何も無く平穏な日常よ

平日
ゆーj
ゆーj

ドキドキする

公開日時: 2021年2月6日(土) 01:15
更新日時: 2023年10月27日(金) 08:54
文字数:2,669

次の日、私達は昨日叶出が言っていた先生は結婚しているのか。

それを聞いた私はそれを先生に質問をしたい。

今日は朝のHRに自己紹介がある。その後、先生に質問をしようと思う。

本当に結婚しているのか。田中とは旦那さんの名字なのか。もしそうならばその男の下を使えなくしてやる。

登校中、ダメダ緊張してきた。

鼓動が速くなる。何なんだこの気持ちは。

もしかして、これが恋?

「んなわけ無いでしょ」

あれ?私言ってないはずはずなんだけどな?

もしかして口に出てた

「口には出してないけど、顔に出てたよ」

なるほどね、だからかぁ

てか、心読んでるの?この子人の心を読む能力あるの?目を盗む能力…なんてね

「叶出はよく見てるね」

「当たり前じゃん。私はまいっちしか見てないよ」

「舞的にポイント高い!」

「まいっち…怒られるよ?」

おっといけない、どこぞの千葉の兄妹の口癖が出てしまった

「まいっちは怖いもの知らずだね」

「いや、私も怖いものくらいあるよ?」

「ふーん、例えば」

「ん?例えば、そうだなぁ。田中先生に嫌われること。田中先生に無視されること。田中先生に名前を忘れられること。田中先生に…」

「あ~、ハイハイもういいや」

叶出は呆れた顔をしていた。だが私は答え続けた。

「後は、叶出に嫌われること。叶出に友達やめられること、かな?」

叶出はポカンとした顔をしていた。何だか面白いな

「そんなこと思ってたの?」

え?逆に思ってくれてないの?私だけ?

「そりゃそうでしょ叶出以上に信頼してる人家族以外いないよ」

叶出は頬を赤く染めて髪を指に絡め照れていた。可愛いな私の親友

そんなことを話していると、もう学校近くにいた。

叶出はまだ頬を赤らめている

正門前に近づくと生徒会と風紀員が挨拶活動している。ご苦労なことだ

なら、私達も協力するしかあるまい

「「おはようございます」」

二人揃って挨拶をする。

「おはようございます!」

なんて元気の良い返事なのだろう

きっとあの先輩は皆を引っ張る人になるだろう。…誰目線で言っているのだろう

正門をくぐり抜け、靴箱に進み上靴に履き替える。

そして教室へと向かう。

あ、ヤバい。心臓の鼓動が速くなってきた。

静まれ私の心臓

教室の扉を開く。だが、先生はいなかった

そりゃそうだ。まだチャイムも鳴っていないんだから

緊張の糸が解けて大きな息を吐く

「緊張して損した」

「でも、チャイムが鳴ったと同時に先生は来るんだよ?もう少しで鳴るし」

「え、嘘?まじ、待って待って心の準備できてないから、無理だから」

焦りまくる。それを見る叶出はクスリと笑う

「もう、仕方ないな。私が聞いてあげるからまいっちは聞いてるだけでいいよ。それなら大分マシになるでしょ」

私が聞くはずだったんだけどな、私の親友は気遣いの出来る優しい子だ


ピーンポーンパーンポーン


チャイムが鳴る。それと同時に先生が教室へと入ってくる

「はーい皆さん席について下さーい」

皆が席へと着く

「えー、皆さん起立してください」

一同は起立する。私は緊張して少し遅れて立つ

「起立。礼。着席。おはようございます」

先生は本当に綺麗だなぁ。あの綺麗な先生の素肌に男が触っているも思うと反吐が出る

そんなことを思っていると皆が席についている。前を向くと先生があたしの目を見て

「内田さん。昨日余所見しないって言ったばっかりなのに全く貴方は、ちゃんとしなさい」

先生に怒られた。しかし可愛さが勝っていて別に怖くもなんともなかった。寧ろその顔を写真に納めたかった

周りから笑い声が聞こえる。座ろう、恥ずかしくなってきた

「はーい、それでは皆さん。昨日言っていた自己紹介をします。では先生から改めてしますね」

お、これは先生の好きなものを知るチャンス

「えー、コホン。私の名前は田中信子と言います。好きなことは寝ること。好き食べ物はオムライスとプリンです。これから1年間よろしくね」

え、待って待ってすごく待って、コホンってなに?超可愛いんですけど、寝ることとオムライスが好きって子供じゃん。何なのこの先生マジで天使。あ、違った女神か

「あ、皆子供だと思ったでしょー。これでも立派な大人なんですからね?」

はい。すみません思っちゃいました。だが、そんなことを言う先生が背伸びしている子供にしか見えないです。これ私だけ?違うよね?みんなそう思ってるよね?

「まぁ、ざっとこんな感じです。それでは廊下側の人から順番にどうぞ」

お、てことは叶出が先に自己紹介をしてくれる。頼むぞ

視線を感じたのか叶出は私の方を見てウィンクする。可愛いな私の周り可愛い子ばっかりだな、ハーレムじゃん

すると早くも叶出の番がきた

「えー、私の名前は佐倉叶出です。好きなことはテレビを見ること。好きな食べ物は先生と同じプリンです。よろしくお願いします」

拍手が鳴る。すると叶出が質問をしだす

「先生質問です。さっき聞きたかったんですが先生は結婚しているんですか?それか彼氏とか」

ナイスだ叶出、もし結婚していなくても彼氏がいないとは限らない。流石だな

「え〜っと、あいにく結婚もお付き合いしている人もいませんね」

よ、良かったぁ、いたら世界滅ぼそうかと思ったよ。そんな力無いけどね

安心していると叶出はまた先生に質問する

「じゃあその指に付けている指輪は何ですか?」

「え?あーこれ?これはアクセサリーですよ」

なるほどね、てかあれ薬指じゃなくて人差し指だし、左手じゃないし。やっぱり叶出の見間違いだったな

「そっかぁ、わかりました。ありがとうございます」

そしてたんたんと自己紹介が進み皆回った

私は適当に終わらした

「はい、ありがとうございます。これからクラス一同強力しあい楽しいクラスにしましょう」

私は先生と叶出がいてくれるだけで良いのだが、まぁ女神様が言うのであれば仕方ない。仲良く云々はともかく協力はしよう。

女神様の命令なら仕方ない。

「え〜では、今日はこれで終わりです。明日から通常授業になりますので教科書・ノートを忘れずに持ってきてくださいね」

今日先生を見れるのはここまでか

はぁ、ハラハラした。結婚してなくて本当に良かった。犯罪者にならなくて良かった

「まいっち帰ろー」

「うん。そだね」

席から立つ。そして田中先生に挨拶する

「先生さようなら」

「さようなら」

「はい、さようなら。あ、内田さんボーっとし過ぎたらだめですよ、もう貴方は高校生でここの生徒なんですから。学校に恥じない人になって下さいね?少しくらいなら良いですけど」

固く言ってるように聞こえるがその実、無理しないでと遠回しに言ってくれている。なんて優しい先生なんだろう。

私はこの1年間楽しく暮らせそうだ

何も無く平穏な毎日から、今日から女神様と会話することが出来る。

私の思っていたのとは少し違うが今はこれで良しとしよう。

このように先生に出会えたんだ、いつかもっと素敵な出会いだってある筈だ

これからが楽しくなる予感がする。

私の何もない人生が今新たな素敵な1ページになる。

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