何も無く平穏な日常よ

平日
ゆーj
ゆーj

明日から

公開日時: 2021年2月8日(月) 02:26
更新日時: 2023年5月28日(日) 23:28
文字数:2,664

7月上旬、本格的に夏が始まった。

なんで夏なんてあるんだろう。暑いだけで楽しいことなんてないじゃないか。

窓の向こうを見上げる。飛行機雲がある。真っ青な空の中に飛行機雲って綺麗だな

「こら、内田余所見するな」

ゴツ!鈍器(教科書)でしばかれた

「いっつぅぅぅあぁぁ」

授業中なの忘れてた。今は6時限目の数学、中島先生の授業の時間だった。

中島は呆れた顔をして

「お前はいつもぼーっとして、他の教科の先生からも聞いてるぞ?お前なぁ?学生なんてあっという間なんだからもう少しシャキッとしろシャキッと」

何も言い返せない。この人がもっときつく言うんだったら反抗しようとしたがそんなこと言われたら何も出来ない

反省するしかないな

「すみません、気をつけます」

先生は私が反省していると判断し、少しニコリと笑い

「分かればいいんだ分かれば。じゃあこれからはもっと厳しくしてやるからな!はっはっはっはっはっ」

先生は高笑いしながら授業に戻る

えー、マジで?最悪じゃん。これまでより厳しくなるの?うげー

廊下側を振り向くと叶出は笑いを堪えている。

他人からしたら面白いのかな?てか笑い過ぎじゃない?


ピーンポーンパーンポーン


終わりの鐘がなる

「お、鳴ったか。今日はここまで。しっかり予習しとくように」

やっと終わった。背中を伸ばしていると叶出がこっちへ来る。笑いながら

「いやー、まいっちは飽きさせないね。」

何も嬉しくないが叶出の笑顔が見れたので良しとしようか

教室の扉が開く

「皆さーん、もう終わりますので席についちゃってください」

お、きたきた。我らが担任の信子先生だ。今日もお綺麗です

「さぁ皆さん!もう少しで夏休みです!楽しい思い出を作るのはもちろんいいですが課題も沢山ありますのでしっかりとやってきてくださいね?でないと先生のお仕事増えちゃいますから」

そっかぁ誰かがやってこないと仕事が増えるんだー。大変なんだな先生って

「それでは報告もありませんし今日はここまでです!今日はとても暑いので家に帰ったら水分補給をしっかりしてくださいね」

先生はいつも生徒達を心配してくれる本当に素敵な人だ

「あ、そうだ舞さん。少しお話したいことがありますので、後で職員室に来て下さい」

お気づきだろうか。そう、先生は私のことを

下の名前で呼んでいるのだ

あの件以来私は先生の下の名前で呼び、先生も下の名前で呼んでくれるようになった。

最初叶出は、ん?みたいな感じだったけどだんだんと慣れてきて気にしなくなっていった

叶出がこちらに来る

「どうしたの?なんで呼ばれたの?とうとう悪いことしたの?」

なんで私が悪いことしたこと前提で話すのかなこの子は?

「さぁ?私何もしてないけどな?」

「もしかしてボーっとし過ぎて先生たちに怒られるんじゃない?かわいそー」

マジかー。もしそれが本当なら結構凹むなー

まぁ仕方ないか。怒られてくるか

「叶出。先に帰ってて、長引きそうだし」

叶出は頭を横に振る

「ううん、ついていくよ。まいっちが怒られるのみt…怒られたら慰めてあげるよ」

こいつ怒られるとこ見たいって言いかけたよな?本当叶出は性格が悪い。

教室を出て職員室に向かう。

職員室に入ろうとしたら信子先生が出てきた

「あ、まいさん丁度良かったわ。こっちに来て下さい」

私達は先生の後ろからついていく

先生は振り返り叶出に言う

「佐倉さんは少しここで待っててもらえますか?すぐに終わりますので」

叶出は準備室の前の廊下に待たされた

私と先生は準備室の中に入る

先生は椅子に座り呼んだ理由を説明する

「あのね?とても恥ずかしいのですが…あのーですね?夏休みから少しの間だけ泊まってくれませんか?」

「…………ん?、、え?」

私の聞き間違いか?先生があたしに泊まって?いやいやいや、無い無い。

もう一度聞き返そう

「えっとぉ先生?なんて言いました?すみません私最近耳の調子おかしくて」

先生はもう一度言う

「せ、先生の家に少しの間だけ泊まっていってくださいますか?…んー///やっぱり恥ずかしいです」

……………………………………………………おっと、脳の活動がshutdownしていた。

処理が追いつかなくて落ちちゃったよ

先生の家に、夏休み、お泊り、楽ちい、課題教えてもらえる、ハッピー。

「はい。いいですよ」

私ってほんと単純

先生は にぱぁっと顔を明るくなって

「本当!良かったわぁ。断れたらどうしようと」

「それは良いんですが。なぜ急にそんなことを?」

まずはこれを聞かないと流石に気になる

「えっと、それはぁ…ですね?」

先生が少し不安げな顔をなった。何かあったのだろうか?

「実はですね。先生のマンションに空き巣があったらしくて、あ、先生はないんですよ?先生のマンションに住んでいる住人さんが被害にあったらしくて」

あんな凄いマンションに空き巣が入るなんて

まぁ、あんなところに住んでる人なんて金目がありそうだから狙うのは当然だが。あのマンションはオートロックになっていたはず?

なのに何故空き巣が入られたのだ?

すると先生は続けて言う

「先生のマンションってオートロックなんですがそのセンサーの部分が壊れていて今は開放状態なんです。夜の12時までには閉まるんですが、、、やっぱり入られてるところはありますしすごく不安で…なので先生の家を知っていていつも明るい舞さんなら空き巣なんて気にならなくなるんじゃないかって思ったんです!」

なるほど。だが少し不可解だ。空き巣に入るなら夜12時前ならいける。だが残業とかで12時に帰る人だっているはずだ。

「事情は分かりました。それなら仕方ありません。それなら今日から泊まりに行きます」

どうやって空き巣が入って来れたのかはまだわからないが早いうちに対策を建てねば、その為にはまずは下見だ。

先生はびっくりした顔で

「え!?そんな早くなくて良いんですよ?それはとても安心できますし何より先生もそっちの方が嬉しいですが…良いんですか?」

先生が上目遣いで言ってくる

「ふえ!え、えぇ。良いですよ?私も先生が心配ですから」

先生が少し涙ぐんだ言い方で

「ありがとう舞さん!!」

笑顔で上目遣い使ってくる

守りたいこの笑顔。この人を悲しませるやつから守りたい

話は終わり、先生はまだ若干涙目になっていたので先に出ることにした

「まいっち!話何だったの?」

あー、どうしよ。どう説明するかな?先生は多分知られたくないようだしなー

心苦しいが嘘を言おうか

「いやー、各先生から私が授業をまともに受けてないってクレームきたらしくて注意されてたんだ」

叶出は納得したらしく

「やっぱりね!だと思ったよ。」

納得してくれて良かった

家に帰る。泊まる準備をする。母さんにはしばらくの間友だちの家から学校に行くと伝える。母さんに泊まることを叶出に連絡しといてと頼んだ

家を出る前に忘れると危ないから今日の締めを書いとくか

【今日の日常生活】

(先生のナイトになった)

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