スキルを模倣しまくって最強無敵!魔王?勇者?どっからでもかかってこいやー!

オギコン
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闘技会

闘技会への誘い

公開日時: 2021年11月20日(土) 12:00
文字数:3,782

ドラゴン討伐を完了し、マルコイ達は首都に戻ってきた。

帰りは行きの時のようにモンスターが多量に出現することもなくスムーズに戻る事ができた。


「報酬については各パーティでギルドからもらってくれ。今回は犠牲もなく討伐する事ができた。ありがとう。それじゃまた機会があれば組む事になるかもしれないから、その時はよろしくな。」


ギルド前にてバラックスが各パーティに向かって告げる。

討伐証明はバラックスが行うので、報酬自体は後日でも受け取る事ができるらしい。

今日は疲れたので、一旦宿に戻る事にしてギルドを後にしようとした時に1人の少女が駆け寄ってきた。


「マルコイさん。本当にありがとうございました。私ナーシスって言います。助けていただいたお礼は後日改めて伺います!」


少女はドラゴン討伐の時に最後に助けたDランクパーティの少女だった。

茶髪よりもオレンジかかった髪の毛を後ろで纏めていてポニーテールと呼ばれる髪型をしている。

まだ少女らしいあどけない顔をしているが、将来は美人になりそうな顔である。

マルコイより2〜3歳は歳下だろうか。


「別に気にしなくていいよ。たまたま俺が近くにいて、気づけただけだし偶然だよ。」


「でも私がマルコイさんに助けられた事は確かなんです。それにとってもカッコ良かったです!だからお礼がしたいんです。それじゃまた今度!」


顔を赤くして少女は自分のパーティがいる場所に戻っていった。


面と向かって感謝されると、なにかとても恥ずかい。

仲間を見ると2人ともニマニマしていた。


「なんだよ?」


「別に〜。」


「照れてるマルコイさん可愛いですぅ。」


「う、うるさいな。」


終始ニマニマしている2人と共に宿まで戻るのだった。



ギルド内ではバラックス達が討伐依頼の報告を行っていた。


「お疲れ様バラックスちゃん。でも若いドラゴンとはいえ、全く被害なく倒せたのは僥倖だったわ。みんな覚悟して依頼を受けているとしても、送り出す側としてはやっぱり悲しいもの。」


イザベラは少し哀しげな表情をしてそう呟いた。


「そうだな‥しかし今回は優秀なCランクパーティがいたから助かったよ。確か『クリエイト』ってパーティ名だったかな。銀髪の少年と赤髪の少女、それと小柄な金髪の盾士の女の子パーティだ。」


「あら?アキーエちゃん達ね。そうなのあの子達優秀だったのね。まだ首都に来たばっかりだったけどCランクだったから今回の依頼で足を引っ張る事はないと思っていたけど、そんなに優秀だとは思ってなかったわ。」


「赤髪の少女の魔法は目を見張るものがあったし、小柄な女の子は盾士としてのかなりの実力を持ってるな。あと銀髪の少年はかなり強いな。それこそBランク上位はあるんじゃないか?」


「そんなに?」


イザベラは驚いた表情でバラックスに問いかける。


「ああ。Cランクだけど、多分闘技会でもいいとこいけると思うぜ。ギルドで推薦した方がいいんじゃないか?」


「わかったわ。ギルドマスターに話してみる。」


イザベラはドラゴン討伐依頼の手続きを済ませるとギルドマスターと話すため、ギルドマスター室に向かうのだった。




マルコイ達は宿に戻り休みをとり、次の日にキリーエと合流していた。


「マルコイさん!ホットケーキは最高やな!今回マルコイさんから聞いたホットケーキやけど、レシピを売るのは勿体なかったから新しく商会を作りました!商会の名前はホット商会にしてとりあえず屋台から始めたら売れて売れて笑いが止まらんよ。」


おう‥

キリーエのテンションが高くて半端ない。


「ここ数日の利益は設備投資と事業拡大に投資するからあんまり残らんけど、そのうち結構な金額をマルコイさんに渡せると思うよ。」


「ありがとう。でも真似されたりしないのか?」


「ホットケーキは商人ギルドに登録したから、ギルド判断にはなるけど類似品とかはできないから大丈夫。辺境の村とかギルドがない所だと管理できないけど、国の大きな街とかはほとんどギルドがあって規制してくれるから。」


