キロ・胸のサイズは……Aの下っていくつだ?
【特徴】じゃじゃ馬。最近特にひどくなってる気がする。
【雑記】
イクター・ラマウィの娘。溺愛されすぎて、自己中心的に育つかと思いきや……。
誰にでも分け隔てなく接する、貴族らしからぬ性格をしているってのは、父親譲りだ。
それもこれも、父親が下級貴族からの叩き上げというのが大きいだろう。
母親は女王の座を狙っていただけあり、貴族らしい貴族なんだけどな……。
ま、寛大という名のなあなあで済ます父親に懐いたのもあって、父親に似たんだろう。
現国王の息子に当たる、オズナ王子と許嫁関係にある。二人はいとこだが、貴族ってのはそんなもんだ。
聞いた話では、昔の二人はかなり仲が良かったようだな。基本的に王子が世話する形でだそうだが。
その頃は病弱で、言葉通りの意味で、王子におんぶにだっこだったらしい。
ま、俺はその時はコイツとは面識なかったし、詳しくは知らないんだけどな。
それが今じゃじゃじゃ馬だ。さてはて、留学から帰った王子は、コイツを見てどう思うかな?
あ、あと余談だが……。胸はまさに板だ。まったくないと言って差し支えない。
だが、普段の服や制服は、めちゃくちゃ盛られている。
さすがに、貧相すぎるボディーラインを晒すのは、公爵令嬢としてマズイらしい。
本人は上げ底を、心底めんどくさがってるけどな。
ま、この話には、二重の意味で触れちゃなんねぇな。俺も痛い思いはできるだけしたくないからな。
今回はここまでだ。
どうだ? 公爵家の話が出てきて、やっと暗号解読したかいがあったってもんだろ?
ま、まだまだ深い部分は書いてないんだけどな。もし読み進める気があるなら、後のページに追記してやってもいいぜ。
それじゃ、俺は次のページを暗号化するとしようかね。じゃあな。
これにて第三章終わり!
1週間ほどお休みを頂き、次回は8/28(土)に更新します。
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