プールでのんびりして、シャワーを浴びてからメインダイニングへと向かった。
今日の夕食は俺が湖で釣り上げた虹鱒を中心とした料理のはずだ。
「ご主人様、お待ちしておりました」
ルイ、レイ、リイの3人のメイドたちが声を揃えて、俺を迎えてくれた。
全員がポニーテール、どの娘もタイプは違うがオレ好みの美少女だ。
にこやかに席に着くとソニアが言った。
「ご主人さま、何か良いことでもございましたか?」
そう言ってソニアは悪戯っぽく笑った。
「いや、自分で釣った虹鱒料理が楽しみで、つい頬が緩んでしまったんだよ」
そう言って誤魔化したが、ソニアはオレのニヤけ顔の理由はお見通しのようだ。
ほどなく虹鱒料理が運ばれてきた。
虹鱒のカルパッチョ、レモンソースがけ
虹鱒の香草焼き
虹鱒のムニエル、トマトとマッシュルームソテー添え
虹鱒とトマトのコンソメスープ
その他にも色々な料理が並ぶ。
どれも美味しそうだ。
メイド達がオレのために料理を取り分けてくれている
するとローレンがワゴンに乗せて何やら運んできた。
「カイト様、虹鱒料理にスパークリングワインは如何でしょう」
「お~、気が利くね~、さすがはローレン」
「お褒めいただき、ありがとうございます」
「ワインセラーには、他にも多くのワインが常備されておりますので、お料理に合わせてその都度お勧めのワインをお持ち致します」
そう言うと、ワインクーラーでよく冷えたスパークリングワインを注いでくれた。
ワイングラスに注いでもらって、さあ飲もうとすると
「ご主人様、窓の外をご覧下さい」とソニアが言った。
ソニアが指差す方向を見ると、今まさに湖の対岸に陽が落ちようとしているところだった。
鮮やかなオレンジ色に輝く夕陽が素晴らしい。
この世界に来て、まだ僅かだが、このリゾートは本当に素晴らしい環境にある。
オレはワイングラスの中で気泡を発する黄金色の液体の向こうに、オレンジ色に輝く夕陽を重ねて言った。
「豊かな森と湖、そして素晴らしい夕陽に乾杯」
ちょっとキザだったかも知れないが、メイド達は拍手してくれた。
虹鱒料理はどれも絶品で、味付けも申し分なし。
きっと料理人の腕は、かなりのモノなのだろう。
厨房の奥で誰が料理をしているのか見たことはないが、その内ソニアに言って料理人に会わせてもらおう。
その後、ゆっくりと時間をかけてオレは食事を楽しんだ。
「食後のコーヒーでございます」
そう言ってソニアが、コーヒーを運んできた。
コーヒーの芳醇な香りが漂い、それを飲みながら食事の余韻に浸った。
これぞ、まさにリゾートライフ、いや極楽と言ってもいいんじゃないだろうか。
そしてこの後、夜のお楽しみが待っているはずである。
夕食を終えて、屋上のペントハウスへ階段を上った。
今日も晴れていたので星が良く見えるはずだ。
ドーム型の天井を透明にしてみた。
すると上空は雲一つ無い満天の星空。
目を凝らし星団をひとつ見つけたが、やはり見知った星座はひとつもなかった。
ペントハウスの一角にはジャクジーバスが備え付けられており、既に湯が張られている。
オレは湯に浸かり、リラックスしながら星を眺めていた。
するとソニアと臨時専属メイドのルイとレイが入って来た。
「お寛ぎのところ失礼致します」
「もし宜しければ、お背中をお流ししますが、如何なさいますか?」
ルイとレイはバスタオルのようなものを体に巻いているが中は裸だろう。
「あ~、せっかくだから、お願いしようかな」
オレは少し上ずった声で言った。
ジャグジーから出て洗い場に行くと、間接照明が灯り、待ち構えていたルイとレイが手際よくオレの体を洗い始めた。
ひょっとして、今夜もこのまま昨日のような流れになるのか?
オレは期待に胸を膨らませながら、メイドたちが洗うに任せた。
メイドたちの体に視線が行くとオレの男が反応してしまう。
「ご主人様、私達のことは気になさらないで下さい」
そう言うと、メイドたちは、何も見なかったように、そのまま洗い続けた。
そっちが気にしなくても、こっちは気になるのだ。
どうやら今回は、単純にご主人様の体を洗う純粋な『洗浄サービス』だったようだ。
一連の作業を終えるとレイとルイは失礼しますと言って部屋を出て言った。
オレは風呂から上がり、ラウンジでソニアが注いでくれた冷たいビールを飲みながら考えた。
「ソニア、ちょっといいかな」
ラウンジの隅に控えていたソニアを呼ぶ。
「はい、ご主人さま、御用でございますか?」
「え~っと、ちょっと聞きにくいんだけど」
「夜のサービスって、今夜もあるの?」
「申し訳ございません」
「メイドたちの夜のご奉仕は、昨日ご主人さまがポイントを全部使われてしまいましたので、本日のサービスは、ご提供は出来かねます」
「え、ポイントって何の?」
「って言うか、あれってポイント制だったんだ」
オレはソニアの言葉に落胆した。
ソニアはオレの様子を気にしていない様子でこう言った。
「これがご主人さまの現在のステータスでございます」
ソニアがそう言うと、目の前にはホログラフィのようにオレの能力レベルの一覧が浮かび上がった。
名前 カイト・ハヤミ(男)
年齢 18歳
身長 180cm
体重 70kg
経験値レベル 3(116/300)
HP 0
LP 2280
保有アイテム 英知の指輪
保有スキル
1.マルチリンガル レベル1 最大2の言語を聞く、話す、書くスキル
2.ファッシネーション レベル2 自分が好意を持った人が自分に好意を寄せるスキル
3.リッチライフ レベル3 努力の必要なく豊かな生活が過ごせるスキル
他にも攻撃力や防御力、敏捷性など色々なステータスが書かれている。
「これがご主人さまの現在のポイント残高とスキルのリストです」
「タブレットと同じように指で操作することが可能となっています」
「ちなみにこのステータスは、ご主人さまと私、他は執事長のローレン様にしか見えません」
「へ~、こんなふうに自分のステータスが見られるなんて知らなかったよ」
「現在の3つのスキルは、女神様から頂いた「英知の指輪」のスキルが反映されています」
「今後は『ステータスオープン』と心で念じていただければ、ステータスが開きます」
「この指輪にそんな力が隠されていたなんて…」
「そう言えば最初に女神様に会った時、スキルのことを説明されたけど、すっかり忘れてたよ」
「この指輪には、まだ色々な力が隠されていますが、ご主人さまの経験値レベルが上がると、スキルのレベルも上がりますし、使えるスキルも増えてきます」
「まずは色々と経験されて経験値レベルを上げるのが宜しいかと存じます」
「先ほどのご質問に戻りますが、メイドたちの夜のご奉仕サービスは、HP100ポイントで1回のサービスが受けられます」
「ちなみにHPはエッチポイントの略です」
そのまんまやん、オレは心の中で呟いた。
「ご主人さまは、昨日メイド3名をご所望でしたので100ポイント✕3でHP300ポイントをお使いになられて、現在のポイント残高は0でございます」
「1人1回100ポイントか」
「最初からそれを知っていれば、1人ずつにしたものを…」
「ちなみに、そのポイントってどうすれば増えるんだ?」
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