なるほど。商人ギルドが商品をきちんと管理してくれるんだな。商人ギルドは登録や年会費もかかるってキリーエが言ってたし、そこの辺はきっちりしてるわけだ。


「マルコイさんが食べ物関係でアイデア出してくれたら、今後はホット商会で売り出していくから任せといて。」


それはありがたい。

ミミウに美味しいものを食べさせたいと思って作っていたが、それが商品になってお金になるなら大助かりだ。

俺の懐的にも‥


「わかったありがとう。ところで今日はギルドに討伐依頼の報酬を受け取りに行くがキリーエはどうする?」


 「行きたいところやけど、今からホット商会として話し合いがあるから今日のとこは遠慮しとく。」


「わかった。あとホットケーキだけど、ミミウがいたから思いついたからミミウにたくさん食べさせてくれ。」


ミミウの目が魔法が発動するじゃないかと思えるくらいキラキラしている。


「いいんですか?」


するとキリーエは頷き


「もちろんいいよ。ミミウちゃんがいなかったならホットケーキがなかったんなら、ミミウちゃんが1番の功労者やから。」


「やったぁ〜!」


その後宿でキリーエと別れ、マルコイたちは小躍りするミミウを小脇に抱えてそのままギルドに向かった。


ギルドに入るとすぐにイザベラがこちらに気づいたので、そのままイザベラのもとに向かう。


「あら〜んアキーエちゃん達。依頼の報酬を受けにきたの?」


「はいイザベラさん。もう受け取りできますか?」


「大丈夫よ。準備できてるわ。それとよかったら少しお話いたいんだけどいいかしら?」


アキーエがこちらに目配せするので、軽く頷く。


「はい。大丈夫ですよ。此処でですか?」


「別に周りに聞かれても構わないんだけど、せっかくだから応接室に行きましょ。」


ここでも応接室に行く事になるとは‥

そう思いながらイザベラの後をついて行く。


「どうぞ。」


ギルドの応接室は王都とさほど変わりのないこざっぱりとした部屋だった。


「それで話ってのは?」


マルコイは座るとすぐに本題に入るよう促した。


「もう〜。せっかちな男はモテないわよ。今回のお話っていうのは、マルコイ君達に闘技会に出てみないかって相談よ。」


イザベラさんにモテたくはない‥


ん?闘技会?


闘技会?

何のことかわからずアキーエを見る。

む?アキーエが知らないの的な顔をしているな‥

うん恥ずかしながら知りません。

目にアキーエさんちょっと変わってくれませんと込めてアキーエの方を見る。


「はぁ‥もう。」 


「イザベラさん。ロレッタス獣人国で行われている闘技会は確か高ランク冒険者が参加できる催し物でしたよね?わたしたちはまだCランクなんで出れないと思うんですけど?」


アキーエに想いが通じた。


「そうね。参加できるのは最低でもBランク以上の冒険者である強者で、国は問わないからエルフェノスや大陸の北にあるロンギル共和国、エルフやドワーフの国からも参加する事があるわ。まぁ神聖国からの参加は今までないけどね。」


神聖国は人族至上主義で獣人国としばしば対立してるからな。

戦争しかけてくる事はあっても催し物に参加はないだろ。


「だったら何でわたしたちに?先程言った通りまだCランクの冒険者ですよ。」


するとイザベラは胸元からメモを取り出した。

どっから出しとんじゃい。

それは胸が大きな女性の特技だぞ‥


「ドラゴン討伐依頼を一緒に受けたバラックスちゃんやアマンダちゃんから話が上がってね。アキーエちゃん達の実力からすると闘技会に出場させた方がいいって。」


イザベラはまたも胸元から紙を取り出す。

頼むから普通にポケットから出してくれるかな‥


「各ギルドにはBランク以下でも実力があれば闘技会に参加できるようギルド推薦があるの。1パーティだけだし、推薦しない時の方が多いわ。でも獣人国は実力主義だから、参加資格がありそうな人には参加してもらえるようにギルドから声をかけるよう義務付けられてるのよ。登録したばかりのEランクの冒険者が出場した事もあったわ。その子は今ではAランクになって近々Sランクに昇格しそうになってるけどね。」


イザベラは闘技会のギルド推薦の事について書いてある紙をみせながら話をする。

なるほど。

しかしそこまで他のパーティに評価されてるとは思わなかったな。

依頼の途中から妙に視線を感じる気がしていたが、そのせいだったのか。


マルコイは気になる事がありイザベラに質問する。


「闘技会に参加するのは検討するけど、そもそも闘技会はいつ頃開催予定なんだ?」


「闘技会は今から約3ヶ月後になるわ。参加受付自体は1ヶ月前からになるから、それまで考えてもらって大丈夫よ。」


「もし俺たちが参加したいって思った時に、他にも実力があるCランク以下の冒険者がいた時は?」


「その時はギルド職員のもと、模擬戦をしてもらう事になるわね。もしいればの話だけどね。」


ふ〜む‥

持って行き方次第ではバラックスさんたち限定だけどこれを理由にスキルを模倣する事が出来るかもしれないな‥


「わかった3ヶ月後だな。参加受付まで少し考えさせてもらうよ。」


「そうしてもらうと助かるわ。活躍次第ではランクアップも考慮されるし、もちろん賞金や賞品もでるからよく考えてみてね。」


「ああ、わかった。」


闘技会か‥

参加してみるのも面白いかもな。

そう思いながらウトウトして船を漕いでいるミミウを小脇に抱え、応接室を後にした。

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