スキルを模倣しまくって最強無敵!魔王?勇者?どっからでもかかってこいやー!

オギコン
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闘技会への参加

闘技会参加

公開日時: 2021年11月23日(火) 18:00
文字数:3,665

ダマスカス剣が完成して、2ヶ月がたった。


その間に俺たちはモンスター討伐を主に行いそれぞれレベルアップを図った。


「マルコイさん!前方からオークの群れが来ます。その数20は超えそうです。」


「わかった。アキーエ先制で魔法を頼む。」


「いいの?もしかしたら私の魔法だけで終わるかもよ。」


アキーエは少し微笑んだ後、杖に魔力を込めだした。


「灼熱砲火!」


アキーエの手元から真っ直ぐに放出された火の槍は10メートル程先で放射線状に広がった。


線上にいたオークのほとんどはその熱波をまともに受けて炭化して動かぬ骸となった。


その炭化したオークであった物の後ろから他のオークの1.5倍はありそうな大柄なオークが現れた。


今回の依頼対象のオークソルジャーのようだ。

生き残った数匹のオークを連れてこちらに向かってくる。


「オークソルジャーはミミウがやるか?」


「はい!任せてくださいですぅ!」


返事を聞いて俺はオークソルジャーの周りにいるオークに照準を合わせる


エンチャント:風を使いオークに向かって駆ける。

数歩でオークまで到達した俺はオーク達に向かい剣を振るう。

さほど抵抗らしい抵抗もできずオークたちは絶命する。

そんな俺に対しオークソルジャーは手に持つ斧を振おうとするがその前に大きな盾で横に飛ばされる。

オークソルジャーはすぐに体制を立て直し、巨体を持つ自分を飛ばした強者の方を見る。

そこには身の丈に合わない大きな盾を持っている少女がいた。


少し困惑したオークソルジャーだったが、すぐに手に持つ巨大な斧と鉄を繋ぎ合わせたような巨大な盾を構える。

その盾に向かいミミウはショートスピアを突き立てる。

オークソルジャーは槍を盾で防ぎ大きな斧を振おうとするが異変が生じる。

持っていた鉄の盾が大きく弾かれたのだ。

それに盾にはヒビが入っている。


弾かれた盾を戻そうとするが、腕が動かない。

するとオークソルジャーは腕が曲がらない方向を向いている事に気づく。

すぐに小さな強者の方を振り向いたが目の前に見えたのは彼女が振るう槍の穂先だった‥

 




「ふぅ。これでオークソルジャーの討伐完了だな。」


「そうね。Bランクの依頼だったけど問題なかったわね。」


アキーエは魔力を込めていた杖を下ろす。

もしミミウの攻撃で倒せなかった時のために追撃の用意をしていたようだ。


「ミミウも大丈夫か?」


「はい!身体は何ともないですぅ!ただ‥」


ミミウは穂先に綺麗な縞模様を持ったショートスピアを盾の裏に収めながら応える。


「ん?ただどうした?」


「お腹が空いたですぅ‥」


ミミウさんよ。オークの群れを発見する少し前に食事を摂ったと思うのだが‥

代謝がいいんだろうな‥

ミミウの小さな体で大きな力を出すのは食べ物というエネルギーが必要なのだろう。


「よし!それじゃ首都に戻って討伐報告をしたら食事に行こうか。」


「わーい!」


「そうね。」


闘技会の誘いがあって2ヶ月が経った。

そろそろ参加の有無の答えを出す必要があるだろうな。

まあすでにどうするかは決めているけどな。


2ヶ月レベルアップに力を入れた事で、俺たちは大きく力をつける事ができた。


マルコイ

冒険者ランクC

スキル【模倣Lv.4】【鑑定Lv.5】【剣匠Lv.2】【エレメントナイトLv.3】

模倣スキル【属性魔法:聖】【堅牢】【思考】【身体能力上昇】【強化】【指揮】【探索】【錬金術士】

模倣スキルストック【勇者】【聖人】【聖騎士】


アキーエ

冒険者ランクC

スキル【判別Lv.6】【属性魔法:爆炎Lv.2】

模倣スキル【格闘士】【下肢筋力上昇】


ミミウ

冒険者ランクC

スキル【遠視Lv.7】【盾鬼Lv.3】

模倣スキル【槍士】【腕力】【俊足】


スキル自体冒険者ランクBを相手しても遜色はないはずだ。

俺は別として‥


ギルドからもそろそろBランク昇格になりそうだとも言われているしな。


ギルドに着いたので依頼完了の報告をするために受付に向かう。

すると突然背後に気配を感じる‥

振り返ると‥うさ耳が揺れていた。


「あら〜んマルコイちゃん。オークソルジャーの討伐も完了したのね!凄いわね。多分今回の依頼でBランク昇格になると思うわよ。」


「なに?今回の依頼はギルドからの指名依頼だったから、完了したらBランク昇格の試験があると思っていたけどそのまま昇格になるのか?」


するとイザベラはその場でくるりと回った。


「そうね。DランクからCランクに上がるにはこれから戦っていけるのかギルド職員の判断が必要になっていたけど、Bランクの冒険者にもなるとギルド職員では判断がつかない事が多いのよ。だからAランクに近い依頼を指名して達成する事ができたならBランクに昇格になるわ。」


なるほど。確かにギルド職員の全員が高ランク冒険者ってわけじゃないからな。

大きなギルドでも引退したAランクが1人いるかいないかと聞いた事がある。



しかし何故まわった‥?



