ある城に、一人の男(魔王)が住んでいた。その男はある日、赤子(勇者)が捨てられているのを見つける。
そして、考えた結果助けるということに。なぜなら、自分の人生に面白みがなかったから。そして、張り合いのある敵が存在しなかったから。将来、俺を殺せるくらいの実力を持つことができるのかとか、未来を考えながら時を過ごすのだが……
「ねぇお父さん、強くなりたい!」
「分かった、お父さんが鍛えてやる!」
「ねぇお父さん、これを食べてみたい!」
「そうかそうか、わかったぞ、お父さんがこれを作ってやるからな!」
……そう、あまりにも魔王は勇者と過ごしていくうちに情がうつってしまったのだ。勇者と魔王、本来は憎むべき相手であり、それぞれが持ついろんな思いが時にはすれ違いながらも、二人で成長していく、そんな物語なのである。