スキルを模倣しまくって最強無敵!魔王?勇者?どっからでもかかってこいやー!

オギコン
オギコン

剣の作製

公開日時: 2021年11月18日(木) 20:00
文字数:3,726

「うん問題ないわ。良質のミスリルみたいよ。」


「よかった。後は値段の交渉だな。」


流石に希少金属だ。全て使ってナイフの刃先が出来るかどうかの量だが、パーティの貯金ではなく、自分の貯めているお金だと買ってしまうとほぼなくなる。


「キリーエ頼む。この先の俺の生活はキリーエの手腕にかかっている。」


「なんかあんまり頑張らなくてもいいような気がするんやけど‥まぁ頼まれたからにはしょーがない。全力で頑張りますわ。」


するとキリーエは店の人を捕まえて値段交渉を始めてくれた。


「おっちゃんこのミスリルやけどな。インゴットやないからもう少し安くしてくれん?」


「いやいや、お嬢ちゃんインゴットじゃないからこの値段なんだよ。でも多少は安くすることもできるけど‥」


「じゃあこの金の混じった小ぶりの鉱石も合わせて買うから合計でこの値段でどう?」


「それじゃ商売上がったりだから‥‥‥」



15分ほど値段の交渉が続いていたが、ついに店主が折れてくれたみたいだ。


「マルコイさん金はウチが買うけど、ミスリル単体だと最初の値段の4/5くらいの値段にはなったよ。」


4/5ってすごくないか?確か金貨50枚くらいだったはずだが40枚まで値引きしてもらったのか‥

もうキリーエに頭が上がらない気がする‥


「よ、よし思ってた以上の成果ありがとうございます。」


「なんで丁寧な言葉使いなの?」


「い、いや改めて凄いなと思いまして。」


そして目的のミスリルの他に鉄鉱石などを購入して市場巡りツアーを終了するのだった。


「終了しないですぅー!」


「まだ小麦の粉で作る美味しい料理食べてないですう!」


おう‥

今日は疲れたから明日にでもしたかったが、明け方から部屋の前に待たれそうな気がするからな。


宿の厨房を借りて料理をする事になった。


「さてまずは小麦の粉をボウルに入れて、次に蜂蜜を入れる。」


他の材料はミルクと卵だ。

全部の材料を混ぜて、熱した平たい鉄鍋に流し込む。

そして表面に気泡がふつふつと出てきたらひっくり返す。

ん〜いい色合いだ。

両面を焼いたら皿に移して残りの蜂蜜をかける。


「さて出来上がりだ。ホットケーキって食べ物らしくて、向こうの世界では食間なんかに食べるみたいだぞ。」


「へ〜、美味しそうね。」

「ほんと。これは商売になりそうや。」


ん?ミミウが大人しいな‥

あ、ホットケーキに釘付けになってて言葉を発する事も忘れているようだ‥


「はは。じゃあどうぞお召し上がり下さい。」


俺も1枚食べてみよう。

おお、これは美味しいな。

俺はそんなに料理は得意じゃないんだが、そんな俺でも出来るくらい簡単だし偶に作って食べるのはいいかもしれない。


「こ、これは予想以上に美味しいわね。」


アキーエの口にもあったみたいだな。


「これは薄くして、上にフルーツを乗せて見栄え良くしてもいいかもしれない。他にも乗せるものをアレンジすれば‥」


キリーエさん‥全てが商売に繋がってますな。


ミミウは‥

うん。自分で次を焼いてるな‥

しかも3段重ねにチャレンジしてらっしゃる‥


異世界の料理はやはり美味いな。





次の日のに早速サミュウさんのとこに向かう事にした。

朝からミミウが大量のホットケーキを作っていたのにびっくりして、キリーエが屋台の主人らしき人と真剣な話をしているのを見てもう一度びっくりした。


今日は1人でもよかったのだが、一度サミュウさんのところに行ってからその場で自由行動にする事にした。

何故か理由を聞いたらアキーエ曰く、何するかわからないから。だそうだ。

割と常識人と思っているのだが、解せぬ‥


サミュウさんのお店に着いたら、サミュウさんがすぐに出てきてくれた。


曰く、外で営業して来てもらう以外はあまり人が来ないからだそうだ。

何故か涙が出そうになった‥


持ってきた素材を作業場に持ち込む。

もちろんメインはミスリルだ。

それに鉄鉱石に木炭などの素材を持ってきている。

今回作成する予定のダマスカス鋼の素材である。【異世界の知識】でわかった素材なのだが、きちんとした製法は【異世界の知識】でもわからない。

わかる範囲としてはダマスカス鋼は鉄鉱石と石炭や生の木のはなどが必要になる。

それを一緒に溶かすのだが、それにミスリルを入れて魔力の通りと切れ味、耐久性を増せないかとおもっている。

勇者達の世界の技術ではあるが、ミスリルを入れてできるかわからない。

そこはスキル【剣匠】に期待だな。

はっきり言ってしまえば、かなりの高額なお金を使った博打である。


しかし‥

男のロマンである!

