「どうすんの?」
「どうするもこうするも、行くしかないだろ」
「断ればいいじゃん」
「そんな簡単な問題じゃねーの」
「ふーん」
「さくらの妹は案外筋を通すんだよ」
「筋?」
「…なんつーの?お姉ちゃんに嫌われたくないらしい」
「へぇ…」
「筋違いなことはしたくないんだってよ。喧嘩は吹っかけてくるが、どれも正面切っての喧嘩だ。一対複数とか、負けを認めないだとか、そんなのはとくにない」
「まず喧嘩を売ってくるのがどうかとは思うけどね」
「まーな」
「さくらに言えばいいじゃん。困ってるって」
「余計なこと考えさせたくないんだよ。ようは倒せばいいんだろ?」
「はー。立派ですこと」
「ユウトは昔からそんなだよ。自分で解決しようとするんだ。他人に頼るのが嫌いでさ?」
…別にそんなんじゃねーけど、めんどくさいだろ?
さくらに頼んだところであの妹は納得しないだろう。
それにわざわざ俺の土俵で戦おうとしてる。
ご丁寧に公平な審判をつけて、だ。
部活の練習ついでだし、逃げる理由もなかった。
対戦を断って、裏からコソコソつけられるのはマジで勘弁なんだ。
だったら、相手が納得するまで付き合ってやった方がいいだろ?
今のところ、負けたら退場していくんだから。
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