スキルを模倣しまくって最強無敵!魔王?勇者?どっからでもかかってこいやー!

オギコン
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聖女たちとの出会い

公開日時: 2021年11月12日(金) 18:00
文字数:2,923

ギルドでCクラスの依頼を受けたマルコイたちは時間が昼過ぎだった事もあり、昼食をとる事にした。


「屋台に行きたいですぅ。」


うちの食いしん坊担当のミミウの一言で屋台に行く事になった。


ミミウさんの身体は屋台飯でできていると思われる。


いつものようにドリンクを頼んで屋台を回っていた。


「そういえばこの間行ったポテート屋さんが塩じゃなくて、新しい味を出したらしいですぅ。行ってみませんか?」


自分のドリンクを見てみると、あのモサモサ感を突破できる程度の量は残っており胃袋にも若干の余裕はあったため、3人で店に向かう事にした。


「あ、ミミウ師匠!師匠が言った通りドリンクを出して塩以外に酸味のある味を出したら客足が増えましたよ!」


「そうですかぁ!それはよかったですぅ。」


おい。ミミウさんや、師匠呼ばれてますけど‥

いつの間にコンサルタント業までしてるのかね?


店主自慢の新しい味のポテートを3つ頼む。


赤いソースのかかったポテートで、食欲をそそられる何とも言えない匂いがする。

一口食べてみる。トメトを使用しているのか酸味があるが、それ以上に辛味が後からやってくる。

けっこう‥いやかなり‥いたたた。

これ唇腫れるぞ。美味しいのは美味しいのだが、かなり酸っぱ辛い。

食べる人選ぶんじゃないかな?でも辛みがいいのか、けっこうな人が食べてるみたいだ。しかし皆んな額から汗を流しながら食べている。

ん〜、ここは我慢大会か何かの会場なのかな?


そんな事を考えていると、ふと女性の声が耳に入る。


「ほら?ポテトもあるし!ハンバーガーやホットドッグはないのかしら?」


ポテト?ポテートの事か?それにハンバーガー?ホットドッグ?聞いた事のない名前だが、どこかの名物なのか?


声のした方を見てみると、黒髪の女性が2人で屋台をみて話をしているようだった。

2人とも整った顔立ちをしているが、正反対なイメージを受ける。

1人はショートカットで切長の目で若干気の強そうな印象を受ける女性だった。綺麗というよりもカッコいいと言う言葉の方が似合いそうだった。

もう1人は髪が長く少し垂れ目のせいか、おっとりとした印象のいかにも貴族のお嬢様といった感じである。

2人ともラフな格好はしているが、ショートカットは動きやすい格好で、ロングの方は丈の長いワンピースを着ている。


黒髪は珍しいのは珍しいが、特におかしいところはない。


しかし普段は無闇に使わない【鑑定】を使う事にする。

特に理由はない。いってしまえば第6感のようなものだ。

この2人には【鑑定】をしなくてはいけない。そんな予感のようなものを感じて【鑑定】を発現する。


鬼頭あやめ

スキル【聖騎士】【堅牢】【異世界の知識】


一ノ瀬恵

スキル【聖女】【属性魔法:聖】【異世界の知識】


ショートカットが鬼頭あやめでロングが一ノ瀬恵か‥

じゃなくて明らかに勇者御一行様である。

それはスキルでわかるのだが、2人が共通で持っているスキル【異世界の知識】とは一体なんだ?