そしてスキル【剣匠】ができると言っている!と思う。


とりあえずこの場で各自、自由行動としそれぞれやりたい事をやってもらう事にした。


アキーエは本屋が幾つかあったそうなので、回ってからここに戻ってくるとの事。


ミミウとキリーエは市場に行くとの事だが、ミミウはわかるがキリーエは朝、屋台の人と話していた事に関係あるのだろうか?

うん。ちょっと悪い顔になってるから関係あると思う‥


皆んなと別れた後、作業場に戻ってくる。

サミュウさんは今日は夕方まで作業場は使用しないらしく今から自由に使わせてくれるらしい。


作業場の炉を使い、るつぼによる製鋼を行う。見事なインゴットを作成することができた。


今回作成予定の剣はロングソードになる。一発勝負だから慎重にいかなくてはいけない。


鍛造については料金がかかってもいいので、サミュウさんに手伝ってもらうことにした。

鍛造が1番重要な工程だと思っているので、ここで人の手があるのは非常に助かる。


1日で出来る物ではないため、作業場を借りれる時間をフルに使ってその日の作業を終わる。


予定としては20日間ほど作業場を借りて作っていくつもりだ。

実際は借りれない日もあるそうなので、もっと日数はかかるとの事。

その間は依頼を受けたり、スキルを模倣しながら過ごすとしよう。


本屋から戻り合流したアキーエと共に宿に戻ると、ミミウがホットケーキから生えていた。

いや、これは埋まっているになるのか?

どう考えても作り過ぎだとは思うけど、そんなに気に入ってくれたのならよかった。

キリーエは宿の主人と何やら交渉しているようだった。

「この宿の目玉としてホットケーキを出すなら、レシピの使用料を安くして提案すること‥‥」


ん。明日からは宿でもホットケーキを食べれるようになりそうだ。




今日はサミュウさんの作業場が借りれないため、依頼を受けるために冒険者ギルドに行く事にした。


朝から宿でも食べれるようになったホットケーキを食べながら考えているが、何か大事な事を忘れているような気がする‥


どんなに考えても頭にモヤがかかったようになり思い出せない。

とても大事な事だった気がするのだが‥


そんな事を考えながら冒険者ギルドにやってきた。

そして中に入り、受付嬢の頭にあるうさ耳を見た瞬間に全てが鮮明に思い出された。


ガチムチオカマうさ耳だった‥

なぜこんな大事な事を忘れていたのか‥

いや、意図的に忘れようとしたのだろう。

神よ、何故俺にこんな試練を与えようとするのか。



「お、おい大丈夫か?」


膝折れし床に倒れ込む俺に心配した冒険者の人が声をかける。


「あ、心配しなくて大丈夫ですよ。いつもの発作なので。しばらくしたらスイッチが入って元に戻るので。」


アキーエさんが慣れたように回答している‥


倒れ込むマルコイをよそにアキーエたちはギルドの依頼を探す。


「はっ!」


今回は15分程度で戻ってきたマルコイのもとにアキーエたちがやってくる。


「いくつか面白いのがあったわよ。」


そう言いながら戻ってきたアキーエの持っている依頼書を確認する。


Bランク依頼、Cランク依頼‥

それと、ランク制限なし?

詳しく読むと戦闘はA〜Bランク。C〜Eランクはモンスターに到着するまでの露払いのようだった。

討伐対象モンスターは‥

北側の山に最近住み着いたドラゴンの討伐だ。


「この依頼のどこが面白そうなんだ?」


アキーエにそう尋ねる。


「だってどのくらいのパーティが参加するかわからないけど、メインで戦わなくてよくって他のパーティの戦う姿を確認できるってことでしょ?今後のスキルを模倣するために必要な過程が1つ得られるって事じゃない。しかもお金ももらえるし。」


なるほど。

俺の事を思ってのことか。

ありがたい。


「皆んなはどう思う?」


「わたしたちは時間があったから充分話あったわよ。この国にきた目的である立ち回りも高ランクの冒険者がいるから見ることができると思うから受けてもいいかなって事になったわ。」


皆んなのレベルアップに繋がるなら受ける事にしよう。

多分今しか受ける事ができない依頼だと思うしな。


「キリーエはどうする?」


「ウチは屋台の件で忙しかったから助かるかな。ちなみに討伐依頼の報酬以上の収入が得られそうだから期待しといてな。」


おお。それは懐が寂しくなっていた俺にとっては大助かりだ。


「それじゃあドラゴン討伐依頼を受ける事にしよう!」


皆んなにメリットがあるのなら受けてみようと思う。後は危険性がどれくらいあるかだな。


とりあえず依頼を受けるために受付に向かう。


「あら〜ん。アキーエちゃん達依頼決まったのかしら?」


あ、忘れてた。

ガチムチオカマうさ耳さんが受付だったんだ。

そのあとまたしばらくマルコイは落ち込んでいた‥

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