「ほんっっとーにごめんなさい!!!!!!」
さくらは両手を合わせながら、全力で頭を下げてくる。
なんで謝ってきてるのかと言うと、「さっきのこと」で。
俺はどんな反応をすればいいのかがわからなくなっていた。
完全に思考が停止していた。
あのあと「悪魔」と名乗るアイツは姿を消し、さくらは元の姿へと戻った。
彼女は、自分の身に何が起こったのかがわかっていたようだった。
「えっと…」
「ビックリした…よね?」
ビックリしたというか、…なにが起こったんだ
…まじで
冷静に振り返ってみる。
さくらの体から突然翼が生えてきて、目は紅くなって、おまけに“口調”まで変わって…
“アレ”がさくらじゃないにしても、じゃあなんだって話になる。
悪魔…??
いやいやいやいや
「あの人は…、私の…友達」
「友達!!?」
「…いや、うーーん。他に適切な言葉が無いかもしれない…。例えば、もう一つの人格、とか?」
「えぇ…」
「彼女」は、ブーニベルゼと言っていた。
さくらとは、“旧知”の仲だって
でも、その意味がよくわからなかった。
『契約』。
確かそんなことも言ってた気がする。
はっきりとは聞き取れなかったけど
「ごめんごめん!ちょっと違うかもしれない。友達とか人格とか、…今、変なこと言ってるよね?私」
「…多分」
「あぁぁ、どうしよう…」
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