ゴッ——
再生した左腕が再度壁を捉える。
一度ひび割れていた裂け目に当たる、拳。
——ザッ
怪物の拳はブーニベルゼを捉えきれない。
壁を破壊した直後にまた、血しぶきが舞う。
左腕は再生していた。
その変化とスピードは、攻撃を中断させられないだけの「動作の繋がり」があった。
ただしそれはあくまで攻撃が“入る”までの間。
壁に接触した拳の表面は、彼女の間合いに侵入する。
刀に近ければ近いほど、その【接触面】は大きくなる。
それは「距離」の話じゃない。
ましてや、「タイミング」でも。
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