「なあ、嘘だろ?」
俺は今、命を狙われている。
ナイフを突きつけられ、わけもわからないまま視界が揺れた。
部屋に戻ったら、見たこともない男がいた。
顔にマスクをしてて、黒いフードを被っていた。
顔は見えなかったが、明らかに不審者だった。
警察を呼ぼうとした。
初めてのことだったし、なんて言えばいいのかもよくわからなかった。
(…部屋に誰かがいる!)
端的に言えばそうだったんだが、あり得ない出来事すぎて頭がパニックだった。
スマホを取り出して、ロック画面を解除する。
恥ずかしながら、手が震えていた。
うまく番号を押せなかった。
そうこうしているうちに男が俺の気配に気づいて、慌てて階段を降りた。
急いで家の外に出たんだ。
わずかに開いていたドアの向こうで、男がナイフを持っていることに気付いたから。
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