何も無く平穏な日常よ

平日
ゆーj
ゆーj

女神様(田中先生)との会話が楽しい

公開日時: 2021年2月7日(日) 18:46
更新日時: 2023年10月27日(金) 09:45
文字数:3,110

6月、もう夏と言っても良い位の暑さ。

オーケストラのように合わせて鳴く蝉の声。

ライトが照らしているかのように放つ陽の光

とにかく暑いし汗でベタベタするしもう最悪だ。早く家に帰ってシャワーを浴びたい

今日は日曜日、なのになぜ外にいるのかと言うと

「偶然ですね内田さん」

「は、はい!そうですね!」

こういうことである。

もっと詳しく言うと、アイスが食べたくなって冷凍庫を探ってみたが見当たらないので仕方なくコンビニまで買いに行った時に何とそこで女神様がご降臨なされたのだ。

この機会を逃せば学校でしか絡みがなくなる

それだけなんて嫌だ!女神様がいるだけで幸せなのは分かっている!だが、自分の欲を押し殺すことは出来なかった…

いやー私って幸せだなー!

あは、あはははははは

「どうしたんですか?そんなにニコニコして?」

おっとマズイ、つい顔に出てしまっていた。

ポーカーフェイスは難しいな

だが、ここは怪しまれないように

「いえ、少し昨日の番組のこと思い出してしまっていて」

少し気持ち悪いが先生のことでニヤニヤしてるほうがもっとまずいのでここは仕方ない

「あら、そうなんですか?先生もたまにありますよそう言うの。ふふっ、恥ずかしいですね」

恥ずかしいです。凄く恥ずかしいです。

先生が恥じっらっている姿が少し色っぽくてそれでいて純粋無垢な少女のような態度で、

何かこう、なんていうんだろう。

とにかくこっちまで恥ずかしくなってくる

もう止めて!舞のライフはゼロよ!

「へ、へぇ。そうなんですか。あ、アハハハ」

「そうなんですよ。ウフフフ」

なんかドッと疲れた。一緒に横に歩いてまだ約5分しか立っていないのに、やはり人間と神では平等に話すことは無理なのか?

「所で内田さん」

「は!はい!」

ビックリした!女神から話しかけてくるなんて私を殺りに来たのかと思ったよ

「今から暇かしら?良かったら家に遊びに来ません」

…………………………………………………………………………………stairway to Heaven

だと、、、

「ここから近いんですよ先生の家」

死んだな私。遺書書くなんてまだまだ先だと思ってたのに…母さん父さんごめんね。

あれから10分、目の前にはDoor of deathがある


凄く立派なマンションであった。

リッチが住みそうな大きなマンション。40階建てかな?

「さぁこっちよ」

先生が私を導く。あの世に導く

でも、何だろう別に嫌ではない。むしろ嬉しい。最後目に映ったのが先生なら悔いもない。

「先生最上階なんですよ。少し気持ち悪くなるとは思いますがその時は先生に声をかけてくださいね」

なるほど、まだ人間を保っている私には頭痛や吐き気が生じると言うわけか

「はい。わかりました」

エレベーターに乗り40階へと上がる

本当に40階だった、私すげー

1分経過、何だかきつくなってきた

まだ23階、まだまだだな

先生があたしの顔を見る

「内田さん大丈夫?顔色悪いわよ?気分が悪くなったら先生に言ってって言いましたよね?」

あ、やばい怒らせたかな?

