勉強ができて金持ちで、オマケに美人。
『高嶺の花』
とは、まさに彼女のことだが、俺は別にそんなことはどうでも良かったんだ。
彼女からの告白は最初断った。
“好きになった相手と付き合う”
「関係を築く」ってのはそういうもんだと、俺は思ってた。
だから友達からって言ったんだ。
その次の日からだった。
積極的に話しかけてくれるようになったのは。
俺と彼女の馴れ初めをベラベラと自慢する気はない。
俺が言いたいのは、俺たちがいかに“健全な”カップルかってことで、ヤッたとかヤッてないとかのくだらない色恋沙汰とは無縁だって話だ。
「今」もそうだ。
こんな展開になるとは思ってもみなかった。
部屋の中で一緒に映画を見て、他愛もない話で盛り上がってた。
そっと彼女の手が触れて、はだけた浴衣がそこにあった。
顔を近づけてくる彼女がいた。
一瞬どうしようかと迷ったけど、拒否る理由もなかった。
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