モフモフが言うには、ブーニベルゼは『何でも屋』という稼業をやっているらしい。
人間界に徘徊する悪魔を倒し、囚われた人間の魂を解放する。
仕事の内容は主に賞金首の「討伐」。
「何でも屋」というくらいだから、基本的にはどんなことも受け付けているらしいが…
「…いやいやいや、どういうことだ!?」
「ブーニベルゼ様は団体行動が苦手な方で。ああ見えて、かなり“インドア”なタイプなんですよ」
「…は?えっと、団体行動…じゃなくて、「何でも屋」ってどういう…」
「さくら様と契約したんです」
「何を…?」
「命と引き換えに、一緒に「旅」をすることを」
「…命…と?」
「あれ?ご存知なかったですか?」
「なにをだよ!?」
「さくら様は子供の頃大病を患い、寿命が間近に迫っておりました」
「は!!?」
「ですから、ブーニベルゼ様が手を差し伸べられたのです。病気を治す代わりに、1枚の「絵」を描いてくれ——と」
…何言ってんだ…コイツ…
寿命?
病気?
…そんなの、聞いたこともない…
さくらは至って健康だ。
出会った頃から明るい子だった。
いつもキャンバスを持ち歩いてて、「海」を眺めるのが好きで。
読み終わったら、ポイントを付けましょう!