「あーもうめんどくせーなぁ」
「またなの!?」
「みたいだが?」
「この前やっつけてなかった??」
「櫻坂高校の奴らだろ?一応剣道部だったみたいだが、話にならん」
…全く。
俺の土俵で勝負してくれるのはいいが、大体が雑魚なんだよな。
龍宮寺陽菜の触手は県外にも及び、そこら中の他校の男子生徒を傀儡のように操っている。
どこからそんな人脈が湧いてくるのか知らんが、その人脈を他に活かせばいいのになって思う。
ちょっとした企業を立ち上げることもできるんじゃないか??
それか大規模な事前活動とか。
もっと人のためになることをすればいいのに。
俺を倒すためだけに人をかき集めんでも…
「でもさ、冷静に考えたらヤバいよね…。もし一斉に仕掛けてこようもんならひとたまりもないよ?」
「間違いなく死ぬな」
「ああ、それは大丈夫」
「え!?なんで??」
「“流儀”に反するらしい」
「流儀???」
「あくまで一対一の勝負。さくらに見せつけたいみたいなんだ。俺が負ける姿を」
こう見えて俺は全国大会で一位の実力者だ。
「剣道」という道に関して言えば、誰にも負けない自信がある。
俺は子供の頃からジッちゃんの背中を見て育ってきた。
ジッちゃんは警視庁剣道の歴代師範の1人で、その実力は歴代最強と言われている。
俺はその背中を見てきて、ただひたすらに「最強」になりたいと思い続けてきた。
言っちゃなんだが、そこらへんの剣道経験者なんかに負ける要素なんてない。
ましてや、竹刀も触れたこともないような奴らに負けるわけがない。
剣道じゃない方法でって言われたらヤバいけど…
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