魔界にはそれぞれ「火」「空気」「水」「土(地)」の4つのリゾーマタ(古代ギリシア語: ῥιζὤματα、「根の物質」の意)があり、それぞれが自然の原子力を司っている。
かつて大陸は1つだったが、第一次魔大戦後に2つに分離、『風の大陸』と『灰の大陸』に分かれ、それ以来数千年も戦いが繰り広げられてきた。
9つあった国は5つになり、今では灰の大陸を拠点にする軍事国家「ニブルヘイム」と、風の大陸に鎮座する古の国「ユグドラシル」との争いが激化していた。
ブーニベルゼは灰の大陸にある「火」のリゾーマタを守護する国に生まれていた。
火の王国カリギュラはガルーガル大平原の中央に位置し、リフテム要塞と呼ばれる溶岩石で覆われた堆積層を城壁にしていた。
カリギュラはニブルヘイムを中心とした軍事同盟に於ける主要国家の1つであり、「十二神将」と呼ばれる精鋭部隊を育成&派遣していた。
ブーニベルゼは一国の王女でありながら「十二神将」の第七師団インドラの将官を務めており、神槍グングニルを扱う。
その実力は十二神将の中でもトップクラスであり、次期魔元帥(十二神将を纏める総大将)の候補にも挙がっている実力者だった。
魔法暦4009年、——十二神将はある前線への派遣の要請に応え、第二、三、七の師団をある目的地へと移送していた。
その目的地は「ウルドの泉」と呼ばれる場所だった。
時の草原にそれは位置し、原始大海と呼ばれる“全ての生命の記憶“が集う世界樹の根の下に、泉は存在していた。
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