異世界リゾートライフ

いつの間にか美少女ハーレムの主になってました
towano_hikari t
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第9話 今夜のお相手は?

公開日時: 2023年3月1日(水) 00:16
文字数:2,208

 部屋に戻ると夜9時を回っていた。

 ちなみに、こちらの世界も1日24時間なのだが、感覚的には元の世界より少し長い気がする。


 オレは8階の専用居住スペースに戻り部屋の風呂で汗と焚き火の匂いを洗い流した。


 今夜は、晴れて星もよく見えるので、屋上のペントハウスを透明にして天然のプラネタリウムで寝てみよう。


 このペントハウスはドーム型で光の透過率を変更すると全面を透明にできるのだ。


 ベッドに入り、照明を落として夜空を見上げる。

 今夜は月も無く、周囲に人工的な灯りは無く、小さな星までくっきりと見える。


 しかし見覚えのある星座は無く、自分が異世界にいることを改めて思い知らされた。


 しばらくするとドアがノックされ、ソニアが3人のメイドを連れてペントハウスへ入ってきた。


「ご主人さま、お休みの所、失礼致します」


「こんな時間に何の用?」


「もし宜しければ、今夜のお相手をと思いまして…」

「どの娘が宜しいですか?」


 その言葉に驚き、オレはベッドから起き上がった。


 入口にはリナ、レナ、ルナが悩ましいキャミドレスに身を包み微笑んでいた。


「ど、どの娘がいいか決めろって?」


「もし、この中にお気に入りの娘がおりませんでしたら、36名のメイドの中からご指名いただけますが…」


「もしお望みでしたらわたくしでも宜しいですよ」とソニアは自分を指さした。


 オレはソニアの言葉に固唾かたずを飲んだ。

 これは俗に言うハーレム、いや酒池肉林しゅちにくりんではないか。


 ソニアの言ったことを頭の中で消化しようとするが、咄嗟とっさのことで思考が追い付かない。

 それにいつもより動悸どうきが激しいし、変な汗まで出てきた。


 改めて目の前の3人のメイドを品定めする。

 リナは細身だが胸もあり、髪の色は濃いブラウン系で背中までの長いポニーテール、見た目は可愛い妹タイプの美少女だ。


 ルナは3人の中では一番大人っぽく、肩まであるサラサラの美しい金髪、自己主張の激しいナイスバディ、端整な顔立ちで笑顔が印象的な美少女だ。


 レナは大きな黒い瞳に黒髪の真面目そうな優等生タイプの美少女だ。

 胸は小さくもなく、大きくもない、ちょうど良い大きさ。

 髪は普段はロールアップしているが、今は下ろして背中まで垂らしている。


「もし迷われるのでしたら、2人でも3人でも宜しいですよ」

「私どもは、ご主人様にご満足いただけるよう、十分な訓練を受けております」


 前世でも、こんな恵まれた状況は一度も無かった。

 いつも女運が悪くて、女性恐怖症の一歩手前まで行ったくらいだから、これはまたとないチャンスだ。


『据え膳食わぬは男の恥』と言うことわざがオレの脳裏に浮かんだ。

 決断力のない男と思われるのもしゃくなのでオレは意を決した。

「それじゃあ、3人まとめてお願いするよ」

 その時のオレの声が上ずっていたのは内緒だ。


 ソニアはオレの意図を理解し、メイドたちに指示を与えた。


「それでは、どうぞごゆっくり」

 そう言うとソニアは部屋を出て行った。


 部屋に残されたリナ、レナ、ルナの3人はベッドの手前まで歩いてくると、膝を折り、床にひざまずいて三指みつゆびを付いた。

「ご主人様、どうぞ宜しくお願いします」


 いずれ劣らぬ美少女3人が上目遣いでオレを見上げ微笑んだ。


「うん、任せなさい」

 そうは言ったものの、こんな状況は初めてなので、どうしたらいいのか分からない。


 天井の灯りは消したので薄暗いが、間接照明だけで、彼女たちの美しい姿は十分確認できる。

「3人とも、こっちにおいで」


「は~い、ご主人さま、お邪魔しま~す」

 えも言われぬ女の良い匂いが脳を刺激した。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 その夜、オレは彼女たちと濃厚な甘い時間を心ゆくまで堪能した。

 ソニアが言ったように3人とも十分に訓練されていた。

 いったい何処で誰から伝授されたのだろう。


「ねぇ、君たち、いったい何処で、こんなの覚えたの?」


「これはソニア様の指導で、メイド同士で訓練しました」


 なんだと~、メイド同士の訓練っていったいどんな?

 オレの脳裏にはメイドたちが技を駆使しあうスゴい映像が浮かんできた。


 女神フィリアが作りし、超生命体メイドロイドは外見や骨格、皮膚、毛髪に至るまで人間と全く同じに見える、しかし人間ではないと言う。


 しかも彼女たちは人間を超越する能力を持っているとソニアは言っていたが、今のところそれを垣間見る機会には恵まれていない。


 3人の統制が取れた動きは、ひとつのチームのようであった。

 そして享楽の波動の末、オレはいつの間にか眠ってしまった。


 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇


 次の日、昼近くに目覚めると既にメイドたちの姿はなく、不意にドアがノックされ、ソニアが入ってきた。

 やっぱりどこかで監視しているのか?


「昨夜は、お楽しみいただけましたか?」

 ソニアは笑みを浮かべながら言った。


「ああ、ありがとう」

「昨日は十分に楽しませてもらったよ」

 オレは照れながら言った。


「そうですか、ご主人さまにご満足いただけて、彼女たちも安堵したことでしょう」

「今度は、私にもお声掛け下さいませ」と意味ありげにウィンクしてきた。


 ソニアはオレが返答に困っているのを気にもしていない様子だ。

「カイト様、お食事のご用意ができておりますのでダイニングまでおいで下さい」


「昨日カイト様にご奉仕した3名のメイドは、今日1日休みを与えてあります」


 そうか、メイドロイドと言えど、昼夜連続の仕事は疲れるのだろう。


「今日は別のメイドがお世話致しますので、あとでご紹介します」

 そう言うと、着替えを準備してくれた。


 今日の朝食は何だろう?

 その時、オレの腹が鳴った。

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