「異世界の知識‥?」


つい口でつぶやいてしまった。


すると2人の女性がこちらを睨むように見る。


「あいつ今確かに異世界って言ったよね。」


「私にも聞こえました。」


やばい‥

ドラゴンの尻尾を踏んだようだ。

慌ててその場を去ろうとするが、ショートカットの方が走り寄ってくる。

確か鬼頭あやめだったか。


「ねえあんた!今何て言ったの?」


「はあ?別に何も言ってないぞ。なんだよ、いきなり。」


なぜかヤバそうな匂いがプンプンするので、必殺!すっとぼける!を使う事にした。


「いや、私達2人とも聞いたのよ。今あんた異世界って言ったでしょ!」


「ん?なんだそれ?俺は景色をみていい世界だなぁ〜って言っただけだよ。」


「そっか。じゃあいいわ。お騒がせしたわね‥ってなる訳ないわよ。」

「あんたは私達の方を見て異世界って言ったし、私と目が合った後に逃げようとした。それに異世界って言った後にどういう意味か聞きもしなかった。絶対確信して言ったはずだわ。」


ちっ‥思いの外、勘がいいやつである。


「もしそうだったら何だって言うんだ?別にあんたたちに迷惑かけたわけじゃないだろ?」


「大アリよ。この世界には鑑定なんてスキルはないって聞いてたし、判別はあっても触る条件さえ気をつければ問題ないから、絶対バレないと思ってたんだねどね。どうやってわかったのかしら?」


「そんな事を話すわけないだろう。なんで冒険者が自分の飯の種であるスキルの秘密をペラペラしゃべると思ってるんだ?要件はそれだけか?それじゃ俺は忙しいからもう行くぞ。」


捲し立てるようにそう言って俺は踵を返した。できればこのまま諦めて欲しい。切に願う‥


「どうしよう、あやめ。私達帰れなくなっちゃうのかな?」


「恵、とりあえず宿に帰って正人達にも相談しないと。宿に戻りましょう。すぐにでもガーノスさん抜きで話しをしないと。」


う〜ん、絶対諦めない雰囲気だよなぁ‥

バーントのおっさんごめんなさい。絡むなって言われてたけど、不本意ながら絡まれそうな予感がするよ。


とりあえず勇者御一行の件は頭の隅に追いやってCランク依頼を達成する為に王都の外へ出る。


今回の討伐依頼はCランクでも下位になる、オークの討伐だ。


普段は単独でいるらしいが、発見したのは3体の群れだった。

流石に討伐は難しいと考えて引き返そうとしたが、運悪く見つかってしまい強制的に戦闘となった。


逃げの一手ではあったが、隙を作るためにアキーエが魔法を放つ。


「炎壁!」


3匹の真ん中にいたオークの足元から火柱が噴き上がる。

真ん中のオークはモロに魔法を喰らい炭化している。

突然の火柱に驚いているオークの側頭部に、ミミウのウォーハンマーが炸裂する。

ミミウがオークを倒した事を確認したアキーエが炎壁を強制的に終了させる。

急に壁が消えた事に驚いたオークだったが、目の前のアキーエを見て下卑た顔で近づこうとする。

その頭部をミミウがウォーハンマーで狙うが、オークは直前に気づき腕で頭を庇う。

ウォーハンマーは腕に当たり、辛くも絶命を免れたオークの頭部に火球が着弾する。

悶えるオークの頭部を今度こそミミウのウォーハンマーが破裂させる。


ものの数十秒でオーク3匹は息絶えていた。


え?なにそれコワイ‥‥

下位とはいえCクラスのモンスターの群れだったのだ。

俺はいくらギルドの資料で見ていたとはいえ、初見のモンスターだったし、事前の作戦会議で群と出会ったら撤退としていたのだが‥

「えっと‥群れと当たったら撤退だったよね?」


「え?3匹くらい問題ないでしょ?5〜6匹くらいならまでなら余裕持って戦えると思ってたわよ。確かにマルコイが言っていたように10匹くらい群れでいたら撤退した方がいいとは思ってたけど?」

アキーエが何言ってるのって顔をしてミミウも頷いている。

え?なにそれコワイ‥‥


言葉って難しいよね。


結果的に2人で3匹程度なら問題なかった事から、Cクラス下位のオークの強さはキラーベアよりも弱いくらいだった。恐らくキラーベアがCランクに上がったのは正解だったと思う。


とりあえずCランクの手応えを感じられたので、今日は帰る事にした。


帰る途中にミミウが前方を見ながら気になる事を言い出した。


「マルコイさん前方に人がいますぅ。」

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