「す、すみません。迷惑をかけないようにと思いまして」

「そんなことしなくていいんです!貴方はまだ子供なんだから大人に甘えていいんですよ!ほら、こっち来て」

私は先生の所に寄ると先生は私を先生の胸に当てて優しく抱いてくれた

あ、そっか私ここで死ぬんだ

今までありがとう皆、私幸せだよ。女神様のおっぱいで逝けるんだから

すると先生が話しかけてくる

「私ね、昔から友達とかに落ち着く匂いがするってよく言われていたんですよ。だからこうすると少しは楽になるかなーって思いまして。ど、どうですか?」

はい。楽です。楽に死ねます

私は目を瞑り、先生に身を任せる

先生は優しく頭を撫でてくれる

何だろう。確かに落ち着くな、と言うよりかどこか懐かしい感触と匂い

あ、そうだ。私はこの両方を知っている。

これは小さい時私が泣いてたり拗ねたりする時いつも母さんに抱かれていた。そしていつも母さんの胸の中で寝ていた。

そうか、だからこんなにも落ち着くのか

落ち着いたところでエレベーターが止まった

「さぁ着きましたよ。部屋に入ったらすぐにお水用意しますね。」

「い、いえ!お構い無く」

そんな、女神様におもてなしさせるわけにはいかない

すると先生が頬をプクッと膨らませる

可愛い

「内田さん?先生言いましたよね?子供は甘えて良いって。未成年の子供がそんなに畏まるものじゃありません」

「はい…ありがとうございます」

「ふふっよろしい」

この人には参っちゃうなぁ

先生の家におじゃまし、中へと入る

「お邪魔しまーす」

「はーい、いらっしゃい」

さすが高級マンションだ。中も広い。と言うより先生の家の中には特にものが置かれていなかった。

必要最低限の家具や食器、化粧台位、少し大人びた感じに木の枝のインテリアがある。

先生は余り欲がないように見える

「こちらにどうぞ座ってください」

先生の言われたところへと足を進み、座る

「はいどうぞ」

お水が出された

「ありがとうございます。いただきます」

先生はニッコリとして

「はい。召し上がれ、お代わり沢山ありますので沢山飲んでくださいね」

やだ、ちょーお茶目。可愛過ぎる。

クソッ!ここに叶出がいてくれさえいれば私もこんな調子にならないと言うのに!

私にはやっぱり叶出が必要みたいだ

「また佐倉さんのことを考えていたのですか?」

田中先生が突然話してくる

どうしてわかったのだ?私は確かに口に出していなかったはず

「内田さんは佐倉さんと話している時いつも活き活きしてるんですよ。先生と話している時、内田さん昨日の番組を思い出してたって言ってましたね。その表情がその時の顔と似てましたから実は佐倉さんのことを考えていたんじゃないかと思いまして」

すみません。先生の可愛さに見惚れてニヤけてただけなんです。申し訳ありません

だが、先生に恥を掻かせるわけにはいかない

「ま、まぁ実はそうだったりそうじゃなかったり?」

先生はくすりと笑う

「どっちですか。ウフフフ」

微笑みの爆弾来ちゃったよ

それから数時間先生とお話して分かったことがある。

先生は自分を大切にしていて、生徒を大切にしていて、他人までも大切にしていている

そして、時が経つのは早くてもう夕方なのだ

「それでは私は帰ります」

「はい、さようなら。本当に見送らなくていいの?」

「はい。大丈夫です」

我が子を心配するように見る田中先生。

その目がどことなく心配してくれる母さんに似ている

「それでは明日、学校で」

私は頭を下げお礼する

「はい、学校で。元気な顔を見せてくださいね」

やはりこの人は人間としてパーフェクトな人だ

そして今まで女神などと言っていたが訂正しよう。

この人は私達の担任で一人の女性なのだ

だから、だからもう少しだけ距離を縮めたい

「せ、先生!」

「はい?何ですか?」

緊張する。だが、前に比べれば余裕な方だ

でも少し恥ずかしいので下を向いて

「先生!下の名前で呼んでいいですか!それとたまに遊びに行ってもいいですか!」

うわー、すげー早口で喋っちゃった

ちゃんと聞いてくれてたかな?

確かめるべく顔を上げ先生を見る

先生はすごく嬉しそうな顔で

「はい!もちろんです。是非いらしてください」

と、言ってくれた

よかった。本当に良かった

これから少しずつ変えていこう。変わっていこう。将来なんてよく分からないが出来れば、この人のような人になりたい

マンションから出て、先生の階を見上げた

そしたら先生がベランダから手を振ってくれていた

あの人はどこまで私をトキメかすのだろう

私は先生が見えなくなるまで帰り道を歩き、先生が見えないくらいの距離なったら走った

何だか楽しくて心が踊って、走りたくてしょうがなくて、でも先生に見られるのは恥ずかしいので見られないところで走った

家にたどり着く

家ではいつも通りに戻っていた

良かった。このままウキウキテンションのままだったらどうしようと思ったよ

晩御飯を食べ、お風呂に入り、パジャマに着替えて歯を磨く。

そして今日の一日が終わる

「では、書きますか」

【今日の日常生活】

(先生は心優しく女神のような人間であった)



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