父親は失踪し、母親は床に伏せた。いつも一人で家事をこなし、畑仕事でお金を稼ぐ少女。村人はそんな彼女を追い詰めるように、迫害する。なぜなら、彼女の髪色は鮮やかな紫色。かの昔存在したという魔族の髪色と同じだったからだ。
髪色を理由に迫害された少女は、この苦悩だらけの日々から抜け出すと誓い、特訓を始める。しかし、覚えられたのは初等レベルの魔法だけだった。
これは、苦悩の日々を抜け出した少女の、出会いと別れの旅の軌跡。人と人との関係性が魅せる美しさと闇を記した物語。
「私はヴァイオレット、旅人です」