「試合を申し込みたい」
「…はい?」
「わかっているだろう?貴様の土俵で戦ってやろうと言っている」
「これからホームルームなんですけど?」
「そんなことは知っている。今日の夕方5時だ。わかっているな?」
…なんなんだよ
コイツらは通称『葛城ユウト討伐隊』と言われている。
空手部に柔道部、あとボクサーとかラグビーとか運動部全般の奴らだ。
なんでそんなふうに呼ばれてるのかって言うと、全ての元凶は「アイツ」にある。
さくらの妹。
龍宮寺陽菜。
お姉ちゃん大好き人間で、自分以外の人間のほとんどをゴミだと見做している外道。
さくらに対する溺愛度は半端なく、いずれ龍宮寺家の別荘でさくらと生涯を共にしたいと考えているとんでもシスターだ。
その化け物ぶりは凄まじく、さくらが寝ている部屋に夜這いを仕掛けようとするほどの逸材。
どうも、俺とさくらが付き合っていることに納得がいっていないらしく、次々と刺客を送り込んでくるんだ。
喧嘩っ早い野蛮人共を招集しては。
ホームルームの時間が来て先輩はそそくさと帰っていったが、すごく迷惑だ。
話があるんなら直接言いにくりゃいい。
わざわざ「刺客」なんて雇わなくても。
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