『世界一の剣士になる』
子供の頃、短冊にそう書いた記憶がある。
その頃の夢は今も色褪せてない。
今はもう少し具体的というか、将来は「警察官」になりたいと思ってるんだ。
ジッちゃんみたいな立派な警察になって、いずれジッちゃんを越えるほどの剣豪になりたい。
そう想い続けてきた。
昔も、——これからも。
「強さ」とは何かを考え続けてきたって言った方がいいのか?
…なんつーんだろ。
強いってのはどういうことなのか、「最強」がどこにあるのか、その答えを探し求めてきた。
とにかくずっとモヤモヤしてたんだ。
強くなったってライオンには勝てない。
人間が生身で勝てるのはせいぜい限られた界隈で、下手すりゃ猫にだって負ける。
それなら強くなったってしょうがないんじゃないのか?って思うこともあった。
だってそうじゃね?
いくら強くなっても、それは限られた世界の中でしかない。
いっそもっと現実的な価値観に目を向けて、まともな生き方をした方がいいのかなって思った。
その方が、金も稼げるだろうし。
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