「でもBランクに昇格するならマルコイちゃん達はギルドからの推薦じゃなくなるわね。」


うさ耳がすっと近づいてくる。

もちろんエンチャント:風を使って距離を稼ぐ。


「何の話だ?」


「んも〜ういけず。闘技会の話よ。参加資格はBランク冒険者からになるからCランク冒険者だったマルコイちゃん達に推薦する予定だったけど、Bランクになった事で推薦必要なく参加する事ができる事になったのよ。」


「なるほど。それは残念だったな。」


するとイザベラはニヤリと笑う。

うん怖い。


「それがね。実はマルコイちゃん達がBランクに上がった事で他のCランク冒険者を推薦する事ができそうなの。」


「ん?ギルドからの推薦はそうそうないんじゃなかったのか?」


「それがマルコイちゃん達の他にも逸材がいたって事!マルコイちゃん達も会った事があるはずよ。」


自分たちと同じCランク冒険者であまり知り合いはいなかったはずだが‥


「ドラゴン討伐で一緒になった元Dランク冒険者のパーティよ。そこのリーダーで希少スキルを持つ冒険者が参加するわよ。」


もしかしてナーシスがいるパーティなのか?

希少スキルか‥

模倣したくてうずうずするな‥


「もうすでに参加表明してるのか?」


「もちろん。ところでマルコイちゃんはどうするか決めたの?」


そうだな俺は‥


「俺は闘技会参加するよ。」


アキーエとミミウには話をしていたから驚いた様子はない。


「そうなの!よかったわ。今年の闘技会は盛り上がりそうね。」


「イザベラさん。」


アキーエとミミウがイザベラの方に寄っていく。


「わたしとミミウも参加するわ。」


「え?ほんと?パーティ全員参加するなんて滅多にないわ。やるわねマルコイちゃ‥」


はい?

聞いてないんですけど‥?

推薦聞いた時は参加しないって言ってなかったっけ?

アキーエたちをみるとニヤニヤしている。


「聞かれなかったから言わなかったけど、わたしとミミウは話し合って参加する事に決めてたの。」


く〜。

アキーエのしてやったりの顔が‥

可愛い‥


「いいのか?脳筋ばっかり参加するぞ。」


「ふふん。マルコイのおかげだけど、わたしもミミウも1人で戦う力を得る事ができたわ。だから自分たちの力を試したいってのが本音ね。」


そうか。そこまで自分たちで決めてるのなら俺から言う事はないな。

しかし気になる事がある‥


「イザベラさん。同じパーティであたる事もあるのか?」


「そうね。その辺は配慮しているわ。Aランク冒険者は本戦からの参加が決まっているけど、Bランクは予選があるの。予選から本戦には毎年変わるけどだいたい10名程度が参加する事になるの。だから同じパーティは基本的に予選会場が別れる事になるわ。」


なら俺たちが対戦するとしたら本戦になってからか。


「わかったイザベラさんありがとう。それとアキーエもミミウも本戦で対戦できるように頑張ろうな。」


「当たり前じゃない。マルコイにも負けるつもりないわよ。」


まったくアキーエには敵わないな。

いつから考えていた事なんだか。

軽く考えていたけど、本戦には進めるよう頑張るとしますかね。


討伐報告をした後、イザベラからBランクに昇格した事を告げられた。


「ついにBランク冒険者か。」


「そうね。多分かなり早いペースじゃない?」


アキーエはこちらを見ながら笑っている。


そうだな。アキーエと冒険者になってミミウやキリーエが仲間になった。

他にもいろんな人に助けてもらったな。

駆け足でここまで来たが、冒険者になった時にアキーエと共に決めた、高名な冒険者になるまで走り続けるぞ。




その後Bランクへの昇格祝いで3人でご飯を食べに行く事になった。

キリーエも誘いたかったが、戻りそうになかったので宿に伝言を残して行く事にした。


「さて、どこに行こうか?」


「最近出来た人気のお店に行くですぅ!」


ミミウが詰め寄りながら言ってきた。


「わ、わかった。でも人気の店なら多いんじゃないのか?」


「大丈夫ですぅ。マルコイさんなら少し待つだけですぐに入れますよ。」


よくわからんが、ミミウのおすすめのお店に行く事にした。




今俺の目の前にはレストランがある。

その名も『米処アキーエ』

店の看板には俺の横に立ち、真っ赤な顔で俯いている人によく似た絵が描いてあった‥



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